教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

教科「情報」の目標、ICTを使うことの目標

 Yahooニュースで、「ITリテラシーの大切さを改めて考えるのに相応しい良記事をご紹介」という記事を読んで、感じたことをまとめたいと思います。


ITリテラシーの大切さを改めて考えるのに相応しい良記事をご紹介(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

学校は、「児童生徒たちがこれから生きていく社会で困らないスキルを身につける場所」という役割が大きいと思いますので、テクノロジーの発達によって、どんな社会になるのかを想定し、少し先のスキルも身につけさせたいと思います。そう考えると、ITリテラシーについての知識をきちんと持っておくことは、非常に大切なのではないかと思います。
 ただWordやExcelができるというのではなく、社会にどんな変化が起こってくるのかがわかること、が大切だと思います。そうして変化した後の社会で、児童生徒たちは大人になって活躍するわけですから。

 先日、日経新聞で「高校の「情報」科目、必修は名ばかり 簡単パソコン操作だけ」という記事が出ましたが(2014年9月17日)、これも情報科で何を教えたいのか、コンピュータをどんな道具として使う未来を想定して、どんなふうに使えるようになって学校から送り出したいのか、というコンセプトの問題だと思っています。これがないので、「とりあえずパソコン操作を…」ということになるのではないかと思います。
高校の「情報」科目、必修は名ばかり 簡単パソコン操作だけ :日本経済新聞


 そうした意味で、その新聞記事がまさに掲載された日に見学させていただいた、千葉県立袖ヶ浦高校の情報コミュニケーション学科での、「人に情報を伝えるスキル」を身につけさせることに絞り込んで、そのためにICTを使っているコンセプトに非常に共感します。

袖ヶ浦高校訪問(2014年9月17日) - 教育ICTリサーチ ブログ


 もちろん、袖ヶ浦高校の授業形態がただひとつの正解というわけではありません。袖ヶ浦高校は「「人に情報を伝えるスキル」を身につけさせること」という目標を立てているから、あの授業形態になっているわけです。
 他の学校では、先生方の負担を軽減するために校務効率化に使うことを目標とする学校もあるでしょうし、練習問題をたくさん解かせることを目標とする学校もあると思います。
 学校によって抱えている問題が違うのだから、目標はそれぞれに違っていていい。ただ、その最初に解決しようとした目標がきちんと達成できているか、という点にフォーカスして、評価をしてほしいと思います。
 例えば、「コミュニケーションの道具として使いこなせるようになること」を目標としてICTを導入するのであれば、その他の「利用時間」であるとか「学力が向上したか」などのような、別のものも「ついでに」評価するのは、学校の先生方にも導入を決めた教育委員会あるいはマネジメント層にとっても、フェアではないし意味がないと思います。
 どのポイントをもって評価をするのかを、最初に設計をし、その準備をしてから、授業内容、そして導入する機器を決めてほしいと思います。

 各自治体が、さまざまなICT機器の導入を決めていますが、機器の導入によって達成する「目標」がどんなふうなことが書いてあるのか、チェックをして見るといいな、と思いました。先進的な自治体のICT利活用の目標を、引き続きリサーチしていきたいと思います。(研究員・為田)