教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするために、現場目線での情報発信をしていきたいと思います。

「Qubenaで授業がどう変わったか?」セミナーレポート No.3(2019年5月25日)

 2019年5月25日に、株式会社COMPASS本社で開催された学校関係者向けセミナー「Qubenaで授業がどう変わったか?」に参加しました。Qubenaは、AIによって個別最適化学習を実現する、人工知能タブレット教材です。
 今回は、プログラムの最後に行われたパネルディスカッションの様子をレポートします。コーディネーターは、大妻中学高等学校の加藤悦雄 先生。パネリストは、さとえ学園小学校 須田智之 先生、近畿大学附属中学校 増田憲昭 先生、三田国際学園中学校高等学校 菅原慎太 先生です。
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 まずは、パネリストの先生方のそれぞれの学校でのICT環境の紹介と、Qubenaを導入した理由などについてからパネルディスカッションがスタートしました。

 次に、Qubenaを導入してみて、どんなことが変わったか、ということについてです。

 最後に、Qubenaを導入して、授業のやり方が変わったかどうかについてです。

 それぞれの学校で、環境も違うし、実現した授業の方向性というのも違うのですが、「Qubenaをどのような目的で導入するのか」ということが明確になっているのが素晴らしいと思いました。当然ですが、これが明確になっていないと、導入しても成果を評価することもできません。
 パネルディスカッションを聴いていた先生方にも、とても参考になったのではないかと思いました。

 なお、パネルディスカッション終了後にアナウンスがありましたが、Qubenaでは、「学校を対象に3ヶ月間無償提供キャンペーンを開催」しています。
qubena.com

 興味がある方はぜひアクセスしてみてほしいと思います。

(為田)

『「学校」をつくり直す』 ひとり読書会 まとめ

 苫野一徳『「学校」をつくり直す』を読みました。帯には、「義務教育は、このままでいいのか?」と大きく書かれています。線を引きながらページを進めていったのですが、たくさんの先生方に読んでもらいたいと思う部分がたくさんあったので、メモをまとめることにしました。
 また、先生向けの研修講師をするときに伝える内容の裏側に苫野先生の考えを少し潜ませて、先生方に少しずつ伝えることもしていこうと思っています。自分にできることをがんばってやっていこうと思います。

blog.ict-in-education.jp

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「学校」をつくり直す (河出新書)

「学校」をつくり直す (河出新書)

「学校」をつくり直す (河出新書)

「学校」をつくり直す (河出新書)

(為田)

NHKスペシャル「“不登校”44万人の衝撃」を見て(2019年5月30日)

 2019年5月30日に放送されたNHKスペシャル「“不登校”44万人の衝撃」を見ました。中学校の不登校が11万人。これに、学校に行っても教室に入れない隠れ不登校が33万人で、合わせて44万人となります。番組のなかでは、LINEと協力してアンケートもとっていて、「授業がわかりにくい」「先生がしっかりしていない」「宿題ができない」「相談できない」などの理由が挙げられていました。学校の本質的な役割とは何だろう?と考えながら見ました。メモをTwitterに挙げたものをまとめます。

 不登校の理由については、不登校新聞で理由も挙げられていました。これが文部科学省の調査と全然違っていて、こうした理由を突き止めるのは難しいと感じました。
futoko.publishers.fm

 このあたりについては、先日読んだ苫野先生の『「学校」をつくり直す』にも通じます。
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 学校がどんな役割を果たすべきところなのか、ということが問われるようになってきていると思います。僕は学校は、社会に出るための必要最低限の知識などを学べる場所であり、社会へ仲間として受け入れるための場所だと思っています。
 こうした役割は、以前は学校が果たすしかなかったかもしれませんが、いまや学校以外もいろいろとできるようになってきているので、学校に合わない人は、学校以外で同じことを学べるならば、それでもいいのかと思っています。必要なのは、学校に近い機能を持つ場所が多様であって、人それぞれに合わせて選べることかな、と思っています。

クリエイティブな校長になろう――新学習指導要領を実現する校長のマネジメント

クリエイティブな校長になろう――新学習指導要領を実現する校長のマネジメント

 イエナプランの学校を見たあとの先生方の議論は、短かったですが、もっと見ていたいと思いました。改めて、公教育について考えるというのは必要なことだと思います。

公教育をイチから考えよう

公教育をイチから考えよう

 ここから議論が始まって、さまざまな選択肢が子どもたちにとってできてくるといいな、と思います。また、そのなかでEdTechや教育ICTが果たせる役割も大きいと思います。

(為田)

「Qubenaで授業がどう変わったか?」セミナーレポート No.2(2019年5月25日)

