教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするために、現場目線での情報発信をしていきたいと思います。

【メディア掲載】EdTechZine「教育×ICTは「魔法の杖」ではない――為田裕行氏が「ツール」としての学校のICT化、民間との連携を語る」(2019年11月21日)

 EdTechZineにて、「デジタルハリウッドアカデミー」のセミナーでした講演内容が記事になりました。タイトルは、「教育×ICTは「魔法の杖」ではない――為田裕行氏が「ツール」としての学校のICT化、民間との連携を語る」です。
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 こうして記事にしていただけるのは大変ありがたいです。ICTを入れれば何でも解決するわけではないし、「あれができない、これができない」と批判するのも違う。何のために使うのか、を明確にしていくべきだと思う。個人的には、ICTは個人の能力(思考力や記憶力や情報収集力など)を拡張してくれるものだと思っています。

為田氏は「教育×ICTは『魔法の杖』ではないし、『すべてを置き換えるべき』というものでもない。メモをとる際に鉛筆なのかPCなのか、人それぞれ異なるように、ICTはツールでしかない。『導入するかどうか』よりも『どう使うか』が肝心だ」と語り、「まずは当たり前のことから考えるべきではないか。『ICTだからよい・悪い』と思考停止に陥ってはならない」と強調する。

 それらをすべて学校が自前でやってください、というのではあまりに大変だと思っていますので、そこは地域にラボのようなものがあったり、地域の人材が学校に入っていったり、そうしたことが実現するのが、いちばん現実的だし効果があるのではないか、と思っています。

 もしよろしければ、お読みいいただければと思います。

edtechzine.jp

日経産業新聞「名将にみるマネジメント術 米子東高校野球部監督 紙本庸由 氏」(2019年11月22日)

 2019年11月20日~22日までの日経産業新聞の「名将にみるマネジメント術」で、米子東高校野球部監督の紙本庸由 さんの記事が掲載されました。
 米子東高校の野球部の練習風景の描写では、紙本監督が「ノートを持ってグラウンドに集まれ」と言い、そこから練習を科学している様子が描かれています。

 「人はなぜ地面に立っているかわかるか」。答えを言いよどむ選手たちに「作用と反作用」というヒントを与えると、県内きっての学力を誇る彼らは答えを探し始めた。
 「速く走るには足を前に出せというが、どう思う?」。紙本は続ける。「地面の反作用が自分の前方向から後ろに働くのでブレーキがかかる」。つまり足を前に出すより、上方向に力を働かせたほうが速く走る事ができる。その理論を伝えると短距離走に移った。
 再び選手たちを集め、普段の歩き方や自転車のこぎ方から筋肉の働きを意識しよう、無意識で身体を合理的に使えるようになろうと話した。
 「野球を極めるには高校レベルの数学や物理学の知識が必要になる」。


日経産業新聞「名将にみるマネジメント術」(2019年11月22日)

 こんなにがっちりと数学や物理学と重ねて話されるのは珍しいので、印象的でした。県内随一の進学校でありながら、結果も残している学校です。

 「文武不岐」をモットーに掲げ、野球と勉強でともに努力する力を養う。1日が24時間に限られるなか、どやって着実に成長するか。そこを突き詰め、春夏連続で甲子園に出場した。
(略)
米子東の生徒たちはテストで点を取るのは得意な一方、決して頭がいいわけではないと感じている。「物事のつながりを理解し、わからないことをわかるためにどうしたらいいかを考えられる『本当の学力』はそんなに高くない。それを野球で身につけさせたい」


日経産業新聞「名将にみるマネジメント術」(2019年11月22日)

 こういうのも、「未来の教室」実証事業に近いところだし、PBLに近い学びだな、と感じます。

 米子東高校では、遠征の移動中にさまざまな講演動画を流しているそうですが、そういうのだけでなく、試合の動画とかデータの分析とか、ICTと組み合わせられそう(あるいは、すでに組み合わせていそう)なものがたくさんあります。

