教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

近未来の学校教育体験セミナー 模擬授業 夏祭り@仙台 レポート No.1(2018年8月2日)

 2018年8月2日に、NTTドコモ東北支社にて、「近未来の学校教育体験セミナー 模擬授業 夏祭り@仙台」を開催しました。

 いますでにあるテクノロジー(アプリやシステムや教材なども含む)が学校に入ると、いったいどんな授業になるのだろうか?ということを先生方に体験していただくために開催している、近未来の学校教育体験セミナー。

 今回は、経済産業省の「未来の教室」とEdTech研究会の話題も出しつつ、学びの生産性もとても大事な考え方だとは思うものの、とはいえ「やっぱり、授業でしょ!」ということで、授業形式で先生方に近未来の学校教育を体験してもらうべく、「模擬授業 夏祭り」というイベントにしました。
f:id:ict_in_education:20180807112758j:plain

 「学びの個別化の体験(やるKey、English 4Skills)」「プログラミングの体験(micro:bit)」「教育SNSの体験(ednity)」「協働学習、思考ツールの体験(ロイロノート・スクール)」をテーマに、小学校・中学校・高校のそれぞれの校種で模擬授業を実施してもらいました。 
f:id:ict_in_education:20180807112752j:plain

 さまざまなアプリの機能を学ぶよりも、実際に授業の中で先生はどういう発問をして、操作をしてもらうのか、ということを体験していただく方が、先生方にとってはすぐに使えるノウハウになるのではないかと思いました。
 また、先生方には、授業を体験していただければ、「あ、このやり方は他の教科でも使える」というふうに発想をしてもらえるだろうと思っていました。

 机の上には、5つの模擬授業で使うiPadをはじめとする教材や資料が置かれています。
f:id:ict_in_education:20180807112511j:plain


 最後に、ここに来られない人たちにも発信ができるように、またこれから興味を持ってくれる人が検索しやすいように、ぜひ情報発信をお願いします、とお伝えしました。FacebookTwitterなどでハッシュタグ「#ICT模擬授業夏祭り」で情報発信がなされていると思います。
f:id:ict_in_education:20180807112506j:plain

twitter.com

 No.2からは模擬授業の様子を順に、現場からのTwitter発信をもとにレポートします。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

授業で使えるかも?:ヒロシマ・アーカイブ

 本日は8月6日。広島への原爆投下の日です。以前にご紹介した、『データを紡いで社会につなぐ デジタルアーカイブのつくり方』を書かれた渡邉英徳 先生のTwitterでは、ニューラルネットワークによる自動色付けをされた写真が発信されているのですが、本日は広島に投下された原爆のきのこ雲の映像でした。

 その後のTwitterでは、渡邉先生が開始したヒロシマアーカイブについても触れられていました。

 広島 原爆の日である今日、振り返って見てみようと思います。
f:id:ict_in_education:20180806160331j:plain

hiroshima.mapping.jp

 こうしてデジタルでアーカイブが残ることで、後世に伝えていくことはもちろん、学校などの現場で活用することもできると思っています。


(為田)

おせっかいな問題集ATLS(アトラス)を提供するforEst CEO後藤匠さん インタビュー No.5

 デジタル問題集ATLS(アトラス)を提供する株式会社forEst(フォレスト)の代表取締役CEOの後藤匠さんのインタビューをお届けします。ATLSは「Adaptive Training Learning System」の略で、これまでの勉強方法とICTテクノロジーの融合を目指している自主学習支援アプリです。今回は、ATLSの今後の展望と、後藤さん個人としての今後の展望について語っていただいた部分を、談話形式でレポートします。
f:id:ict_in_education:20180803222202j:plain:w400

ATLSとしてのこれからの展望

後藤さん ATLSについて短期的な展望では、他の科目でも使いたいという学校さんが多いので、物理・化学・英語を開発します。英語はもう今年度中にスタートします。コンセプトは変えません。ただし、英語に関して言うと、数学の勉強の仕方と英語の勉強の仕方が違うので、インターフェースは少し変えています。英語は長文、文法、英単語といろいろありますけど、そういったものをそもそもタブレット端末上で解きやすいというふうにするにはどうすればいいのかっていうのは、こだわって作っています。先生方はこれならいけるかもと言ってくださっています。

