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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

京都教育大学附属桃山小学校 授業訪問レポート No.2(2016年1月28日)

実況中継:算数 in コンピュータ教室

 朝の会が終わって、4年2組の1時間目は算数でした。木村先生は、「教科書と地図帳と、探してきた表を持って、コンピュータ教室へ!」と言います。
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 この日の算数は、「調べ方と整理のしかた」の単元で、表とグラフの表し方がテーマです。木村先生の授業は、コンピュータ教室でもいつもと同じ、「今日は何をしますか?」という問いかけから始まります。今回の授業は、新聞から探して持ってきた表をもとに、コンピュータを使って表とグラフを作ることです。
 表計算ソフトとは何か?という木村先生の質問に対して、「表で計算したり、書いたりできる」「すぐに計算したり、数を表せる」「難しい計算をすぐにしてくれる」「グラフに表せる」と児童たちから答えが返ってきます。
 そこで、表をまず作って、それをグラフにすぐできることを、木村先生がサンプルを見せて説明します。モニターで映して説明をしますが、教室の後ろからだと見えないので、見えにくい児童は前に来てもいいよ、と言って、みんなで集まって見ます。
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 グラフの種類もたくさん見せます。いろいろなグラフがあることを知らせるためには、黒板で書くよりも、デジタルで見せる方が簡単です。例えば、棒グラフと円グラフと帯グラフを、同じデータで作ってみたときに、見た印象がどう変わるか、ということを話し合うなどということもできるでしょう。
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 表計算ソフトを使って最も便利なことのひとつは、自動計算とグラフへの自動反映だと思っています。木村先生は、縦棒グラフを作ったところで、「じゃあ、ここで数字を変えたらどうなる?」と言って、表の中の数字を変えてみます。すると、ぐっとグラフが自動的に反映されて伸びます。
 ここで、児童からは「おお~」と歓声があがります。この驚きの声が非常に重要だと思います。グラフをいきなりグッと変えて、「え?何が起きたの?どうなったの?」と思わせて、改めて、「どこが変わった?」と今度は変わったポイントを探してもらいます。数字を大きく変えることで、ぐっとグラフの棒が伸び、隣の棒はぐっと短くなります。そして、児童に軸の目盛が変わったことに注目させます。このあたりは、黒板を使うよりもずっと理解が進むところだと思います。ここの流れがとてもおもしろかったです。
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 実際に木村先生が説明に使った表とグラフです。廊下で切り傷の怪我をした人が、膨大な人数いますが…(笑)これくらい極端にやる方が、絶対に伝わります。
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 木村先生は、「表計算のソフトは、小学生ではなかなか使う機会がないですよね。でも、それではダメだと思うんです、こういうことができるんだ、というのを知っておいたほうがいいと思うんです。だから、算数の時間にやってみる、ということを3年生以上を担任した際はいつもするんです。」とおっしゃっていました。また、「昨年度の情報活用能力調査の結果や、新しい学習指導要領の動向、今後の大学入試改革などの話を聞くと、コンピュータを使いこなせることが、子どもたちの人生にとても重要なことであると感じるんです。それだけでなく、今でも、文書作成ソフトや表計算ソフトの活用技能が高ければ高いほど仕事が早く円滑に進むということがあります。そう言った意味でも、小学校の間にコンピュータがどのようなことができるのかということに出会って欲しいのです」とも話してられました。
 僕も、この意見に賛成です。表やグラフは、手書きで考えることも大事だと思いますが、計算をしたり、表に表したり、グラフに表したりということを簡単にできるようにすることで、自分でどんどん数字を変えたりすることができるようになります。

 メディアリテラシーにも通じますが、ニュース番組のフリップで出されるグラフの軸が不当に短く見えるように表されているなどの印象操作に、グラフはよく使われます。そうした操作に引っかからないためにも、表計算のやり方に親しんでおくことは大切だと思っています。算数の時間や総合学習の時間、京都教育大学附属桃山小学校でのメディア・コミュニケーション(MC)の時間などで、どんどん表計算を使って、自分でデータを作ってみることをするといいと思います。
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(為田)


No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp