教育ICTリサーチ ブログ

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京都教育大学附属桃山小学校 授業訪問レポート No.4(2016年1月28日)

実況中継:社会

 3時間目は社会の授業です。木村先生の「何をしますか?」という問いには、「事故や事件の紙芝居プレゼンを交流します」という答えが返ってきました。そして、「何のためにしますか?」という問いには、「相手の調べたことを訊いて、より良く知る」という答えが返ってきました。

 それぞれについて、パワーチェックカードの中のどの項目に当てはまるのかを質問していき、ホワイトボードに明記して授業を進めていきます。
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 それぞれの時間配分も、児童たちが決めます。決めた時間については、タイマーをセットして、授業を進行していきます。児童から出てきた希望に対して、「ここはまとめでちょっと時間がほしいから、7分にしておいて」などというように、木村先生の方からも希望を伝え、一緒に時間を決めていました。
 木村先生は「授業でも子どもたちが学習の進め方を少しずつ考えられる場を作っていきたい。本時の学習活動が授業の初めに明確になることで、どこでどのようなことをし、何を頑張れば良いのかということの見通しがもてる。この見通しが大切だと思います」と話してらっしゃいました。
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 児童たちは、紙芝居プレゼンを始めます。クラスの半分が、自分の机で、クラスメイトがやってくるのを待ちます。もう半分は、好きに教室を動きまわって、聴きたいと思うクラスメイトの席に行き、プレゼンテーションを聴きます。
 紙芝居プレゼンテーションを見ての感想は、紙芝居が色鮮やかだったり、文字の色がカラフルだったり、文字のデザインが自由だったり、非常に表現が豊かだな、ということでした。紙芝居プレゼンであれば、コンピュータでスライドを作るよりも、絵を描いたりもできるし、フォントだって自由自在です。これって、とても大事なことだと思います。「表現したい!」と思うことがあっても、それをコンピュータで表現するのは大変、だから諦める、というふうになってはいけないな、と思います。大きな会場で最終的にプレゼンテーションをしたいなどというケースもあると思います。その際には、紙に描いた紙芝居を撮影してそのままスライドに貼り付けるということをすればいいだけです。「コンピュータを使うこと」が目的になってしまっていて、「パソコンで作ろうね」と言ってしまう先生も多いのですが、「相手にきちんと伝えること」を目的にするのであれば、写真で撮影してもいいと思うので、このあたりを整理して授業設計に組み込む必要があるだろうな、と思いました。
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 紙芝居プレゼンは、裏側に原稿が書いてあるので、プレゼンテーションもやりやすそうだな、と思いました。また、距離が近いのでプレゼンテーションの表現力も豊かですね。見ていて非常におもしろかったです。
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 その後で、児童たちが推薦して、2人の児童が教室の前に出て、みんなに向けて紙芝居プレゼンテーションをしました。紙芝居は、実物投影機で投影しました。
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 最後に、パワーチェックカードを見ながら、ノートにまとめをしました。たくさんの人の紙芝居プレゼンを見て、自分のプレゼンテーションと比較することもできるし、上手な人のやり方をパワーチェックカードの中の項目に照らし合わせて見ることもできます。こうして、最後に振り返りをして文字に書いて、外部化させることは非常に大切だな、と感じました。
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 No.5に続きます。
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(為田)