教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

イノラボエデュカッションSpecial School for 2020(2014年12月26日)

 12月26日(金)に、電通国際情報サービス イノラボにて、「イノラボエデュカッションSpecial School for 2020」に参加しました。エデュカッションは、“Education + Discussion”の造語で、不定期に開催しているみんなで語り合うイベントです。今回は、イノラボの関島章江さんの呼びかけで、「教育の未来について語りましょう!」ということで、こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ代表理事の川辺さんと、フューチャーインスティテュートの為田とで企画を考え実施しました。
 年末の金曜日、この日が仕事納め、という方々も多かったと思いますが、学校の先生、教育委員会の方、教育関連企業の方、現役高校生にお母様も含めて、30人を超える方にご参加いただきました。
 以下のようなプログラムでした。
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2020年、東京オリンピックの開催が決定しました。あと5年の間に、オリンピックに向けて、インフラ開発を含めた国の仕組みが見直されることでしょう。たった5年後の2020年、学校教育はどのようにデザインされるべきなのでしょうか。日本が世界に誇れる学校教育とは、どのようなものでしょうか。そしてまた、そのために2015年、私達が学校教育で取り組むべきことは何なのでしょうか。子ども哲学おとな哲学の川辺洋平さんと一緒に「未来の視点で、今できることを」学校教育の中で考えてみたいと思います。

  • 16:00-17:00 「2020年、学校教育に必要なもの」
    • 参加者それぞれが、2020年の学校教育に必要だと思うものを、1つキーワードとして上げ、なぜそれを選んだのかを発表していきます。2つのグループに分けてそれぞれ円座して話し合います。
  • 17:00-18:00 「2015年、学校現場で何ができるのか」
    • 2020年に必要とされたキーワードをもう一度、吟味します。出てきたキーワード同士の関連性や、本当に必要なのかを考え、その上で2015年には何を準備するべきなのかを考えます。

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 今回のエデュカッションは、川辺さんがファシリテーションをしてくださいました。
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「2020年、学校教育に必要なもの」

 まず、参加者は4つのグループに分かれます。そして、それぞれのグループで自己紹介とともに、キーワードを1つずつ発表してもらいました。
 できるだけ多様なバックグラウンドをもつ人たちが同じグループになるように分けてくれたのですが、グループごとになんとなく共通したテーマを持っている人がいる不思議。
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 そして、それぞれがお互いに質問をしていく、「相互問答法」と呼ばれる方法で、議論を深めていきます。
 各グループにメモをとる係の人がいて、その人のメモを基盤に、各々が質問を投げかけていきます。
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 それぞれのグループで、教育のキーワードがたくさん出てきています。グループごとに相互問答法をしているのですが、議論が発展していく方向がまったく違うのが非常におもしろいですね。このあたり、こども哲学のイベントを主宰されている川辺さんのイベント運営手法によるものだなあ、と非常に勉強になりました。
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 第一部が終了。議論がどんなに盛り上がっていても、時間が来ればそこで終了です。
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休憩

 10分間の休憩となりましたが、そのままディスカッションが続いているグループもありました。
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 第2部が始まる前に、川辺さんから「ここで、交換留学生制度を設けます」とアナウンス。各グループ間で1人ずつが他のグループへと旅立ちます。交換留学生は、第1部で行われてきた議論にイノベーションをもたらす存在として迎えられます。1つのグループに、3人の交換留学生が入って、第2部がスタートします。
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「5年後の教育のための2015年、何をするべきか」

 第2部は、「5年後の教育のための2015年、何をするべきか」というテーマで、具体的に自由討論を行い、最後にグループごとに出た意見を発表してもらいました。新しくグループにやってきた交換留学生たちに議論を説明しつつ、そこに議論を重ねていきました。
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 最後の各グループの発表では、それぞれのグループで出たキーワードを紹介していただきました。
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 以下、発表で出てきたキーワードのメモです。多様なようで、根幹は共通しているな、というふうに感じました。

  • グループ1
    • あるべき教育ができていない。
    • 先生の評価制度のために、あるべき教育ができていない。
    • 他の先生の目を気にして先生が教えている。
    • 制度やルールなどを破壊しなければならない。
    • 教育はもっと自由であるべきだ。活育。
    • 倫理観を自分で考えられるようでなければならない。
    • 先生が親と「こういう教育をしましょう」ということを共有することが大切。
    • 教育の意味や役割とはなんだろうか?
      • 未来の社会、未来の生活がどうあるべきなのか、というところから逆算して、そこにたどり着くためのアプローチとして教育を考えるべき。
  • グループ2
    • 人ならではのことをやっていくために、やる必要のないことは捨てていく。
    • テストをなくせばいいのでは?
    • LMSで日々の活動を評価するようにすれば、テストはいらないのではないか?
    • 制度を変えるためには、既存制度からの反発があるのではないか。
      • 反発の原因は、学力観の違いだろう。大人の考えている学力、先生が考えている学力など、それぞれにズレがあるのでは?
      • このズレを克服するために、「いい先生とは?」というのを言い合える環境がほしいと思う。
    • 子どもたちにどんな姿を見せたいか?
  • グループ3
    • 育つ、つなげる力、自立、体験によるものづくり、評価、ファシリテーション、未来、ICT英語
    • 未来の話から逆算するべき。
      • 教育とはそもそも本質的に何なの?
      • 今の教育現場を破壊しなければだめだ。まっさらからやるべき。
    • 授業以外で、学校に行きたくなるものを作りたい。
    • 未来をとことんイメージする。
  • グループ4
    • 育てるではなく、育つ。
    • 多種多様な機会を提供する
    • 破壊
    • 家庭と地域を接続する
    • オープン化を進める
    • 教員と民間の交流があればいいな、と思う。
    • 今、芽が出てきたことを、育てることが大事ではないか。
    • 先生はなぜメールアドレスを持っていないのか?
    • 学校はオープン化が進んでいるけど、もっと気軽にコミュニケーションをとれるようになる方がいい。
    • 正直、2045年くらいには、AIが人間を追い越しているのではないかな、と思う。
    • 英語は機械翻訳になる?いま、必要?
    • 未来を見据えた上で考えるべきでは?

 たくさんのキーワードの中から、それぞれが近い未来である2020年。そして、そこに向けての来年=2015年にやるべきことを思い描いていたように思います。こうして、さまざまなキーワードが出てくる中から、新しい仲間ができたり、新しい視点を共有することができたりするのが、エデュカッションの良さだと考えています。

 参加者の多くが、「またやりましょう!」とおっしゃってましたので、次回以降、またトピックを設定してやっていきたいと思いますので、2015年もどうぞよろしくお願いいたします。

(研究員・為田)