教育ICTリサーチ ブログ

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ICT×美術教育 #03: ICTで実際に変化する様子を提示して、色の特徴を知る(前編)

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。


 今回紹介するのは、美術の授業で、色の特徴について説明する際にICTを活用する方法です。
 理論的に学習し、テストでもよく出題される色についての説明において、ICTを活用することで体験的に色の特徴を学ぶことで、理解を深めることができると思います。


 PowerPointを使って、色の三属性である色相・明度・彩度のそれぞれの色の対比によって、色の見え方が変わることを体験的に学びます。
 まずは、何度も色を塗り替えてみて、色相対比を実感してもらいましょう。授業前準備として、PowerPointにて説明用のスライドを作成します。
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 児童生徒が行うPowerPointの操作は、右側の色相環をクリックすることと、「書式のコピー/貼り付け」ボタンを押すことだけですので、非常に簡単です。

(1)PowerPointでファイルを開く(スライドショーモードにする必要はありません)

(2)右側に表示されている色相環の色をクリックして選択する。
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(3)PowerPointの画面左上にある「書式のコピー/貼り付け」ボタン(下のようなアイコンです)を1回クリックして色をコピーする。
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(4)右図の背景の四角をクリックすると、色相環で選んだ色に変わる。
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 一度、プロジェクタなどで提示して、操作方法を見せましょう。また、先生はどんな色とどんな色を組み合わせればいいのか、いい例と悪い例を両方見せるといいでしょう。また、身近に目にする機会の多い企業のロゴや商品のパッケージなどに近い色使いを再現してみるのもいいでしょう。
 その後、児童生徒に自分でPowerPointファイルを開いてもらい、自由に色を選んでもらいましょう。最後に、自分の選んだ色を発表してもらってもいいでしょう。


 この活動を通して、たくさんの色の組み合わせを自分で試してみることができます。もちろん、絵の具を使って行うこともできますが、時間がかかります。多くの色を試してみるためには、できるだけ時間がかからない法がよいので、ここではICTを使っています。これにより、同じ色みでも変わって見える様子を体験的に理解する助けになると思います。

 また、こうした色についての学習は、毎年必ず実施するので、一度作成してしまえば、翌年以降はこの教材をそのまま利用することもできます。

 後編では、この色相対比をもう少し進めた教材と、明度や彩度についての教材を合わせて紹介します。

(前田)