読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

「教育にICTを導入してこれがしたい!アンケート」結果発表(2)

 教育ICTリサーチでは、教育現場への導入が進んでいるICTについて、現場の先生方がどのように教育実践に使ってみたいと考えているのかを知りたいと思い、簡単なアンケートを作成し、オンラインで回答してもらいました。オンラインでの回答が前提なので、ICTが好き/得意な先生方が多いと想定できます。

 10月31日に第1回の報告として、学校と学習塾で、ICTの利用目的についてどのように違うのかをレポートしました。

「教育にICTを導入してこれがしたい!アンケート」結果発表(1) - 教育ICTリサーチ ブログ
 今回は、その続編として、小学校・中学校・高校・中高一貫校教育委員会の5者で比較をして、それぞれに傾向が読み取れるかを見てみましょう。

校種別データ

 小学校・中学校・高校・中高一貫校教育委員会で回答をいただいた件数は、以下の通りです。

 回答の選択肢は「はい」「いいえ」「わからない」の3つでした。まずは、校種別に「はい」と「いいえ」をそれぞれの項目ごとに見てみます。便宜上、それぞれの項目に番号をふり、その番号とともにポイントを紹介していきます。
f:id:ict_in_education:20141106110028j:plain

校種に共通して、「はい=使いたい」が多い使い方

 それぞれ個別の項目を見ていくにあたり、特に着目したい項目に網かけをして、考察していきたいと思います。ピンクで網かけしているのは、それぞれの校種に共通して「はい」という答えが多い項目です。
f:id:ict_in_education:20141106110041j:plain

校種に限らず評価されている、効率化と理解度UPと興味喚起

 「5.黒板などでわかりにくい部分を、動画などで解説することで理解させたい」「7.地図やグラフなど授業で使うものを提示して、効率化を図りたい」「13.教室の実情にあった教材を手軽に作成し、使いたい」「8.グラフの包含や白地図など、何度も使うものを提示して、効率化を図りたい」の項目が多く「はい」と答えられている。前回の報告でも紹介したとおり、これは、「授業の効率化を図りたい」「ICTならではの表現力で理解を深めたい、興味を喚起したい」という大きな目的だと捉えていいのではないかと思います。
 また、「15.クラスメイトらと協力して課題に取り組ませたい」も、文部科学省が目指している協働学習の方向性に沿うものとしてとらえられるでしょう。

学習履歴の管理などにも期待

 「9.学習履歴をデータとして記録し、進捗を把握したい」「10.小テストや定期テストの成績履歴をデータとして記録し、理解度を把握したい」の2つの項目も、どの校種でも多く「はい」と答えられています。高校においてのみ、「いいえ」と答える件数が多く出ています。これは、ICTを使わずともすでに成績履歴などを管理する方法が確立しているからかもしれません。

学習時間は増やしたい

 「21.学習者の好きな時間に、短時間であっても学べるようにさせたい」も、タブレットPCなどの導入、自宅への持ち帰りなどが進むと、こうした使い方も増えてくるのではないかと思われます。

校種に共通して、「いいえ=使いたくない」が多い使い方

 グリーンで網かけしているのは、それぞれの校種に共通して「いいえ」という答えが多い項目です。
f:id:ict_in_education:20141106110041j:plain

カリスマ講師による動画は要らない?

 「6.カリスマ講師による授業動画などで、理解度を上げたい」については、校種にかぎらず、「いいえ」が多かった項目です。ただ、中高一貫校や高校では「はい」もある程度回答されています。大学受験予備校でのオンデマンド講座などの普及との関係があるのではないかと思います。

小学校では「はい=使いたい」、中学校より上では「いいえ=使いたくない」使い方

 紫色で網かけしているのは、小学校では「はい=使いたい」が多く、中学校と高校では「いいえ=使いたくない」が多くなる項目です。
f:id:ict_in_education:20141106110041j:plain

ゲーム形式の教材は小学校まで?

 「3.ゲーム形式の教材で、やる気を高めさせたい」の項目は、小学校では「はい」と多く答えられていますが、中学校・高校と学年が上がるにつれて「はい」と答えられる数が減っています。ゲーム形式でのコンテンツについては、小学校対象が適しているといえるでしょう。実際、授業見学などに行くと、ゲーム形式のコンテンツは導入部分で使われていることが多く、中学校・高校においては学習内容が高度になることもあり、ゲーム形式での導入がかかる時間のわりに、メリットがあまり大きくないのかな、と感じることが何度かありました。

小学校では「いいえ=使いたくない」、高校では「はい=使いたい」使い方

 ブルーで網かけしているのは、小学校では「いいえ=使いたくない」が多く、高校では「はい=使いたい」が多くなる項目です。
f:id:ict_in_education:20141106110041j:plain

授業の質を上げるために使いたい

 「11.現行の教材よりも多くの問題や解説などを見せたい」「20.学校や学習塾、家庭以外の時間にも学習ができるようにしたい」「18.出した宿題を自動採点するとともに、得点を記録したい」の項目は高校では多数が「はい」と答えていますが、小学校では賛否両論です。
 また、「19.欠席した児童生徒に、該当教材をオンラインで届けたい」「12.欠席した児童生徒に、授業動画を家で見せたい」の項目も同様に、高校では多数が「はい」と答えていますが、小学校では賛否両論です。

本人、家庭ととのやりとりで使いたい

 「16.本人、家庭への連絡を、メールやメッセンジャーサービスで行いたい」「17.本人、家庭との情報共有を、ホームページなどを使って行いたい」も高校において多数が「はい」と答えていますが、小学校では意見が分かれています。これは、学校の規模などにも依存しているのかもしれません。

まとめ

 こうして校種別に回答を分類してみると、それぞれの校種で求めているものが違う部分もあり、同じ部分もあるということがわかります。
 今回設問に用意した22項目以外のことも、ICTを用いてできるので、それぞれの学校に合わせた形で、ICTを活用するための議論の助けになればと思います。