教育ICTリサーチ ブログ

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常翔学園中学校・高等学校 授業訪問レポート No.3(2016年6月24日)

 2016年6月24日に、常翔学園中学校・高等学校を訪問し、授業を見学させていただきました。ICTを活用している授業の様子をレポートしていきたいと思います。
 第3回は、高校1年生の総合的な学習の時間、キャリア教育の授業をレポートします。

 この授業では、教育と探求社のクエストエデュケーションプログラムを導入しており、この日の授業でも、グループに分かれてそれぞれミッションについて考えているところでした。担当の先生は、各グループのリーダーを集めて、今日の授業でどんなことを行うのかという方針を伝えます。それをリーダーはグループに帰り、グループメンバーに伝えます。こうしたアクティビティが入ることで、リーダーシップとフォロワーシップを養う狙いもあるのかなと感じました。

 キャリアの授業が行われているのはコンピュータ教室です。最終的にプレゼンテーションを行う授業なので、PowerPointなどICTを使ってプレゼンテーションをまとめていきますが、まだ現状では、みんなでアイデアを出しあい、それをまとめる。広げて、深める、ということをしている段階です。グループごとに付箋を使い、それを模造紙に貼って、分類するという作業をしていました。

 テーブルの上だけでは収まらず、床まで広げているグループもありました。こうした活動ができるのは、ディスプレイのサイズに規定されてしまうICTではなかなか難しいところだと思います。初期はこうして紙を使ってアイデアを広げて、まとめていくときにはICTを使っていく、という活動になっていくのだと思います。

 教室には、各グループが作成した模造紙が畳まれています。これだけの量をまとめあげていく、という体験ができる授業は貴重だなと感じます。
 すべてが紙になってしまうと、持ち歩くのは大変だし、「どこに書いたっけ?」と探さなければならないので検索性も落ちます。ですが、紙でこうして積み上げたからこその何かもあるような気がしています。「これだけやってきた」という自信になる、というのもいいところですね。

 今後の生徒たちの頑張りが楽しみです。

 ところで、このキャリアの授業で、グループワークになったタイミングで教室には洋楽のポップソングが流されました。先生に話を聞いてみると、「非日常の演出。キャリアの授業は、普通の授業とは違う、ということを生徒にわからせたい」とのことでした。みんなでワイワイとアイデアを出すのであれば、音楽が少しかかっているくらいのほうがいいかもしれませんね。こうして日常を少し壊した環境を作ってあげる、というのも、常翔学園のキャリアの授業環境づくりのひとつの形なのだなあ、と感じました。

 No.4に続きます。
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(為田)