7月1日に、京都市左京区にある、同志社中学校を訪問しました。前編では英語の授業を中心にレポートしましたが、後編では、各教科の教室を見学させていただいてのレポートです。
社会科教室も見学させていただきました
社会科の教室は、ディベートやポスターセッションを行うために、ホワイトボードが多く配備されていました。机や椅子などを自由に並べ替えて話し合いをしたりできるようになっています。また、いろいろな史料や教材がいつでも見られるように置かれています。
3年生の社会の時間では、ディベートをしていて、「赤ちゃんポスト」について賛成派と反対派に分かれての議論をしていました。プロジェクタでは考察するための素材としてデータなどが表示されるそうです。
映像資料なども見てほしいこともあるが、授業時間の制約から教室で見せることは難しいので、自宅で見てきてもらって、その成果を持ち寄ってディベートやディスカッションを行うという反転授業の形式も考えている、と井口先生はおっしゃっていました。
国について調べてポスターセッションを行う、という授業もされていました。こうした制作物もすべて紙のまま残しておくのではなく、撮影してデジタルでアーカイブ化しておけば、前の年のものを参考にできたり、学習のポートフォリオとして残したりできるのがいいな、と感じました。
専門教室も見学させていただきました
また、同志社中学校の専門教室の充実ぶりがすごかったです。
こちらは理科教室棟で見ました。廊下です。標本や剥製などがたくさん置かれています。一方で、StarWalkを使って天体の学習をしているそうですから、リアルとバーチャルの両方を使って学ぶことができるようにしているのだな、と感じました。
こちらは技術教室。こんなに工具が揃っているというのもいいと思います。近いうちにきっと3Dプリンタとかも並ぶのではないかな、と思いました。そうすると、メイカーズの授業もできるようになるかもしれません。
こちらはアートのクラス。パスタでアートタワーを作っていました。廊下に並んでいるとなかなかおもしろい眺めです。これも撮影して、毎年の作品をアーカイブ化していくとおもしろそうだと思いました。
科目を問わず、レポート、テスト、作品などすべてのアウトプットをポートフォリオとしてまとめて、とっておくことで、生徒たちも自分で見返すこともできるだろうし、せっかくデジタルにするのだから、それを自分の成長という縦軸と、同学年でのシェアという横軸とで組めば、このポートフォリオがとても大きな学校の財産になりそうだな、と感じました。
まとめ
半日授業見学と校舎見学をさせていただいて、「学びの楽しさを感じさせる」明るい雰囲気の学校だな、と感じました。一人一人が学びを楽しむ雰囲気があって、一人一人が自分にあった学びのスタイルを追求できるようにiPadを持っていて、これからどんなふうに学びが変わっていくのか、非常に楽しみです。
先生方は、まだこれから本格的にみんなで使っていく段階に入るところだそうですが、これだけ「どう授業をするか」という設計をした教室、学校なので、それに合わせた運用ができるようになっていくと思います。
(研究員・為田)