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学校で使えるクリエイティブデザインアイデア #03: 長文を読ませるために、文字サイズ・行送り・1行当たり文字数・行揃え・余白を変える

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。
 この連載では、学校の先生が普段使えるクリエイティブデザイン観点でのアイデアやポイントを紹介していきます。

 今回紹介するのは、長文を読みやすくするためのポイントです。以前、フォントの使い分けで長文には明朝体が適しているということを紹介しましたが、文章を読みやすくする要素はフォント以外にもあります。学級だよりなどのA4サイズの配布物に長い文章を掲載するときに使える、文章を読みやすくするためのポイントを紹介します。

文字サイズ

 一般的な本文の文字サイズは、8~10ptくらいが最適ですが、保護者の年齢層も幅広いと思いますので、大きめのサイズに設定した方が良いでしょう。
場合によっては、10.5pt(Word初期設定値)や11ptくらいにしてもいいかもしれません。

行送り(行間)

 行送りは、「行送り」と「行間」という言葉があり、これらは別物です。それぞれの意味と最適な数値は以下の通りです。(ただし、Wordでは「行間」と書かれているのですが、実際には「行送り」の意味になっているので、注意してください。)
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 行送り(行間)が狭すぎると、次の行の行頭がわかりにくかったり、どこを読んでいるのかわからなくなったりしてしまうので、非常に読みにくくなります。
 逆に行送り(行間)が広すぎると、まとまりがなくなり、散漫になるので、これも読みにくくなってしまいます。
 フォントの種類やサイズ、行あたりの文字数、行数、余白などによって適切な数値が変わるので、実際に見え方を確認しながら適切な数値を設定しましょう。
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 また、Wordでは初期設定で、「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」という項目にチェックが入っており、チェックが入ったまま上記の数値を設定すると、行送り(行間)が広くなりすぎてしまうので、以下の操作で、この項目のチェックを外しておくとよいでしょう。

  1. リボンの「ホーム」タブの「段落」グループにある[行と段落の間隔]をクリックし、[行間のオプション]をクリック
  2. 「段落」ダイアログボックスが開いたら、「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す
  3. 「OK」ボタンをクリック

1行あたり文字数

 1行あたりの文字数が多いと、行末から次行の行頭までの目線の動きが大きくなり、行頭がわかりにくくなってしまうので、読むことに疲労感を感じてしまいます。
 逆に1行あたりの文字数が少なすぎると、1行読み終わるごとに、行末から次の行へ目線を動かさなくてはならず、この回数が多くなると疲労感を感じてしまいます。
 行数が1~3行程度のものでしたら、そこまで気にすることはないですが、行数が多くなる長文を掲載させる場合は、1行あたりの文字数も読みやすい長さに調整すると読みやすくなります。
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 1行あたりの文字数を設定するには、以下のような方法があります。

(A)段組みを設定する
 段組みは、文章や画像を2列以上の列に分けて配置することです。Wordでは、以下の手順で設定できます。

  1. 長文の箇所のみドラッグして選択する
  2. リボンの「ページレイアウト」タブの「ページ設定」グループにある[段組み]をクリックし、任意の段を選ぶ

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(B)画像を配置して、1行当たりの文字数を減らす
 文章ばかりだと、読む気力自体を損なわせてしまうので、写真や挿絵などの画像を配置するのもよいでしょう。画像があることで、書いてある内容をイメージさせることもできます。1行当たりの文字数を減らすのが目的なので、小さい画像では不十分です。大きく配置するか複数枚配置する必要があります。
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(C)AとBを組み合わせる
 段組みをすると、文脈の途中で改行されてしまったり、列ごとの文章のバランスが良くなかったりするので、文章の言い回しを変えたりすることも必要ですが、画像を配置することで、それらを調整することもできます。
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行揃え

 長文で設定した方がいい行揃えは、日本文は両端揃えで、英文は左揃えです。それぞれどう違うのか見比べてみましょう。
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 日本文で左揃えにすると、1行の長さがバラバラになり、右端がガタガタになってしまうので、両端揃えにして、右端もきれいに揃うように設定してあげるとスッキリとして気にならなくなります。
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 英文も左揃えにすると、右端がガタガタしてしまうのですが、両端揃えにすると、単語の組み合わせによって単語と単語のスペースが空きすぎてしまい、読みにくくなってしまうので、英文は左揃えにするのがよいでしょう。

余白

 余白は、文章の周りにある何も配置されていない空間のことです。紙の端から文章までの余白もあれば、文章の周りに枠を配置したり、背景を配置したりすることによっても余白ができます。この余白がなさすぎると、窮屈な印象になり、文章が読みづらくなります。
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◆ ◆ ◆


 ここまでで紹介して来た、各種の設定値は、あくまで目安です。実際に掲載する文章や写真などの情報量とレイアウトを考慮しながら、各設定の調整、情報量の調整を行いましょう。また、レイアウトを変更・修正したりして、読みやすいドキュメントにしていきましょう。


▼読みづらい例
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  • 文章を読んでほしいと思い、全体的に文字サイズを大きくしすぎて、行送りが狭くなり、余白もきつい印象になってしまっている。
  • 上部にある枠内にも余白がないので、読みづらい。


▼上記と同じ内容で読みやすく修正した例
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  • 本文の文字サイズを小さくして、行送りや余白をつけた。
  • 上部の枠内にも余白をつけて、読みやすくした。
  • また、枠の色が強すぎて文章よりも目立ってしまっていたので、色味をグレーにして、主張しないようにした。


 簡単にレイアウトなどを修正し、結果として思い通りの効果が得られているかどうかをすぐに確認できるのは、ICTを使って編集を行う利点です。児童生徒や保護者に対して、読みやすいデザインの配布物を発行するために、ぜひここで紹介した情報を使ってみてはいかがでしょうか。


(前田)