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プログラミング教育必修化ー学校現場はどう対応する? 取材レポート 小中交流会@小金井市立前原小学校(2016年6月13日) No.2

 2016年6月13日に、小金井市立前原小学校(松田孝校長)を訪ね、学校で行われる“小中交流会でのプログラミング授業とそれを巡る協議会”を取材させていただきました。この小中交流会は、前原小学校の近隣の小中学校の先生方を招いて、授業公開、分科会でのディスカッション、全体会を行うというものでした。

 第2回は、授業公開された4年生の授業の様子をレポートします。4年生でプログラミングの授業を行うのは今回が初めてだそうです。4年生の授業では、Scratch Jr.を使って授業を行なっていました。
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 見学の先生方が驚いていたのは、Scratch Jr.の操作説明を動画でみんなで一緒に見ていったことです。ここでは、先生が一つ一つの作業・操作を説明せず、Scratch Jr.のチュートリアル動画を教室でみんなで見るだけで説明としていました。
 この動画を見ている途中で、子どもたちは「すげー!やりたい!」と盛り上がります。
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www.youtube.com

 動画をすべて見終わった後で、先生が「どう?なんとなく、やり方、わかった?」と訊くと、「わかった!」と返事をする子どもたち。見学の先生方は、「えー、本当?」と笑っていましたが、実際に一人1台iPadを取り出してやってみると、きちんとみんな命令となるブロックを組み合わせて作っていきます。
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 授業の途中には、先生は何人かの児童のiPadを借りてモニターにつなぎ、どんなものを作っているのか作品紹介をしていました。こうして、クラスメイトがどんなものを作ったのかがわかることで、「僕も、あれやってみたい!どうやったの?」とクラスメイトから教えてもらうこともできると思います。
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 前原小学校のプログラミングの授業での印象は、先生方が「教える」というのではなく、子どもたちと一緒にプログラミングを学び始めている、ということでした。先生方は「教える」というよりは、一緒にプログラミングという新しいスキルを学ぶ大人、という感じでしょうか。

 圧倒的に楽しそうな教室で、少し気になったのは、「この授業の目的を何に置いているのか?」「初めての子どもでも、ここまで簡単に入っていけるだろうか?」というところでしょうか。こうした疑問については、この後の分科会でも話し合われることになりました。

 No.3へ続きます。
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(為田)