教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

京都教育大学附属桃山小学校訪問 #3(2015年10月7日)

「勉強の仕方を勉強する」「わかり方をわかる」ようにする授業

 木村先生に、「児童にルーブリックも全部考えてもらうのがすごいと思いました」と言うと、「ルーブリックを考えることで、先生も児童もプロセスを認識させられるのでいい」というお返事が返ってきました。プロセスはつまり、「勉強の仕方を勉強する」「わかり方をわかる」ということであり、メタ認知的だと感じました。
 ルーブリックを考えるから、ということもあるのだと思いますが、クラスが「わからないこと」を嫌がらないなとも感じました。「わからないこと」は「わからない」と言う。これは実は難しいことだと思います。「わからない」と誰かが言えば、「わかるように説明できる人は?」と木村先生が発問し、また児童が説明をする。言い換えたり、具体例を出したり、パワーチェックカードの要素を使いながら。これが本当に素晴らしいと思いました。
 このクラスの文化を作るのが大変だと思い、どれくらいかかりますか?と木村先生に質問したら、1学期(3ヶ月)くらいかけて地ならしをして、基盤を作ってきた、ということです。基盤をしっかり作らないと、こうした教室の雰囲気にはならないと思います。

児童の感想

 児童からはどう授業が見えるのかな、と思って昼休みに訊いてみると、「最初は発表が苦手だった子もいるけど、だんだん変わってくる」と言っていました。「変わりすぎて困っている子もいる」と笑っていました。また、「4月からこういう授業の仕方になって*1びっくりしたけど、楽しい」とも言っていました。クラス全体が変わっていく様子を、児童たちもまた実感しているのかな、と思いました。それも、パワーチェックカードで共通の評価軸があるので、わかりやすいのだと思います。

児童たちが自分で学ぶ「がんばりノート」

 昼休みに木村先生が、児童がまとめたがんばりノートを見せてくれました。がんばりノートは、先生が課題を出すこともあれば、考えてくるきっかけだけを与えて、自由に考えてくることもあるそうです。こうして自発的に学ぶ姿勢ができるのだろうな、と思いました。
 がんばりノートの最後には、教室の壁に貼ってある「がんばルーブリック」に従って、自己採点がされています。そのうえで、先生が採点をして大きな文字で評価を書いて返してありました。
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 みんなが同じ「がんばルーブリック」を見て、「どう考えればいいのか」「どう勉強していけばいいのか」を理解しているため、お互いに教え合う、学び合うための共通基盤ができているように感じます。

 何冊も何冊も、がんばりノートが進んでいくにつれて、学ぶ力がついてくるのだと思います。写真を撮らせてもらったがんばりノートを紹介します。

▼算数
 文字だけでなく、図も書きます。また、算数の知識だけでなく、パワーチェックカードの「情報を集める」「情報をまとめる」「情報を伝える」の中の、どの部分を使っているのか、というのも書いてあります。
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▼体育
 がんばりノートの対象は、もちろん主要科目だけではありません。ハードル走についてのノートです。
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▼図工
 絵を描く時にどうやって練習するのかをノートにまとめてあります。ここでも、ルーブリックがきちんと書いてあることがわかります。また、学習の進め方を自分で書いてあります。科目に関係なく、「どう学習を進めるか」を考える習慣が作られていくのだろうと思います。
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これらの軸になっているパワーチェックカード

 こうしてがんばりノートを見ていても、パワーチェックカードに挙げられている項目が、児童の中にインストールされている感じがします。だからこそ、いつでも見られるように下敷きにして使っているのだと実感します。

▼パワーチェックカードは、以下のサイトでダウンロードできます。www.pef.or.jp

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(為田)

*1:昨年は木村先生が担任ではなかったそうなので