10月25日の第67回情報コミュニケーション教育研究会(ICTE)情報教育セミナー IN 東北にて聴講した、明成高等学校の岡本恭介先生による、実践発表 「社会と情報」から見える景色【社会と情報】のメモを公開いたします。
岡本先生は、最初に「情報」という教科について、どんな教科なのか、どんなことが学べるのかを語りました。
- 教科「情報」は多くのことを身につけられる。
- 情報は、最新の情報を使える、スマホ、ドローン、などなど。
- そのため動機づけもばっちり。
- 教師も生徒も、ICTを使いまくって授業ができる。
- 学習指導要領でのキーワード、21世紀型スキルなども大きく関わってくる。
- 共通教科「情報」で学ぶ
- 情報及び情報技術を活用するための知識、技術
- 情報に関する科学的な見方や考え方
- 社会の中で情報及び情報技術の役割、影響
- 社会の情報化の進展に主体的に対応できる力と態度
- 「社会と情報」では、「社会の中で情報及び情報技術の役割、影響」と「社会の情報化の進展に主体的に対応できる力と態度」が、強く言われている。
- 学習意欲、思考力・判断力に注目をして、「個人情報」をテーマとした授業を行った
岡本先生のプレゼンテーションから強く感じたのは、授業をもっともっと良くするために、どんなことができるのかという熱意です。さまざまな手法を取り入れて、授業をし、振り返りをしています。その中で、授業設計/実践のために必要なツールを紹介してくれました。
- 原点回帰
- 授業発表や毎日の授業の失敗を通して…
- ジグソー法もやったが、バラバラになったまま、くっつかなかったこともあった。
- 一番重要なのは「何を身につけられるのか」「何を教えたかったか」
- 授業を設計/実践するために必要なことは何か?
- メーガーの3つの質問(目標/評価/方法)
- ガニェの9教授事象
- ケラーのARCSモデル(Attention / Relevance / Confidence / Satisfaction)
- 目標明確化の3要素(目標行動/評価条件/合格条件)
ここで岡本先生は、自作の目標設定用紙を見せてくださいました。今回の発表内容についての、「目標設定用紙」を示しながら説明してくださいました。
- 「目的」「到達目標」「経過行動」もついている。
- 評価は授業前後に行う
- メリット
- 何をすればいいか明確
- 教師も迷わない
- ガニェ、ARCSモデルでも重要な部分
- 復習にも活かせる
- ガニェの第3、9事象
- デメリット
- 作成する時間がかかる(教材研究する時間と捉えればいいが…)
- 目標をどのように分かりやすく設定するかという問題
- 目標明確化の3要素
- 目標行動=明確な行動を記述。
- 評価条件=どんな条件があるのか。
- 合格基準=どのくらいできればいいのか。
情報の授業は、スマホ、ドローン、など最新のテクノロジーに直結する領域でもあり、岡本先生は何かあったときにきちんと考えて行動できるようにさせたい、とおっしゃっていました。事例として、「なにかあった時、生徒はついスマホで写真を撮って拡散してしまう場合がある」というケースで考えていきました。
- 考えさせている?考えている?
- 情報モラルでは、思考力・判断力が大事
- しっかり考えさせたい!
- 一問一答では片付けられない問題ばかり
- ××の場合、◯◯はしてはダメ、になっていないか。→だから、「考えさせる」ことが大事。
- ある事例から
- どのような考えを持たせたいのか。
- 自分の中で問いをつくることができる
- その問における最適解を出すことができる
- その解を踏まえて、行動に移すことができる
- 問いを作ることが難しい。そのきっかけを授業の中で。発問をどう工夫するか。
- 発問、そして、より深い思考へ
- 原因、解決方法、防止策はなかったのか、すべては人
- 発問の機能 野口流「発問の作法」
情報の授業をただスキルアップ講座のようにしてしまうのはあまりに惜しく、テクノロジーやガジェットなどを使っている生徒たちの日常に紐付いたテーマで、「どう考え、行動するのか」を教える情報の授業は、これからますます求められていくことだと思いました。
(為田)