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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学レポート #6 国語(模擬授業)

 12月26日に、東京大学福武ホールにて、Ludix Lab公開研究会 愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学を開催しました。

 4時間目は、才記先生と鈴木先生による国語の模擬授業でした。才記先生は、手にiPad miniを持って、そこですべてをコントロールしながら教室を歩きまわります。Apple TVでプロジェクタに画面を飛ばしている(ミラーリングしている)ので、歩き回りながらコントロールができます。
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 また、才記先生のポケットにはカラーマーカーがたくさん入っていました。これらも使いながら、参加者にさまざまな働きかけをしていく授業でした。ふだん、6年生を担当されているそうですが、そのとおりの授業をしてくださいました。笑いの絶えない模擬授業となりました。
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鳥獣戯画を読む

 今回、授業の導入として、いくつかの漫画を見せられ、そのまま、「では、日本でいちばん古い漫画はなんだろう?」と考えていきます。そこで、漫画の祖『鳥獣戯画』が、今回のテーマであることが伝えられました。
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 ここで、国語の単元「鳥獣戯画を読む」を読むことを伝えます。鳥獣戯画を見ながら、気付いた点を参加者に発表してもらいます。我々が知っている漫画には吹き出しがありますが、鳥獣戯画には吹き出しがありません。だから、吹き出しがない漫画で、何を読むべきなのか、何が読めるのかを考えていきます。
 モニターでみんなで鳥獣戯画を見ながら、気付いた点を発表してもらいます。発表してもらった意見を、模造紙に書いていく。ICTで題材を提示して、そこにすべて書き込むのではなく、板書もプラスして使うという方法をとっていました。
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 ここまで、ICTとして使っているのはiPad miniの画面をモニターと同期させて表示しているだけです。それでも、どんどん参加者に当てていき、やりとりを続けていきます。ICTは本当に簡単に使うだけで、アクティブラーニングの環境を作り出せるものだと再確認しました。
 今回初めて会った方も多かった参加者の皆さんですが、才記先生、全員を名前で読んでいました。秘密は、持ち歩いているiPad miniに付箋で貼られている座席表。こうしたちょっとした工夫が、授業を良くしますね。
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スクールタクトで「読んだこと」を共有

 どんなふうに、鳥獣戯画を読んでいけばいいのかが共有できたところで、今度はChromebookでスクールタクトを起動し、「読む」作業をしていきます。今度は、自分の意見を、書き込んでもらいます。
 ここで思考するスピードに合わせて、意見を書き込むことができるようにするために、愛和小学校では5年生と6年生には朝の学習でタイピングをさせているそうです。思考スピードと出力スピードが違うのはストレスになるので、準備としてタイピングスキルはあった方がいい、ということですね。

 スクールタクトで、鳥獣戯画の絵を全員に配布します。
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 それから、各自で自分のChromebook鳥獣戯画を見て、気づいたこと、読めたことを書き込んでいきます。
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 スクールタクトで、クラスメイトの書いたものも見られるようにできます。今回の模擬授業のめあてとして、「他者のものの見方をとらえ、自分の考えを深めよう」というのが挙げられていたので、他の人の意見を読んで、コメントを書いていきました。才記先生は、「1人にコメントを書いたら、2人、3人と書いて」と言います。授業を見ていた松田先生は、「これは、アナログだったら、話し合い活動ですよ」とおっしゃっていました。従来の授業であれば、自分の考えを早く書けた子は黙って待つしかなかった。でもスクールタクトを使えばその時間を有効活用できる。technologyが一人ひとりにアダプティブな学習環境を創り出しているのです。

コメントのやりとりを可視化

 スクールタクトでは、このコメントのやりとりを、可視化することができます。誰が誰にコメントを書いたかを見ることができます。
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 関係性だけでなく、どんなコメントを書いたかも見ることができます。
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 このように授業内でのコメントのやりとりが可視化され、ここで得た知見は学級経営にも使えるようになるといいます。
 この機能を使って、クラスの中で関係がうまくいっていなかった子を救おうとして、「いろんな子に関わる」ということを決めて時間内で自分以外の全員にコメントをした子もいたそうです。ICTが学級経営、生活指導にも活用できるという一つの例だと思いました。

 #7へ続く。
blog.ict-in-education.jp


(為田)