教育ICTリサーチ ブログ

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ICT×美術教育 #09: 簡単なデザイン作業で、配色を試行錯誤

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。

 今回は、PowerPointを使って、小学校の図工の授業で、自分だけのお店をデザインしながら、配色を試行錯誤して学ぶアクティビティを紹介します。
 PowerPointで使用する操作は、すべてを児童にさせても、「図形の色の塗りつぶしの変更」と「ワードアートの挿入」と「ワードアートの色変更・サイズ調整・移動」くらいです。もしも、操作に時間がかかってしまいそうだと事前に想定するならば、「図形の色の塗りつぶし」だけに絞ってもいいでしょう。

 紙に絵の具でデザインを描いて色を塗ると、何種類も配色を試すためには時間がかかってしまいます。また、何種類も色を作ることも大変です。
 しかし、デジタルで色を塗るようにすれば、同じデザインを簡単に違う色に塗り替えることができます。そのため、いろいろな配色を試すことができるようになります。
 このようにいろいろな配色を試行錯誤しながら試すことで、色の組み合わせやイメージを効果的に学べます。
 これは、デジタルで配色を学ぶ大きな利点だと思います。

授業前準備

 事前にどんな準備が必要かを見てみましょう。

  1. PowerPointの図形を組み合わせて、お店の形を作成しておく。
  2. 図形はすべて、塗りつぶしの色を白にしておく。f:id:ict_in_education:20151109091018p:plain
  3. 作成したPowerPointのデータを、児童が一人ずつ操作できるように保存しておく。
  4. ローマ字入力表を児童の人数分印刷しておく。(参考:ローマ字入力表

授業中操作

 授業中は、一人ずつPowerPointを操作して、色を自由に変えて配色について考えてもらえるようにしましょう。

  1. お店のデザインをしてもらうことを児童たちに伝える。児童たちの特徴に合わせて、お店の種類も自由に考えさせてもいいですし、「お菓子屋さんを作ろう」というようにテーマを与えてもいいと思います。
  2. PowerPointを起動して、事前に作成しておいたデータを開き、図形の塗りつぶしの色の変更方法を説明する。
    • 図形を選ばずに色を変えようとする児童が多くいるので、必ず図形を選んでから色を変えるように伝えましょう。
    • 色を変えた後に、他の色に変えたいと質問してくる児童も多くいるので、色を変えた後でも同じ操作で色を変えられることをデモンストレーションして見せましょう。
  3. 間違って図形を移動させてしまったり、大きさを変えてしまったり、間違って違う色を選んでしまう児童もいますので、間違った操作をしてしまったときに、「元にもどす」ボタンをクリックして戻せることを、あらかじめ説明しておくといいでしょう。
  4. 早く配色が終わった児童がいたら、ワードアートでお店の名前を入れるなど、追加のアクティビティをしてもらいましょう。
    1. ワードアートの挿入方法を説明する。
    2. 全角/半角の切り替え方法を説明し、ローマ字入力表を渡して、入力させる。
    3. ワードアートの色の変え方を説明する。
    4. ワードアートの拡大縮小の仕方を説明する。
    5. ワードアートの移動の仕方を説明する。

 他の子がどんなお店をデザインしたのか作品を見せ合ったり、発表する時間を設けたりしてもいいと思います。
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 高学年の児童や中学生向けに実施するのであれば、本内容を実施する前に、以前紹介した色の効果についてを説明したり、インターネット上でさまざまなお店の画像などを見せてから実施すると、色についての学びを深くできるかと思います。

blog.ict-in-education.jp

(前田)