 長期的な展望で言うと学習とか教育というものを定量的に捉える文化を醸成したいと思っています。学習履歴を可視化してそれをもとにした学力指標というものを作っていきたい。先生方への学習データの可視化、コンテンツプロバイダーである出版社への教材利用データの可視化、そして生徒への自分の学習データの可視化。すべてです。

 「自分が今どこにいてどこを目標にしているから、何をしなければいけないのかわからないけど、とにかく頑張ってやります」というのではなくて自分できちんと考えて自分の状況を把握して頑張って欲しい。

 学校に関してもテストの結果だけを見てこれできてないないっていうのではなくて普段の家庭学習の状況とかもちゃんと見ながら、よりひとりひとりに合わせた指導をできるようになって欲しいと思っています。

 出版社さんは、購入された後に実際に書籍がどう使われているのかというデータを取得することは難しいので、もっとユーザーがそのサービスをどう使ったのかということに目を向けて、出版社さんに定期的にレポーティングします。それぞれの問題集を使っている人たちがどれくらいいて、ストア上でどれぐらい興味を持たれているのか、手に取られているけど買われているのか買われてないのか、最終的にどれくらい買われたかということ以外の数値も見えるようになります。
 また、その問題集を生徒が前からていねいに解いているのか、それとも飛ばし飛ばし例題だけ解かれているのか、辞書みたいに行ったり来たりしながら解かれているのか、使うのを諦めてしまっているのは何章のところなのか、そうしたこともわかるようになっています。

 問題ごとの正答率を見ることで、この問題集ってだいたいこれぐらいの正答率の問題が多いんだけどこの問題だけがやけに難しくないかというようなことも見えるので、出版社からすると、「では、この問題を差し替えよう」と判断するための材料にもなるかもしれません。
 もちろんトレンドであるとか理念であるとかわざと難しくしているとかそういった思惑もあると思いますけど、それを判断するための軸として気づきを与えるためのものとしようとして生徒がそのコンテンツを使ったのかというのを定量データとして提供したい。
 また、ある程度のタイミングで問題集のレビューを促して書いていてもらって、生徒の定性データを取っていく。購入前のデータ、購入後の定量データ/定性データそれらをひっくるめてレポートするので、より強いコンテンツを出版社に作ってもらいたいと思っています。

 いろいろなことをしてそうに聞こえるんですけど、実は基本的に生徒がやっていることは、問題集がデジタル化をされたものを、タブレット上でパラパラめくりながら解いて採点しているだけです。ただ、学習履歴がちゃんと蓄積されることによって、先生も出版社も、もちろん学習者本人にも、より自分の役割を効率的に果たせるような形になってますよというのがATLSの目指すところ。学習履歴をもっと定量的に評価し、参考にする文化醸成が当社でやらなければいけないところですね。
 教育の投資対効果と言っても、その話をする時にやっぱりエビデンスやそもそもデータ自体がまだ揃ってないじゃないですか。まだ、評価するための軸すらできていない状態。そこを今後やっていかないといけないなと思っています。