 2019年5月25日に、株式会社COMPASS本社で開催された学校関係者向けセミナー「Qubenaで授業がどう変わったか?」に参加しました。Qubenaは、AIによって個別最適化学習を実現する、人工知能タブレット教材です。
 今回のセミナーでは、実際にQubenaを使ってもらえる、ハンズオンのコーナーがありました。
 小学校6年生~中学校3年生のベーシック問題を、ワークブックモードでピックアップして配信されていました。ワークブックモードは、アダプティブ遷移をOFF、ヒント解説も非表示となっていて、正誤判定のみを行うので、実際の学校現場で単元テストなどで活用されているそうです。
 また、中学校1年生の方程式の単元では、アダプティブ遷移をON、ヒント解説を表示して配信していましたので、問題を間違えると、最適な問題までどんどん遡る様子を体験することができました。このモードは、一定の期間内に単元をマスターさせることができるので、授業内演習や宿題などで活用されているそうです。

 参加されている先生方は、実際に手書きでどんどん回答を認識して採点していく様子を体験していました。分数なども普通のノートに書くのと同じように書くことができるので、学習者にとって、これまでの算数・数学の授業からのUIの移行も、なめらかに進むと思います。
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 また、先生方は学習者としての体験の他にも、先生としてQubenaを教室で使ったときに、児童生徒がどんなふうに学んでいるかを見ることもできるようになっています。Qubenaマネージャーの画面を表示しながら説明が行われました。

 No.3に続きます。
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(為田)

「Qubenaで授業がどう変わったか?」セミナーレポート No.1(2019年5月25日)

 2019年5月25日に、株式会社COMPASS本社で開催された学校関係者向けセミナー「Qubenaで授業がどう変わったか?」に参加しました。Qubenaは、AIによって個別最適化学習を実現する、人工知能タブレット教材です。さとえ学園小学校、近畿大学附属中学校、三田国際学園中学校高等学校の先生方が参加されるということで、小学校、中学校、高校のそれぞれでのQubenaを活用した授業実践が聴けることを期待して行きました。
 会場で参加されていた先生方は、私立が75%くらいでした。校種は中高、中学、と続いています。また、オンラインで中継もしていたので、そちらで見ていた先生方もいらっしゃったかもしれません。
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 プログラムの最初は、株式会社COMPASSのCEO神野元基さんによるプレゼンテーションでした。Twitterにて現場から発信していたものをまとめます。
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 僕もSFC出身なので、神野さんのこの感覚はわかるような気がします。SFCには「世界を平和にしたい」とか言っても大丈夫な空気があったと思います(今もそうだといいな)。そして、SFCで神野さんはテクノロジーに出会います。

 こうして、神野さんは子どもたちのことを考えて活動を開始します。まず、自分で学習塾を作るところから始めています。このスタート地点があるのは、Qubenaにとってとても大きな意味を持っていると思います。

 「良い成績をとるため」ではなく、「本当に教えたいことを教えるための時間を作るため」に、学習方法を工夫し、テクノロジーを組み合わせることでQubenaが出来上がっていきます。

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 先生方にとって、子どもたちの変容を見られることは、授業をアップデートすることの最大の機会になるのだな、とよく思います。「子どもたちの変容を目の当たりにする」→「そのために授業をどう変えればいいのか」→「その準備/実現は大変か」という順で、授業をアップデートする流れができていけばいいと思っています。

 最後に、千代田区麹町中学校での授業実践が紹介されました。

 麹町中学校でのQubenaの使い方が唯一絶対の方法ではもちろんありません。それぞれの学校にあったQubenaの使い方があると思います。そうした使い方の事例報告は、このあとのパネルディスカッションで聴くことができました。

 No.2に続きます。
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(為田)

192Cafe 公開イベント #2 私立小が描く未来の教室 ~多様性の交差点~ レポート No.5(2019年5月18日)

 2019年5月18日に、日本女子大学附属豊明小学校にて、192Cafe 公開イベント #2 私立小が描く未来の教室 ~多様性の交差点~を開催しました。為田は、192Cafeに事務局として参加をしています。多くの方に参加していただいたこのイベントでは、SNSでの積極的な発信を推奨しており、僕も会場からできるかぎり、Twitterにて実況をしましたので、その様子をまとめてレポートしていきたいと思います。

 No.5では、クロージングの様子と、参加者アンケートを紹介します。

 会場校を提供していただいた、日本女子大学附属豊明小学校の田中栄太郎 先生によるクロージング・プレゼンテーションが行われました。「このイベントを10年続けていきましょう」という力強いメッセージをもらいました。
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 最後に参加者アンケートから主なものを紹介したいと思います。