 検索してみると、いろいろな記事も読むことができます。進学校の底力ってすごいですね。こうした積み重ねてきたものと、新しい教育がマッチングできれば、まだまだなんとかなる、と思っています。そのためのお手伝いをしていきたいです。
bunshun.jp

(為田)

授業で使えるかも?:セサミストリートのミュージックビデオ

 セサミストリート50周年を記念した、セサミストリート エデュケーションサミットからもう2週間、あっという間に過ぎました。このセサミストリート エデュケーションサミットへ向かう新幹線のなかでTwitterに投稿した、YouTubeで見られる3つのミュージックビデオを紹介します。

 歌詞がわからなくても一緒に口ずさむ教材にしてもいいと思いますし、一節だけでも抜き出して訳して考えてみるのもいいと思います。メッセージについてしっかり考えるような授業にできないかな、と思って、自分のためにもここでまとめておきます。

 他にもたくさんの良い曲があります。日本版だけでなく、英語のSesame Streetまで検索範囲を広げると、もっともっといろいろ出てきそうです。オススメがあればぜひ教えて下さい。
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www.youtube.com

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(為田)

【イベント情報】墨田区研究指定校 墨田区立桜堤中学校 研究発表会「主体的・対話的で深い学びを目指した指導法の工夫~ICT 機器・改訂版タキソノミーを活用して~」(2019年12月20日)

 2019年12月20日に、墨田区立桜堤中学校において、平成 30 年度・令和元年度 墨田区研究指定校 研究発表会が開催されます。研究主題は、「主体的・対話的で深い学びを目指した指導法の工夫~ICT 機器・改訂版タキソノミーを活用して~」です。
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 以前、教育&学習観アップデート講座 「デジタルタキソノミー」のときに講師をお願いした、ネル・アンド・エムの田中康平さんが関わられている学校で、全教科でタキソノミーテーブルを作成して発展させた授業が公開されるそうです。田中さんは、講演「新学習指導要領を実現するためのICT活用」の講師も務められます。
blog.ict-in-education.jp

 以下、詳細を掲載します。

  • 研究主題
    • 主体的・対話的で深い学びを目指した指導法の工夫
      ~ICT機器・改訂版タキソノミ-を活用して~
  • 講演
    • 「新学習指導要領を実現するためのICT活用」
  • 講師
  • 日時
    • 令和元年12月20日(金)
  • タイムテーブル
    • 受付 13:10
    • 公開授業 13:30~14:20
    • 全体会  14:30~16:45

 未来の社会で必要とされる資質・能力を身に付けられる「新しい学び」を提案するという研究発表会ですので、関心のある方は、ぜひご参加ください。研究発表会への参加を希望される方は、学校まで連絡をとのことです。

桜堤中伝言板:桜堤中学校ホームページ


(為田)

見てみた:「【受験生必見】谷まりあが早稲田大学に合格した英語勉強法を教えます!」

 ひょんなことから知った、谷まりあさんのYouTubeチャンネルの「【受験生必見】谷まりあが早稲田大学に合格した英語勉強法を教えます!」を見てみました。思っていたよりも、本気な英語勉強法が紹介されています。「ターゲット」とかは懐かしい(僕は使っていなかったけど…)。
www.youtube.com

 1ヶ月ちょっとで40万回を超える再生回数。YouTubeって本当にすごいな。谷まりあさんは、ViViのモデルさんで、浪人して早稲田大学に入学しています。
 チャンネルを見てみると、メイクの仕方を紹介していたり、ドラムを叩いてみたり、いろいろなことをしています。こうしたコンテンツ群のなかに、「英語を学ぶとどういうことがいいのか」「英語の勉強の仕方」などが出てくるのがいいな、と思いました。
 こういう人が、英語の勉強方法を教えてくれるのは、高校生たちにとって、特に女子高生にとって、もしかすると先生が言うのとは少し違う感覚で届くのかもしれないな、と思いました。
www.youtube.com