後藤さん個人としての展望

後藤さん 僕が最終的に成し遂げたいことは「世界平和」です。小学5年生のときにドキュメンタリー番組を見て、ケニアのとある村の、学校に通いたいけど行けない子供を見て衝撃を受けたんです。勉強したいのに勉強できない子がいる理不尽だなと思った。僕とあの子の違いは生まれた国の違いだけ。生まれてきた環境って、その人の責任でも何でもないのにそれによって人生は全然変わってしまう。それはおかしいよなと思ったのが、小学生の頃ですね。
 そこから国際ボランティアになろうということを考えていたんですけどいろいろ調べたら、国際ボランティアの方々って世の中にいっぱいいるのに貧困問題なくならない。なんでだろうと考えていたのですが、ボランティアの方々のやっていることは非常に重要だと思いつつも、僕は社会構造を変える側になりたいなっていうふうに思ったんです。じゃあ、何が変われば世界は変わるんだろうかと僕が考えた結論は、教育と雇用だったんです。
 誰がどこに生まれても自分にとって適切な教育を受けられて、それが適切に評価をされて、その人がその国にいながら先進国の雇用市場とインターネットでつながって雇用されれば、紛争するよりも勉強して仕事をした方が得じゃないかという風になるんじゃないかと。そしたら世界が平和になるんじゃないかという風に考えました。だから、大学院は遠隔コミュニケーションにおける信頼醸成をテーマに研究してました。 Skypeなどのビデオ会議でチームビルディングはできるのかという研究やってたんです。それをやりつつ、自分のビジネスという形でアダプティブラーニング=自分一人一人にあった教育をやっていた。ATLSと言うかフォレストという会社は、どこに生まれても自分のモチベーションや自分の学力にあった教育を受けられる。そして、それを定量的に評価ができるような文化や社会を作っていくやりたいことですね。あとはテレワーキング(遠隔雇用)ができれば優秀な人が、先進国にて先進国の GDP を高めるというのではなく、優秀な人が自分の母国にいながら先進国から外貨を稼いでくる。その仕組みができれば世界平和に貢献することができる。僕はそのために何ができるのかを考えています。
 ATLSによって、もちろん目の前の生徒にとって、便利な学習サービスを提供しながらも、「どうすれば一人ひとりの能力に対しても、モチベーションに対してもアダプティブな情報を提供できるようになるのか」ということを常に考えながら、サービスの開発を進めています。

◆ ◆ ◆

 後藤さん、どうもありがとうございました。

atls.for-e-study.com


(為田)

ICT教育研究会 with Classi in Meisei レポート まとめ (2018年3月28日)

 2018年3月28日に、明星中学校・高等学校において、ICT教育研究会 with Classi in Meiseiが開催されました(明星中学校・高等学校とClassi株式会社の共催)。ICT教育研究会の開催は今年で3年目となります。
 今回のICT教育研究会のテーマは、「ポートフォリオ」でした。開会の挨拶の中では、「eポートフォリオの導入によって、生徒の日常の行動をしっかり記録していき、彼らにとってより良い教育をしていくことができるようになる」という言葉がありました。参加者は300人にのぼり、多くの先生がClassiと明星中学校・高等学校が進めている、Classiとeポートフォリオの活用に関心を持っていることを感じました。
f:id:ict_in_education:20180703040730j:plain

 東京学芸大学の森本康彦先生の基調講演「なぜ、今高等学校でeポートフォリオが求められるのか ~求められる本当のポートフォリオとは?~」から、気になったポイントを中心にレポートしていきました。eポートフォリオは、受験目的のためのエントリーシートではなく、学びのプロセスを記録し活用するためのものである、という森本先生の言葉が伝わるといいな、と思います。

blog.ict-in-education.jp

blog.ict-in-education.jp


 また、プログラムの中のICT教育分科会のひとつで、明星中学校・高等学校の生徒さんたちが講師となった「生徒から見たICT教育」のプレゼンテーションをレポートしました。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

おせっかいな問題集ATLS(アトラス)を提供するforEst CEO後藤匠さん インタビュー No.4

 デジタル問題集ATLS(アトラス)を提供する株式会社forEst(フォレスト)の代表取締役CEOの後藤匠さんのインタビューをお届けします。ATLSは「Adaptive Training Learning System」の略で、これまでの勉強方法とICTテクノロジーの融合を目指している自主学習支援アプリです。今回は、ATLSが勉強の仕方をどのように変えていくのかについてレポートします。

ATLSは勉強の仕方をどう変えるか?

 ATLSに学習履歴が集まってくると、「間違いっぱなしの問題ばかり集めてきて下さい」とか、「この問題って6日前にはどうやって解いたんだっけ?」とノートを見返して、「あ、こうやって解いたんだ。じゃあこれを反省しても一回やってみましょう」というようなことも可能になります。自分の学習の履歴を見ることができることで、そうした学習の方法を生徒が自分でもできるようになってきます。
 間違えたことのある問題というのはよくありますけど、間違いっぱなしで放置したものをなんとかする、というドリルは意外とありません。これはノートでやると意外と大変なんです。デジタルで学習履歴を管理し、さらに間違えたことのある問題や間違いっぱなしの問題を簡単に探すことができ、かつ間違えたときのノートも参照できるからこそできるようになる勉強の仕方だと思います。
f:id:ict_in_education:20180730235439j:plain

