11月27日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問しました。前回が10月7日でしたので、2ヶ月弱で再訪できました。とてもうれしいです。(前回の訪問レポートはこちら)
木村明憲先生が担当されている4年2組で、3時間目のMC(メディア・コミュニケーション)の授業を見学してきました。
実況中継:3時間目 MC(メディア・コミュニケーション)
3時間目のMC(メディア・コミュニケーション)の授業を見学しました。この時間は、ThinkPadタブレットを使います、ということを木村先生が言っていました。廊下にあるボックスから、タブレットを持って行きます。
今回のMC(メディア・コミュニケーション)の授業は、「自分たちのプレゼンテーションをふりかえろう」でした。
3年生に向けてプレゼンテーションをしたので、その感想をクラスで共有していくことから、授業は始まります。挙がっていた感想は、
- はじめははずかしかったけど、慣れた
- 今まで練習したことを、最初は使えていなかったけど、使えるようになってきた。
- PCでプレゼーテヨンのソフトを使って資料を作った。3年生がめっちゃ反応してくれてうれしかった。
- 伝わってたかなと心配だったけど、伝わっていてよかった。
こうしたふりかえりがあるのは、とても大切なことだと思います。「反応してくれてうれしかった」とか「伝わっているか心配だった」とか、そうした感想が出るのは、本気で取り組んでいる証拠です。
こうした感想をふまえて、木村先生は、この授業でやることを伝えます。
- 3年生がくれた付箋を具体的に見ていって、座標軸に書き込む
- タブレットで自分たちの発表を見てふりかえる
- 次にどう活かすか、今回の2つの活動を踏まえて、ワークブックに書く。
1. 3年生がくれた付箋を具体的に見ていって、座標軸に書き込む
まずは、3年生が4年2組の1人ずつのプレゼンテーションを聞いて書いた感想を、付箋で読み、ワークシートの座標軸にプロットしていきます。ワークシートの座標は、朝の時間のときと同じで、縦軸に「よかった点」と「アドバイス」、横軸に「伝えたいこと(内容)」と「伝え方(方法)」となっています。
付箋をグループで読んでいきます。そして、そこから座標軸にどんどん書き込んでいきます。この作業が、グループでわいわい話しながらするのがとても楽しそうでした。また、プレゼンテーションを振り返って、反省をしたり、ちょっとした自慢をしたり、というのができているのも、楽しみながらふりかえりができていいなと思いました。
2. タブレットで自分たちの発表を見てふりかえる
タブレットで自分たちの発表を見てふりかえります。みんなで頭を付きあわせてプレゼンテーションを見返します。さっきまで見ていた付箋は「3年生からの評価」ですが、今度の動画は「自分たちでの自己評価」です。例えば、「目線が3年生に行っていない」と動画を見ながら反省していた男子たちもいました。そうして気づいたことをまたワークシートの座標軸に書き込んでいきます。
こうすることで、他者からの評価と、自己評価が同じ1枚の紙に並ぶことになります。きれいに色分けしてみやすいようにしている児童もいました。こうした工夫ができるのも、授業中でも自主学習ノート(がんばりノート)でも、自分たちなりのノートの作り方を実践しているからだと思いました。こうした工夫はとても大事ですね。
ビデオを見返しながら、プレゼンテーションはどうだったか、パワーチェックカードを使いながら考えている児童もいました。パワーチェックカードは、下敷きにしてあり、いつでも見ることができるようになっているので、こうした場面で先生が何も言わなくても、自分で取り出して参照する、という習慣ができています。
3. 次にどう活かすか、ワークブックに書く。
最後に、次にどう活かすかをワークブックに書いていきます。グループでできあがったワークシートだけでなく、グループ内で一緒に動画を見て気づいた点などもふまえて、書いていきます。
全員でするワークと、個人でするワークを、行ったり来たりするのが、この授業の面白いところだったと思います。
各グループで書いてもらった、縦軸に「よかった点」と「アドバイス」、横軸に「伝えたいこと(内容)」と「伝え方(方法)」と書かれたワークシートは、木村先生が集めて、「それをもとにチェックシートを作ろうと思います」と言っていました。そして、今度はこのチェックシートをベースに3学期のMC(メディア・コミュニケーション)へ続くそうです。
クラス全体の反省をまとめて、次の授業の学習目標に落としこむように準備していく。授業設計として非常に基本的でとても大事なことだけれど、なかなか実践している先生が少ないところだと思います。どんなチェックシートができたのか、ぜひまた見せてもらいに行こうと思います。
(為田)