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 YouTubeには、本当にいろいろなコンテンツが増えてきていて、教育コンテンツのバリエーションの広がりを本当に感じます。
 Edvation × Summit 2019でも登壇されていた、葉一さんの「とある男が授業をしてみた」とか、ヨビノリたくみさんの「予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」」とか、すごいと思います。
www.youtube.com

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 学校の授業で使うことができそうなものもあるかもしれないし、いまの児童生徒が見ているかもしれないコンテンツだと思って、競合としてもちょっと見ておいたほうがいいのかもしれないな、と思います。

 中学生、高校生とかって、どんなチャンネル見ているのかとか、知りたいなあ。(それとも、そもそももうYouTubeとかは見ていない、という可能性もある気もするけれど)

(為田)

工学院大学附属中学校・高等学校 図書館訪問レポート まとめ(2019年10月4日)

 2019年10月4日に、工学院大学附属中学校・高等学校の図書館を訪問し、有山裕美子 先生にお話を伺いました。図書館は広く、テーブル・椅子だけでなくホワイトボードも設置されていて、毎日授業で使われているそうです。工学院大学附属中学校・高等学校では、中学生はiPadを一人1台、高校生もBYODで情報端末を持っています。図書館に情報端末を持ち込むことで、ネットからの情報だけでなく、本からの情報も合わせて授業の中で使いながらグループ学習などが可能になっています。
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 No.1とNo.2では、電子図書館電子書籍についてレポートしました。電子書籍を読むだけでなく、電子書籍の書き手となる授業についても紹介しています。
blog.ict-in-education.jp

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 No.3とNo.4では、図書館の中にあるファブスペースについてレポートしました。
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 まだお読みでない方は、この機会にぜひお読みいただければと思います。

(為田)

Computer Science World in Asia 2019 カンファレンスレポート No.9(2019年10月27日)

 2019年10月27日に、東京大学本郷キャンパス ダイワユビキタス学術研究館で、アジア規模でプログラミング教育のビジョンを考えるカンファレンス「Computer Science World in Asia 2019」が開催されました。

グループディスカッションどんな学校を作りますか?

 最後のプログラムは、グループディスカッションでした。みんなのコード代表の利根川裕太さんがステージに上がり、「今回のこのカンファレンスは、さまざまな実践事例を聞くだけではなくて、アウトプットが大事です」と言い、グループディスカッションのテーマが発表されました。
 グループで考えるテーマは、「太平洋の島に新しい学校を作るとしたら、どんな学校を作りますか?」でした。朝のリフレクションのときのグループで、通訳ボランティアの方も入って、ディスカッションを行い、4分間のプレゼンテーションを作り上げます。
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 2つの部屋に分かれてグループディスカッションが始まります。どちらの部屋も、すごい熱気でした。みなさんICT機器の操作に長けているので、配布されたChromebookを使って、どんどんディスカッションとスライド作成が並行して進んでいきました。
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 最後に、それぞれのグループが自分たちが作りたい学校についてのプレゼンテーションをしました。現実的な学校もあり、すごい発想の飛躍を見せた学校もあり、聴いていて楽しかったです。
 プレゼンテーションも日本語と英語が入り乱れているもので、世界的にコンピュータ・サイエンスについて取り組んでいる教育関係者が多いことを感じることができるグループディスカッションでした。
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クロージング

 最後のクロージングでは、利根川さんが明日以降も、そして、3年、5年あるいは10年かかるかもしれないが、アジアのコンピュータ・サイエンス教育を作っていきましょう、という言葉を述べました。

 また、アラン・ケイの「未来を予想する最良の方法は、それを発明することだ(The best way to predict the future is to invent it)」という言葉を紹介し、「この言葉は、子どもたちが何かを作るときに引用されることが多い言葉ですが、我々大人も仲間です。コンピュータ・サイエンス教育を、予想するのではなく、作っていくものです」とメッセージを伝えました。
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 国内外から先端事例を行っている多様な先生方が集まったこのカンファレンスから、コンピュータ・サイエンス教育が広がっていくと思います。

(為田)