教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

教育ICT グッドプラクティス #14:音読テストをデジタルデータで提出させ、評価する

 この連載では、これからICTを実践する学校/先生方を想定読者として、「ICTを使って、こんな実践ができますよ」というのを、実践事例の引き出しとしてご紹介していきたいと思っています。端末やシステムの機能ありきでなく、教育手法としてどうなのか?というところに焦点をしぼって紹介します。
 「授業の中での導入部分で5分だけ使う」「プレゼンテーションの動画を撮影して、みんなでレビューする」などのように、特定の目的にピンポイントでICTを利用している様子を紹介していきます。

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 今回は、同志社中学校 反田任先生の、中2英語の授業からの「グッドプラクティス」の紹介です。

 反田先生は、同志社中学校の学習ポータルを使って、音読テストを行なっているそうです。課題となる文章を配布しておき、それを読んだものを録音してもらい、提出してもらうそうです。
 採点したものを見させていただきましたが、右側に音読の際の注意点が書かれていて、評価のポイントも書かれています。先生はこれにチェックをして返していく、ということができるということです。こうしてフォーマットが作ってあると、本文部分を書き換えて教材を英語科全体でシェアして使うこともできますし、そもそも制作段階で分担すれば負担も減っていいのではないかと思いました。
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 音読テストは通常、その場で読んでもらって、それを先生が評価する、というのが一般的だと思います。そうした方法だと、生徒は緊張してしまうこともあるでしょうし、時間の制約から1回か2回くらいしか読むことはできないかもしれません。デジタルで提出するのであれば、何度でも練習をして、録音を再挑戦することもできます。ベストな形で先生に評価をしてもらうことができると思います。
 また、先生側からしても、提出期限に幅を持たせ、提出がばらばらなので提出日から一気に採点をしなければならない、というのではなく、提出された順に採点をすることができます。先生の仕事としても、効率的に評価を進めていくことができるのではないでしょうか。

 一つおすすめのポイントです。ロイロノートスクールで音読を提出ということですが、録音のスライドを生徒に配信する際に仕掛けがしてあって、スライドの英文に応じて録音する時間を「30秒、40秒」という具合に設定してあるそうです。それによって生徒は一定のスピードで(英文の自然なスピードで)音読しないと全文が録音できないため、無意識のうちに何度も試行を繰り返します。それによって発話(音読)回数を自然に増やすという工夫をされています。


 追記です。Facebookページで反田先生がコメントをしてくださっていたので、ロイロノート・スクールのオフィシャル実践事例のサイトへのリンクもこちらに貼っておきます。
n.loilo.tv

(為田)