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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

京都教育大学附属桃山小学校訪問 #2(2015年11月27日)

11月27日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問しました。前回が10月7日でしたので、2ヶ月弱で再訪できました。とてもうれしいです。(前回の訪問レポートはこちら
 木村明憲先生が担当されている4年2組の1時間目、算数の授業を見学してきました。

実況中継:1時間目 算数

 1時間目の算数の授業。前回見学させていただいたときと同じように、木村先生はまず問題をホワイトボードに書きます。
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 そして、「この時間のルーブリックはどうしますか?」という日直の質問から、みんなでルーブリックを考える時間が始まります。Sとaを何にするか、パワーチェックカードとルーブリックカードを見ながら、「なぜ、その順序にしたかのわけがいえた、がいいと思います。いいですか?」と言うと、「わけは?」と教室のあちこちから声があがります。そして、この「わけは?」に対して、また意見を重ねていくことができるのが、すごかったです。木村先生は、出た意見をホワイトボードに書いていきます。意見を受けながら、木村先生は「また前に戻ってきてるよ」「(児童たちが挙げてくれるルーブリックが)広がりすぎてまとまらないことがあるので、しぼりましょうね」など、と児童に伝えていきます。こうした言葉は、年間を通じて少しずつ、こうした授業のスタイルを積み重ねてきている証拠だと感じます。児童たちも楽しそうに発言をしていて、こうした雰囲気を作れるかどうか、先生のファシリテーターとしてのスキルが問われる部分だと思います。
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 ルーブリックが決まったら、木村先生はホワイトボードに問題を書きます。そして、児童はノートに問題を書き、ルーブリックにしたがって学習を始めます。このときまで、誰もホワイトボードの文字をノートに書いていません。そのぶん、木村先生のことをしっかり見て話を聞いています。このクラスは、「考える時間」と「書く時間」が完全に分かれているのだな、ということに気づきました。この方が、どちらにも集中できるかもしれないと感じました。
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 そして、木村先生は教室をまわって、児童たちがどんな感じでノートを書いているかを見ていきます。ルーブリックを意識させて、どんなノートになればいいのか、どんなところに気をつければいいのか、というヒントを与えていきます。
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 問題が解けたら、ペアになって説明し合います。1対1で説明し合います。ここで、朝の時間のスピーチで、コメントがあった「どう伝えるか」「相手の反応を見て説明をする」などの実践になっています。こうして、朝の時間と教科の時間が連動できるのは、小学校の強みだと思います。1人に説明したら終わりではなく、違うパートナーと次々にペアになって、何度も何度も説明をしている児童もいました。だんだん説明が上手になる、というのもあるだろうなと思いました。
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 この間も、木村先生は机間巡視をして、ルーブリックにそって学習の手助けをしています。
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 最後に、実物投影機を使ってノートをディスプレイに映し、各自がどのように学んだのかを発表していきます。同じ問題を解いていますが、ノートの書き方が全然違うのが非常におもしろいと思います。こうした、友達はどんなふうに考えたのだろう?友達はどんなふうなノートを書いたのだろう?というのが見えるのは、参考にもなるし刺激にもなるし、いい方法だと思います。
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 何人かがノートを見せながら説明をしてくれますが、今回のルーブリックの「なぜ、その順序にしたのかのわけがいえた」のルーブリックを満たしているノートについては、木村先生がきちんとフィードバックをしていきます。また、説明の途中で「ここまでいいですか?」というコメントをいった児童に対しても、「そういうふうに聞いている人たちの反応を見ながら話すのはとてもいい」とフィードバックをしていました。

 最後に、関係図を描く練習に授業がつながっていくということを示し、次回以降の授業の方向性を予告して、算数の授業は終わりました。
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 45分の授業ですけど、密度が濃く、時間があっという間にたつ授業です。算数の力だけでなく、考える力、発表する力、相手を見ながら説明する力など、さまざまなスキルを学習目標に盛り込んでいる授業だと思います。

追記

 授業の中で児童が使っている、パワーチェックカードは、「学習支援カード」という名前で、パナソニック教育財団のサイトで見ることができます。興味を持たれた方は、ぜひアクセスしてみてください。

www.pef.or.jp


(為田)