 ATLSは、どうやって勉強してきたかを見ることができる、振り返りの機能もあります。これは、後藤さん自身が高校3年生の時に、勉強していたけど偏差値が全然伸びなかった時期があり、そのときには「勉強してるはずなのに…」と落ち込んだこともあったそうです。でも実はそうではなくて、偏差値はあくまでも相対評価なので、母集団全体の学力が上がってると上がらないんです。だから、学力が上がってないように見えて、実はその子の学力は上がってきているということはあるはずです。偏差値の向上という意味では見えていないけど、少なくとも「自分がやってきた勉強は積み上がっているんだよ」ということを見せてあげたい、と後藤さんは言います。
f:id:ict_in_education:20180730235527j:plain

 また、ATLSでは、「場合の数の中で、円順列を使っている問題はありますか?」というような問題を探すこともできます。
 それぞれの問題は東大生と東工大生の協力の下forEst社内で仕分けしています。
f:id:ict_in_education:20180730235609j:plain

 将来的にこれで何ができるかといえば、どういう知識によって構成されている問題を、「誰が」「いつ」「どれぐらいの時間をかけて」解いて、「正解した/不正解した」というのが、全ユーザー分記録されることになります。
 同じ問題をたくさんのユーザーが解くことも多いので、問題ごとにいろんな生徒がいろいろな解き方をしているのが見えるようになってきているそうです。
 そこから「この問題を間違えるユーザーは、どれくらいの学力なのか」ということも分析できるようになってくると、苦手分野の分析であるとかそういうのができるようになってくる。合格実績とかも集まってくると、東大に合格している人たちっていうのはこれぐらいの問題を解いているって言うのも見えるようになります。「その単元ごとのレベルによって、“君は偏差値は高いかもしれないけれど、学力の絶対値としては志望校合格のレベルにはまだこれくらい足りてないですよ”っていうふうなことがわかるようになってくるはずだ」と後藤さんは言います。

 No.5に続きます。
blog.ict-in-education.jp

atls.for-e-study.com


(為田)

【メディア掲載】朝日新聞埼玉版、東洋経済オンライン ポプラ社「どう解く?」を使った戸田第一小学校の道徳の授業

 2018年7月17日に戸田市立戸田第一小学校にて見学させていただいた、ポプラ社の出版した『答えのない道徳 どう解く?』という書籍を使った「うそ どう解く?」という4年5組の道徳の授業(担当:榮 亜耶 先生)は、たくさんのメディアの方が取材してくださいました。

答えのない道徳の問題 どう解く?

答えのない道徳の問題 どう解く?

 2018年7月18日(翌日!)に朝日新聞の埼玉版にて、“絵本を教材に「うそをどう解く?」”という記事を掲載してくださいました。

市教委21世紀型スキル育成アドバイザーの為田裕行さん(43)が授業への活用を提案し、第一小が応じた。
(略)
「うそはダメ」という建前を超え、「ついていいうそと悪いうその違いは」など議論が白熱した。授業で結論は出さず、谷川俊太郎さんの詩を交えたコメント「うそと本当を正反対なものとしてとらえるのは単純すぎる」などを紹介した。


朝日新聞 埼玉版 2018年7月18日

f:id:ict_in_education:20180803150119j:plain


 また、2018年7月30日には、東洋経済オンラインにて「子供が「嘘」をブレストする道徳授業の即効性」という記事が出ました。

 研究協議会の中で言ったコメントが、以下のように紹介されています。

戸田市教育委員会の21世紀型スキルアドバイザーで教育コンサルタントの為田裕行さんは、授業で活発な議論が交わされたのは「『どう解く?』が持つコンテンツの力」だと太鼓判を押す。


子供が「嘘」をブレストする道徳授業の即効性 | 学校・受験 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 実際は、「力のあるコンテンツを、先生方が授業の中で行うことによって、よりよい授業ができるお手伝いを、アドバイザーとしてしていきたい」というようなコメントをしたと思います。
 また、「一過性でこうした授業をやっても意味がない」というようなコメントもいただきましたが、まさにだからこそ、小学校という教室で、担任の先生にやっていただきたいと思ったのです。担任の先生にやっていただければ、日常の中や他の教科の授業とも連動することもできると思っています。

