教育ICTリサーチ ブログ

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学校で使えるクリエイティブデザインアイデア #08: 写真の用途によって、解像度・サイズを変える

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、学校の先生が普段使えるクリエイティブデザイン観点でのアイデアやポイントを紹介していきます。

 今回紹介するのは、写真やイラストなどの画像データの扱いです。学級だよりや、お知らせなどに画像を掲載して印刷したり、授業の提示スライドに画像を使ったり、さまざまな場面で画像データを使うことが多くあると思います。
 そのときに、以下のような画像データによるフラストレーションを抱えたことはないでしょうか。

  • 印刷したら画像が粗くて何の画像だかよくわからなくなってしまった
  • スライドショーに写真をたくさん貼り付けたらファイルが重くなりすぎてしまった
  • 画像データをクラウドにアップしようと思ったらできなかった
  • 画像データを貼り付けたファイルを開くときに読み込みに時間がかかりすぎる

 画像データは、印刷用のものとスクリーンやモニターなどで見せるものとで、根本的に使い分けるべき点があります。それは、解像度です。
 解像度とは、画像における1インチあたりの画素(ピクセル)の密度を示す数値のことです。画素の密度が高ければ高いほど、解像度も高くなり、より詳細できれいでなめらかな画像となります。逆に、低ければ低い程、解像度も低くなり、粗くドット絵やモザイクのような画像となります。一般的には、印刷用の解像度は350dpi、スクリーン用の解像度は72dpiが基準値です。

 実際に画像を使って説明します。
f:id:ict_in_education:20160424225619p:plain

 上の写真は、解像度350dpiの幅50mm(689pixel)のサイズの画像ですが、これを72dpiの幅50mmの同サイズにすると、下のような画像になります。
f:id:ict_in_education:20160424225632p:plain

 同じサイズでも、1インチあたりのピクセル数が異なるので、粗くなってしまうのです。(下の写真の幅のピクセル数は、142pixel)

 上記のように、72dpiは、350dpiに比べて粗いのがわかるかと思いますが、これで印刷すると、当然粗くぼやけた画像になってしまうのです。モニター上では粗く見えなくても、モニターで見ているサイズが実寸大ではないので、印刷すると粗く見えることもあります。

 プロのデザイナーは、Photoshopなどで解像度を変えて使い分けていますが、Photoshopがない場合は、以下のような対応をするといいかと思います。

  • デジカメで撮影するときは、いちばん画素数の高い設定で撮影する。
    • 画像を、印刷で使う予定は一切ないという以外は、メモリの容量を確認しつつ、いちばん大きい画素数で撮影することをオススメします。スクリーンで見せる用で撮影した写真を、印刷でも使いたいとなったときに、解像度の低いデータしかないと、対応ができません。解像度の数値自体を高くすることはできますが、画像が詳細にきれいになることはありません。
  • スキャナで取り込むときは、解像度を350dpiに設定して読み込む。
    • スキャナの場合も、上記と同じ理由で、印刷用でも使えるように設定して読み込む方がいいでしょう。
  • 素材サイトからダウンロードするときは、大きいサイズの画像をダウンロードする。
    • こちらの場合も、上記と同じ理由で、印刷用でも使えるように設定して読み込む方がいいでしょう。
  • スクリーンやモニターで見せる場合は、ペイントで画像サイズを小さくする。
    • 解像度の変更は、パソコンに既定インストールされているアプリケーションでは変更できないので、ペイントを使って、画像サイズ(ピクセル)を小さくすることで、対応できます。
    • 参考サイト: [Microsoft]ペイントを使用して画像のサイズを変更する

windows.microsoft.com



(前田)