教育ICTリサーチ ブログ

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SNSを通じて戦争の記憶を集めた本『ぼくたちは戦場で育った』

 大掃除をしながら聴いていたラジオで紹介されていた本、ヤスミンコ・ハリロビッチ『ぼくたちは戦場で育った』を紹介します。もうすぐ、1992年から4年間にわたったサラエボ包囲戦が集結してから20年。当時子どもだったサラエボっ子に向かって、ヤスミンコ・ハリロビッチ(当時5歳)が、SNSを活用して「あなたの子ども時代の思い出(戦争体験)を160字以内で語ってください」と呼びかけ、集まったメッセージをまとめた本です。

 サラエボ公用語は、ボスニア語、セルビア語、クロアチア語。どの言語で160字なのかわからないですが、さまざまな記憶を読むことができます。公式サイトから抜粋します。160字だからこその表現もあるのかなと思います。

あともう少しだけ背が高かったら、私はこれを書いていないだろう。わずかに開いたドアから、私の頭のすぐ上を弾が飛んで行った。 / セルマ(女)1976年生まれ

戦時の幼少時代とは、学校に片思いの子がいて、その子が迫撃弾で殺されることだ。 / ヤセンコ(男)1977年生まれ

 SNSでこうして思い出を集めるというのが、おもしろいなと感じます。教室で使う題材を作成するときに、同じような手法が使えるだろうか、と考えました。たとえば「修学旅行の思い出を教えて下さい」「冷戦終結のとき、どう感じましたか?」など、広く一般の人にSNSで呼びかけたら、どれくらいのコメントが集まるのだろうか、と思いますが、アイデアとしてはありかもしれないな、と思いました。


 そんなことを思いつつ、1992年から始まったサラエボ包囲戦は、大学入試準備で読んでいたTIME誌でもよく取り上げられていたし、大学に入った後も興味を持っていた問題だったので、懐かしく、また読んでみようと思いました。
http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3507www.shueisha-int.co.jp