教育ICTリサーチ ブログ

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「はじめてのKP法」@奈良女子大学附属中等教育学校公開授業研究会 分科会(2016年2月20日)

 2月20日に、奈良女子大学附属中等教育学校公開授業研究会 ZONE.B「あらたな学びの方法論と関係性」に参加してきました。その中の13人の方と一緒に、午後の分科会に参加させていただきました。福岡県大牟田市の明光学園中学校・高等学校の前川先生のファシリテーションのもと、KP法(紙芝居プレゼンテーション)を実演していただき、作り方を教えていただき、みんなで4分のプレゼン(15枚の紙芝居)を40分で作り、プレゼンをひたすら聴く、というものでした。
 この分科会のコンセプトは、「高校教師、大学教師、企業の方、塾講師、NPO、個人事業者などなど、さまざまな立場で『こどもたちの未来を見すえて面白い取り組みや考え』をしているみなさんが『対話』をする対話祭り」でした。本当におもしろかったです。自分でやったKP(紙芝居プレゼン)を忘れないように、メモしておこうと思いました。

 KP(紙芝居プレゼン)は、1枚の紙芝居にあまり多くの情報を入れない(10文字×3行)、色もシンプルに3色まで、という制限があり、そのなかでやるというのが楽しかったです。
 紙芝居を、マグネットを使ってホワイトボードに1枚ずつ貼りながら、プレゼンをしていきます。前の紙芝居ははがさず、残しておくのがポイントかな、と。

KP法実践「はじめてのKP法」

 では、スタートです。タイトルは、「はじめてのKP法」。子どもたちがやっているのを見たことはあったのですが、自分で作ってやったのは初めてです。
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 ところが…僕は実はぶっちゃけ…
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 でも、研修でICT導入に気分がのっていない先生に、「まずはやってみましょう?」とおすすめしている立場なので、ここは…
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 そこで、KP法のいいところ!
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 まずは、こちら。
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 KP法は、表現が自由です。文字の大きさ、文字の雰囲気も自由に決められます。飾りをつけたり、いろんな色でカラフルに飾ったりもできます。自由ですね!

 それから。
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 絵だって、自由自在に描けちゃいますからね。まあ、ここまでに1枚の絵も描いてませんけど…。

 それから、前のページだって見えちゃいますから、一覧性があっていいですよね。
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 …と、いいところを探してみたんですけども。
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 今度は、「のれない理由」を考えてみました。まずは…
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 正直、字が汚くて、手書きをなるべく少なくしたいと心の底から思っています(笑)前に勤めていた塾でも、研修では「板書が汚い」と言われていましたからね。

 次に、絵が下手だ。
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 これ、鹿です。わかります?でも、「in 奈良」って書いてあるからわかりますけど、まあイラストとして授業で使えるレベルにはありませんね。

 そして、実は僕は意外と…と、気づいたことがあります。
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 PowerPointが好きだな、と思いました。社会人として仕事をしてきて、ずっと使ってきている、というのもありますけど、何というか、自分のスタイルにあっている。というか、PowerPointに合わせて自分のスタイルを作ったのかもしれませんが。

 たとえば、さっき「いいところ」で、前の紙芝居が見られること、というのを書きましたけど、それだってPowerPointで工夫をすれば、こんな感じにできるじゃないかと思ってしまうのです。
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 1つ目の理由、2つ目の理由と順に表示して、最後の3つ目をこれから説明します、というときに、そのタイミングでクリックをして表示する、これはデジタルの強みで、そうして視線までコントロールできることが、便利だと僕は思うのです。

 …と、ここで、気付きました。
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 僕は、PowerPoint大好きですが、きっと児童生徒の中には、僕が「PowerPointの方がいろいろできるのに、KP法ならちょっと苦手だな」と思っているのと逆に、「タイピング嫌いだし、好きなようにイラストは描けないし、ちっともおもしろくない」と思っている子もいるのではないかな、と。
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 だとすると、必要なのは…
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 プレゼンテーションで大切なのは、「人に伝わるプレゼンテーションができるか」ということであり、そのためにPowerPointを使っても、KP法を使っても、どちらでもいいよ、と言ってあげられる教室を作りたいな、というふうに思いました。

まとめ

 今回、KPをやるときには、最初にテーマからキーワードを書き出して、それをワークシートでミニKPにまとめて、順番を変えたり、紙芝居の作り方を考える…というふうに進めていきました。
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 これって、普段PowerPointを使ってやるのとまったく変わらないのです。いつもの作業。だから、実はPowerPointでもKP法でも、子どもたちに伝えられるエッセンスはそう大きくぶれないのかな、と思いました。だとすると、キーボード入力などでちょっと苦労をする児童生徒には、KP法を使ってもいいよ、と教えてあげたほうが、全体の質は上がるのではないかな、と思いました。

(為田)