 先生方の授業設計、子どもたちの見とり、子どもたちとの関係性、そうしたものがあってこそ、コンテンツの力を授業の中で活かしていただけるのだと思っています。
toyokeizai.net

(為田)

おせっかいな問題集ATLS(アトラス)を提供するforEst CEO後藤匠さん インタビュー No.3

 デジタル問題集ATLS(アトラス)を提供する株式会社forEst(フォレスト)の代表取締役CEOの後藤匠さんのインタビューをお届けします。ATLSは「Adaptive Training Learning System」の略で、これまでの勉強方法とICTテクノロジーの融合を目指している自主学習支援アプリです。今回は、学校への導入にかかるお金についてなどレポートします。

勉強を“なめらかに”変える

 「今いろいろなEdTech系やeラーニング系の会社って、今まで成長してきたところに対して非連続な成長を求めている。そこに現場の先生がついてこられない」と後藤さんは言います。テクノロジーと現場の先生が断絶しているのであれば、そこを“なめらかに”繋いであげる人が必要だと感じているそうです。それは、学校の先生にとっても必要だし、高校生にとっても必要だし、出版社の人にとっても必要だと後藤さんは続けます。

 既存のビジネスモデルや学校の仕組みがあるなかで、それを急に全部がらりと変えて「デジタルの方に変えます、月額定額制のモデルに変えます」というのは難しい。だからATLSでは、電子書籍のモデルという形で問題集や教材(=出版社さんのコンテンツ)をデジタル化させてもらって提供しています。

 ATLSは、デジタル版を買うときは紙版と同じ価格です。紙とデジタルとセットで買うときには、プラス数百円で紙+デジタルの問題集を手に入れられます(買い切りなので、年度末にアンインストールすることもありません)。

 紙の教材にプラスアルファでデジタル版を出すので、出版社にとってもマイナス面はないため、営業では協力体制ができているそうです。
 「ATLSは、デジタルとアナログのバランス感覚が素晴らしい」「ATLSはビジネスモデルとして、学校がやれるところとやれないところのうまくバランスを取って、ビジネスモデル全体を作ってくれている」という評価を、学校の先生からもしてもらっているそうです。
f:id:ict_in_education:20180730234838j:plain

導入している学校はどんな学校?

 「典型的によく使われている学校はどんな学校ですか?」と質問すると、後藤さんは「それがバラバラなんですよ」と言います。それぞれの学校によって、ATLSを導入するのに至った経緯、ATLSに期待するものが全然違うそうです。
 例えば、大学進学を目的にする学校では、生徒のより効率的な自己学習ツールとして使われているそうです。一方で、学習の効率的な実施のための学習管理ツールという形で使っている学校もあるそうです。あとは、ペーパーレス化をすることによって他校との差別化をする意味合いで導入する高校もあるそうです。

 ICT利活用教育を推進している学校を中心に、全国で導入が進んでいるそうです。そういった学校には、タブレット端末は配備されています。タブレットさえ持っていれば、紙よりちょっと便利なATLSを導入するのは簡単です。その上に何を求めるのかっていうのは学校の目的意識によって違います。

 紙とATLSとどちらが便利ですか、という話をしたら、先生方は「これだったらATLSの方が便利だ」と評価してくれるそうです。
 「必ずしもパラダイムをガラッと変える必要なくて、ICTを使って、今までやってきたことをちょっと便利にしてあげるだけで、リプレイスは可能です。極力いままでのやり方を変えないということは重要だと思っています。僕らはどっちかと言うとそういう戦い方をしている。だからタブレットさえ入っていれば、学力層関係なく便利だねと言ってもらえる」と後藤さんは言います。

 どんな学校に向いているかっていうのもなく、本当にオールレンジでどんな学校でもタブレットが入っていて、紙の教材を購入しているのであって、生徒たちに勉強してほしいと思っている学校であれば、どんな学校でも大丈夫となります。
 さらにATLSに何を求めるかというのは、各校の目指すところによって変わってきますが、ATLSとして「こういう風にやって下さい」と言うのではなく、学校の方で考えてもらっているそうです。「それを実現するためのレコメンデーションの機能や可視化の機能はATLSが提供するので、授業は、これまで通り先生や学校のスタイルに応じて設計してもらいたい。」と後藤さんは言います。

 No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp

atls.for-e-study.com



(為田)