教育ICTリサーチ ブログ

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i和design Final Presentation 取材報告 No.4(2016年3月12日)

 3月12日に多摩市立愛和小学校のi和design Final Presentationに参加してきました。午前中に公開されていた授業と、午後に行なわれた研究発表会の様子をレポートしたいと思います。

成果発表

 午後は、第40回パナソニック教育財団特別研究指定校 東京都教育委員会 言語能力向上拠点校 研究発表会でした。最初は、才記先生による成果発表でした。
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 さまざまなことが語られましたが、明言されていた「タブレット端末は子どもを「学び」の主語にするツール」というメッセージが非常に心に残りました。タブレット端末が「先生が教えるためのツール」としてではなく、「児童が学ぶためのツール」だというふうに考えれば、どのような使い方をするべきなのかという評価軸も変わってくるように思います。
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 実際、愛和小学校の先生方はこの観点でタブレットというものをツールとして位置づけていて、どんどん新しいツールを使っていっています。クラウドの教育プラットフォームも実証研究で数値が出ている学校のなかでは、愛和小学校がいちばん使っていると言います。
 「とにかく使い倒してみる」という松田校長の思想が、先生方を突き動かしているのだと思います。今でこそ、愛和小学校のICT導入成果は有名ですが、最初から順調だったわけではないと才記先生は言います。
 才記先生は、4期に分けて歩みを伝えてくれました。1期(2014年4月~10月)はFumbling、2期(2014年11月~2015年5月)はConfusion。ICTを使えば使うほど疑問が出てくる時期だったといいます。ICTに効果はあるのか?そして3期(2015年6月~10月)には、Can see the light。デジハリ大学の佐藤先生の言葉により、「教育から学びへ」というキーワードを手にし、いま4期でFocusしてきていると言います。

 この2年間で11回の研究授業を行なったそうです。学内に見学者や協力者が訪れ、授業を見学し、授業を一緒に作り、ということをしながら腕を磨き、今では学外に先生方が出て、プレゼンテーションをしたり模擬授業をしたりということをしています。こうした試みが、どんどん愛和小学校の先生方を鍛えていったのだと思います。
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 この2年間は、先生方にとっては大変だっただろうなと感じます。多くの実践事例を発信し続けていることは本当に素晴らしいと思います。愛和小学校の実践が、さらに全国に広がり、一人でも多くの子どもの「学び」を変えていけばいいなと思います。

 No.5に続きます。
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(為田)