  • 先生方のお話を聞けてとてもよかったです。変わるものと変わらないものがあるという気づきをいただきました。
  • 今日は学校の同僚を説得する材をたくさんいただきました!ありがとうございました!
  • 私立小学校の方々の取り組みを聞かせていただいたり、チームとなりディスカッション出来たりと非常に良い会でした。
  • 全国の先生に広がっていて素晴らしいと思いました。
  • 教員にとってはICT機器やアプリの情報共有を行いたい、知りたいという思いがあり、企業にとっては現場を知りたいという思いがあり、両者の思いが知れたこと、そして両者にとってメリットがあると感じたので、このような場があることをとても素晴らしいと感じました。今後も是非参加したいと思いました。
  • 初参加でした。とても良かったです!
  • 特色を持つ私立学校の取り組みを学ぶことができ、自校でも実践できそうな事例を知ることができ、学びになりました。また、future sessionでは、異業種の方や他校の先生と思いを語り合い、楽しかったです。
  • 皆様、温かくてホッとしました。自分自身は学びとパワーをいただけますので、ずっと参加したいです。後輩たちもたくさん参加させたいです。広げる繋げるを頑張ります!
  • 私学の横の繋がりを築いていくために、とても有意義なイベントだと思いました。
  • 先生方などと一緒に意見を出しあえる場がとても貴重で参加して良かったです。同時に、今の授業や学校の体制に悩んでいる先生の話を聞く時間があると良いとも感じました。
  • 大変面白く、学び深い機会でした。素晴らしい時間をありがとうございました。STEAM、PBLなど、ちょうど関心高く取り組んでいる分野について、経産省「未来の教室」のお取組もかねてよりウォッチしておりましたが、浅野先生のご講演でより深く知ることが出来ました。また、パネルディスカッションであった素晴らしい事例や、ここが大変だったというリアルなお話が現場の先生方から聞けて非常に勉強になりました。
  • 浅野さんの話はとても興味深く、公立校でも生かせることがいくつかありました。
  • パネルディスカッションでは、最先端の話を聞けて有意義でしたが、これが大人になった時にどのように役立つのか見通しをもてる説明がもっと欲しかったです。その中でもノーベル賞を目指すやさかなクンに勝つなど、具体的な目標があったところが心に残りました。
  • とても勉強になりました。また、参加したいと思います。どのセッションも参考になることが多くとても有意義でした。各セッションの最後にフロアから(mentimeterなどで)質問を募って回答いただけるコーナーがあればさらに良かったです。

 少しずつですが、横の繋がりができ始めているようにも思います。参加者の皆様にとって、何らかの学びの機会になり、学校を変えていくきっかけになればいいと思います。
 次回 192Cafe 公開イベント#3は、2020年1月18日(土)に、成城学園初等学校にて開催されることも発表されました。次回まで少し時間が空きますが、しっかり準備を練っていきたいと思います。また、その間にも、Slackでのオンラインコミュニティも動き続けます。今回のイベントを終えて、Slackへの参加者も100名に届こうかというところまで来ました。
 焦らず、10年、20年と続くコミュニティとなるように、運営としてじっくり向き合っていきたいと思っています。

(為田)

教材で使えるかも?:TBSドラマ「インハンド」 第7話

 録画で見たTBSドラマ「インハンド」の第7話を見ました。好きなドラマで、非常に楽しく見たのですが、この回のなかで「救世主兄弟」という言葉が出てきました。
www.tbs.co.jp

 あらすじとしては、以下のようなものでした。

  • 生まれつき免疫に欠陥があるPID(原発性免疫不全症候群)で入院している女の子がいる。
  • PIDの有効な治療法は骨髄移植しかないが、ドナー提供者もいない。
  • 父親はすでに他界。母親とはHLA型が一致していない。
  • 父親は研究のために自身の精液などあらゆるものを保存してあるので、それを使って体外受精をし、HLA型が一致する可能性が高い同じ両親からの子どもを産もうとする。
  • この子どものことを「救世主兄弟」と呼ぶらしいです。

「救世主きょうだい(Saviour Sibling)」「救世主ベビー」という言葉がある。移植が必要な難病の兄や姉を救うために生まれた子どものことだ。両親は、複数の体外受精卵をつくって、移植に適した受精卵を選んで妊娠、出産する。


兄を助けるために生まれた「救世主ベビー」:朝日新聞GLOBE+

 ドラマの最後に、「救世主兄弟は、日本では認められていません」というテロップが表示されました。調べてみました。

 エンターテイメントとして非常におもしろかったので、ここを入り口に、「救世主兄弟」の是非についてなど、考えてみたりするのもおもしろいと思いました。興味を持って、テーマを新たに意識してくれる生徒もいるのではないかと思いました。

 ドラマ「インハンド」は、原作マンガがあるので、Kindleで読んできてもらうということもできるかも、と思ったのですが、この第7回はオリジナル回だそうで、残念。

インハンド(1) (イブニングKC)

インハンド(1) (イブニングKC)

 すでにオンエアが終了してしまっているのですが、TVer(1週間だけしか見られないけど)やParavi(有料だけれど)で見ることもできます。「ちょっとこのドラマを見て、救世主兄弟について、賛成/反対の立場で意見を書いて」というふうな宿題を出して、教室でディスカッションやディベートにつなげるような反転授業もやってみたいと思いました。

(為田)