教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

【EDIX報告】福山佑樹先生「Game & Learning ~ゲームとゲーミフィケーションが創る新しい学び~」

 5月20日~22日に開催されていた教育ITソリューションEXPO(EDIX)ですが、展示されているさまざまなテクノロジーよりも、むしろ各ブースで行われるミニセミナーの方が楽しみだったりします。

 NHKエデュケーショナルのブースで、Ludix Labのフェロー仲間である福山先生(東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 アクティブラーニング部門 特任助教)によるセミナーがあったので、行ってきました。
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 ペッパーくんが福山先生の授業を宣伝してくれていましたよ。
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ゲームと学び

 テーマは、「Game & Learning ~ゲームとゲーミフィケーションが創る新しい学び~」ということで、まずは教育にゲームを利用するとどんなメリットがあるのか、というお話から。
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 Ludix Labでも藤本先生がこうした話をしているので、「そうそう!」と思いながら聴いていました。
 ちょっと適当なゲームにしてみました、というようなゲーミフィケーションではダメで、しっかりと要素を見てつくらなければならないだろう、と。
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 実際、子どもたちが楽しんでいるゲームって、このあたりの設計が上手にできているなあ、と思うことが多いのです。


 動画で紹介されていたAudreyちゃんのRocksmith動画、大好きです。Rocksmithというゲームでギターを始めたときの動画がこちら。

www.youtube.com

 そしてそれから2年。楽しければ、ここまでできちゃう。うまく弾けたら、フィードバックを返す。簡単だけど、褒め続けるのはなかなか人間では難しい。一人一人対応するのも大変だし。だから、こうしてビデオゲームにするのはいいことだと思うのです。

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学校はクソゲーか?

 個人的にいちばんおもしろかったのは、このスライド↓
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 たしかに、学校はクソゲーかもしれないな…。ゲームはいいプレイをしたら、すぐに褒めてくれるものな…。それに比べると学校の授業って、あんまりこういうシーンはないかもしれない、と思います。

 だから、学校の問題をゲーミフィケーションに基づいた教育手法で変えましょう、というセミナーでした。
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 福山先生は、アプリゼミを利用しての実践をされていて、その報告もありました。小学校1年生の時点で、「勉強つまんない」ってなってしまうと、その後はだいぶ大変なことになってしまうので、こうしてゲーミフィケーションを用いて、「学びがおもしろくなる」のは大歓迎です。

おまけ

 福山先生が冗談で紹介されていた、ゲーム周りのお話。10年経つと、こんなに変わる、と。

 同じNHK出版。ブースはNHKエデュケーショナル


 福山先生、どうもありがとうございました。ゲーミフィケーションを利用した実証研究も、もっとどんどん出てきてほしいと思います。そして、学校周りでの「効果測定」がもっと多くなりますように。僕も、自分のフィールドで頑張って行きたいと思います。
 またお酒でも飲みながら、お話しましょう。

(研究員・為田)