教育ICTリサーチ ブログ

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【メディア掲載】 教育家庭新聞で凸版印刷「やるKey」の福生市での公開授業が紹介されました

 2015年7月6日付で、教育家庭新聞のサイトにおいて、開発に関わっています凸版印刷の「やるKey」が紹介されました

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産学連携でタブレット端末と学力向上効果を検証<福生市>|教育マルチメディア


 6月19日に福生市福生第五小学校で行なった公開授業の様子を取材していただいたものです。ポイントとなる点を抜粋させていただきます。

  • タブレット端末(iPad)を児童が家庭に持ち帰って算数のドリル学習に取り組み、学力が上がる仕組みとその効果を検証するもの。この算数ドリル教材は、東京書籍の教科書をベースにしたドリル問題を元に児童のやる気をアップする仕組みを盛り込んだ「やるKey」実証研究版だ。
  • 教員は職員室などで、自宅学習している児童がそれぞれ何ページ、何分間取り組んだのか、満点が多い問題はどこかなどを確認できる。頑張っている児童、フォローが必要な児童、強化が必要な学習項目などを確認できるので、児童への適切な声かけや、迅速な学習フォローができる。
  • 「家庭学習で満点を取る人が少ない問題はどれだと思う?」拝原教諭は、児童の家庭学習データ一覧からわかる「満点を取る児童が少ない問題」をピックアップ。本時の課題とした。それは複数の計算式が必要な文章題で、「なぜ間違えやすいのか」を児童に考えさせてから本時の目標「問題をよく読んで正しく式を表す」を示した。おはじきなども使って解き方を個別で考え、2人一組で説明し合い、全体で発表して重要事項を押さえた後、再度タブレット端末によるドリル学習で「複数の計算式が必要な文章題」のプラス問題に取り組んだ。
  • 川越孝洋教育長は本実証について、「家庭学習の状況を可視化できる点が教員ニーズに合致する。家庭における学習の取組は学力に大きな影響を与える。自学自習を促す仕組みとして検証していく」と話した。本成果を踏まえ「福生市立学校の学力向上策」「福生市学校ICT推進計画」を策定する考えだ。

 こうして、「授業がどう変わるのか」を書いていただけるのは、とてもうれしいです。

 また、有識者として「やるKey」に関わっていただいている2人の先生のコメントも紹介されています。

  • 中室牧子准教授(慶応義塾大学)は「ビッグデータの分析から定量的に学力向上効果を実証し、各自治体や学校の教育予算確保につながれば」と語った。
  • 稲垣忠准教授(東北学院大学)は「自分で目標を設定できる点、単元内での自由進度が可能な点が良い。自動採点や児童個別データを一覧できることで、机間指導の仕組みが変わり、教員が個に寄り添う場面を多く設定できる。ドリル学習は基礎基本の定着が目的とされているが、セルフコントロール力の育成や意欲向上効果は、21世紀型スキルにつながる」とコメントした。


 為田が関わっているのは主に「教材」の部分です。小学校の算数の教科書と、指導書を読み込み、現場の先生方に意見を聞き、それがシステム上で動くように組み込んでいく。先生方の授業を変えるツールとなれるように、進んでいきます。

(研究員・為田)