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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

西武学園文理小学校:グループワーク 質問アクティビティ(2015年11月28日、12月5日)

授業実践 取材 教育ICT利用の目的 目的-6. 教材拡充

 11月28日(土)と12月5日(土)に、西武学園文理小学校の小学校5年生のCA(Creative Activity)の授業を見学しました。文理小学校では、5年生から6年生までの2年間をかけて、卒業研究をします。最後に保護者も招いたホールで、卒業研究発表会をします。
 この卒業研究発表会のサポートを、毎年させていただいています。文理小学校では1年生の時からコンピュータ室で、Word、ExcelPowerPointなどを使っていますので、僕がサポートしているのは、「どうしたら説得力のあるプレゼンテーションができるか」「どういった問いの立て方をすればいいか」「理由をつけて主張をするためにはどうすればいいか」などの点で、児童に質問を投げかけて、そうした姿勢を身につけてもらう部分です。

 今回の授業は、5年生の最後に行うプレゼンテーションの前に、一度グループ内で発表しあってみる、ということで、「プレプレゼン」と名付けられました。5人から6人のグループになって、発表を2分間で行います。その後で、質問を考える2分間が与えられ、最後に5分間で質疑応答を行います。
 5人から6人のグループは、担当が決められています。(1)発表者(2)iPad miniでプレゼンテーションと質疑応答を撮影(3)ほめる人(4)疑問に感じたことを「なぜ◯◯なの?」と訊く人(5)「それって、本当ですか?証拠はあるんですか?」と疑い深く訊く人(6)全体的にほめる人、としています。
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 こうして役割を最初に決めておくことで、自分が与えられている役割に沿って、発表者のプレゼンテーションを聴いてほしいと思ったから、こうした設定にしています。もちろん、質疑応答の5分間が終了して、まだ時間がある場合には、この役割にしたがってもう1周ずつコメントをしてもいいですし、この役割から離れて、自由に質疑応答をしてもいい、ということを先生は説明をしています。

 今年度は、外部からiPad miniを一時的にお借りして、プレゼンテーションの様子を撮影する、という試験的なアクティビティを行ないました。自分がプレゼンをしている様子を客観的に見るということは、本番以外ではほとんどありませんでしたが、iPad miniがあれば、簡単に録画もできますし、再生も簡単にできます。
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 このように、順番に役割を変わっていきながら、プレゼンテーションをしていきます。原稿を見ながら話す児童もいますが、各クラスで何人かは、ときどき原稿から視線を上げてiPad miniのカメラの方を向いてプレゼンテーションをしていました。
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 プレゼンテーションが終わった後の質問を考える2分間の様子が下の写真です。原稿を読ませてもらって、論点を整理したがる児童もいますが、みんなで終わったばかりのプレゼンテーションを見なおしているグループもありました。こうした活動ができたのもよかったと思います。
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 質疑応答の様子も撮影します。質疑応答は、2週にわたっておこなったプレプレゼンの中で、最も様子が変わったことだったと思います。最初は、簡単な質問をするだけだったのが、質問をして答えを聞いた後に、「…ということは、◯◯っていうことですか?」とまた質問を返せるようになっていたからです。まさに、そうした建設的な質問をし合う雰囲気を体感してもらいたかったことでした。
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 質問が活発になってくると、求めるレベルも高くなってきます。いくつかのグループで気になったことは、質問に対して、「本に書いてあります」という答えがときどき出ていたことです。これに対しては、「本に書いてあった」というのは証拠にならないし理由にならないよ、ということを伝えています。「本に、◯◯と書いてあった」とまでならないといけない。そこまで読み込んでいこう、という話をしました。
相手に対して質問をするのは、相手を困らせるためなんかではなくて、「本当はどうなんだろう?」と一緒に考え、調べていることをより深く知り、わかりやすく人に伝えるための工夫に繋がると思います。そのために、どんどんグループ内/クラス内で質問をし合えばいいと思います。そうすることで、クラス全体の質問力が上がっていき、結果として、論理的思考力やプレゼンテーション力も上がっていくと思います。

 プレプレゼンの最後には、グループから机を戻して、各自で「質問されたけど、答えられなかったこと」「調べなければならないと思ったこと」をきちんと書く時間をとりました。これも実はとても大事です。こうして、グループでプレゼンテーションを聴き、質問をし合い、それを一人ずつのワークに持ち帰って、自分の研究に向き合う。こうしたサイクルができてくると、「学校で学ぶこと」の強みが発揮されていくのだと思います。
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 5年生の彼らには、まだ1年以上準備期間がありますので、非常に楽しみです。6年生最後の卒業研究発表会まで、しっかりサポートしていきたいと思います。わからないことを調べることが好きになってほしいな、と思います。

(為田)