フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。
今回は、写真とPowerPointの機能を使って、自分が感じた色味と実際の色味の違いをわかりやすく体感できる方法を紹介します。
あまり絵が得意でない、または、下書きまでは良かったのに絵具で色をつけると微妙になったという人の多くは、絵具を使う際に、チューブから出したそのままの色を使っていたり、影の部分に黒を使っていたりと、実際の色をよく観察していなく、固定観念で見てしまっていることがあります。そこで、自分が感じた色味と実際の色味のギャップを体感させることで、よく観察することを促すようにします。
授業前準備
- モチーフの写真を撮影する。
- PowerPointを起動して新規作成で白紙のレイアウトにする。
- スライドに、1の写真を挿入する。
- 写真の右側に、四角形の図形を4~8こ程度作成し、以下のように色をつけて配置する。四角形の横に、「自分がえらんだ色」「じっさいの色」というテキストボックスを配置する。
- テンプレートとして保存する。
授業の流れ
- PowerPointを起動して、上記テンプレートを開く。
- 写真の中のどの部分の色を選ぶのか指示する。(PowerPointの図形で指示するか、プロジェクタをホワイトボードなどに投影していたら、ホワイトボード上に書き込んで指示する)
- 児童生徒は、指示された箇所の色がどの色か考え、「自分がえらんだ色」の隣にある図形を選んで、リボンの「書式」タブの「図形のスタイル」グループにある「図形の塗りつぶし」で「その他の色」をクリックし、「ユーザー設定」タブの[色]のところで色を選び、「OK」をクリックする。
- 次に、すぐ下にある「じっさいの色」の隣にある図形を選んで、リボンの「書式」タブの「図形のスタイル」グループにある「図形の塗りつぶし」で「スポイト」を選び、指示された箇所をクリックする。
- 同様に、他の箇所についても指示を出して、「自分がえらんだ色」と「じっさいの色」の図形の色を変えて、ギャップを確認する。
同じものでも、撮影する場所、角度、光の向き、光の強さ、光の種類、カメラからの距離によっても、色が微妙に異なるので、そういったところも注目させて、同じ色でも幅があることやさまざまな要素によって色が変わることを指摘するといいでしょう。
(前田)