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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

財務省の「教職員定数の見通しに関する試算」

 先日書いた、教職員の定数と予算削減の話ですが、財務省のサイトで教職員定数の見通しに関する試算 : 財務省を読むことができます。
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 財務省としての試算がしっかり書かれています。

 今後、少子化の進展により、平成36年度までに子供の数は94万人、クラス数は2.1万クラス減少する見込みである。減少するクラス数に応じた基礎定数を義務標準法に従って算定し、また、加配定数の割合を現在の水準に維持することで、「10クラス当たり約18人の教職員」という現在の教育環境を継続させるとすれば、教職員定数は約3万7,000人の減少となる。〔資料Ⅱ-4-1、2参照

 なお、こうした試算は、小学校、中学校、特別支援学校それぞれの児童・生徒数、クラス数の今後の見通しに基づいているものである。例えば、今後増加が見通されている特別支援学校については、クラス数の増加(平成36年度までに1,800クラスの増加)に合わせ、教職員数も約3,800人増の配置をする試算となっている。

 こうした試算は、あくまで現在の教育環境を維持する場合の試算であり、「機械的削減による教育条件の悪化」などの批判は当たらないものである。むしろ、児童・生徒数100人当たりの教職員数で見れば、平成27年度の7.2人から、平成36年度には7.5人へと増加することとなる。これは、児童・生徒の減少ほどクラス数は減少しないことに基づくものである。

 あらかじめ、言われるだろうと思っている「機械的削減による教育条件の悪化」という批判は当たらない、と書かれているんですね。でも、「機械的削減」というのは結局「子どもが減った→先生を減らします」という機械的削減ではないけれども、「子どもが減った→クラス数が減る→クラス数に応じた先生を減らす」とクラス数を間に入れているだけであって、財務省が言う「教育条件」とはクラスあたりの先生の数ではなく、他の変数もありえるのではないかという考えは見られません。


 と思って読んでいたら、文部科学省の方でも、小中学校の児童・生徒の教育条件の改善の観点からの反論というのをしています。

 更に今後、少子化の進展に伴い学校統廃合の加速が見込まれる。学校数は直近5年間では小学校で毎年250校以上、中学校で毎年50校以上のペースで減少しているものの、全国の公立小学校の46.5%、公立中学校の51.6%が未だに学校教育法施行規則等で定める学校の適正規模(12学級以上18学級以下)に満たない学校となっている。これを踏まえ、文部科学省では、小中学校の児童・生徒の教育条件の改善の観点から、平成27年1月に「適正規模・適正配置に関する手引」を策定し、適正規模や適正配置についての各地方公共団体の取組を促すとともに、従来の通学距離の基準(小学校4㎞以内、中学校6㎞以内)に加え、スクールバスの利用等を踏まえた通学時間の基準(概ね1時間以内)を提示することで、更なる統廃合の環境整備を行っている。こうした取組により、今後更に学校統廃合が進んでいき、クラス数の減少も加速していくものと考えられる。

 文部科学省は、「小中学校の児童・生徒の教育条件の改善の観点から、平成27年1月に「適正規模・適正配置に関する手引」を策定」と書かれています。「教育条件」の定義って、この適正規模・適正配置に関するもの以外はないんですかね。
 例えば、「教師が子どもと向き合う時間」とかは教育条件になりうると思うんですよね。事実、中教審で話し合われていたこともあるようだし。ただ、何時間くらい確保すべきで、いま現状は何時間で…というのを「それは測れない」と言うのではなくて、測る努力はしてみたらいいのではないかとは思います。さまざまな指標があるし、メソッドもあるかと思うので、しっかり測ってみればいいと思います。


 教育条件というのは単純に人数比率だけの問題ではないと思うのです。全国学力調査と全国学力学習状況調査だって、こういった予算に関わる試算にもっと使えばいいと思います。

 文部科学省側も、数字を用意しましょう。「もっと教育に予算をかけなければならない」ということを納得させる数字を用意しましょう。
 財務省側が数字で考えるのは仕事です。そして、無尽蔵に予算があるわけではないので、大事な仕事です。何でもかんでもお金を出すよりは、エビデンスにうるさいくらいの方が安心です。むしろ、文部科学省側の方が、もう少し数字を作るべきではないかと思います。前にも書きましたが、教育の成果として、測れるものと測れないものがあると思うので、測れるものを測りましょう。官学共同でもいいので、数字を作るのは難しいのですかね…。
www.mof.go.jp

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 ところで、これ、ディベートのテーマとかにしたらおもしろそうですね。財務省文部科学省に分かれてとか…。

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教育ICTの話がまったく出てきませんが…(笑)、きちんとした学校があってこそのICT導入だと思っていますので、まあたまにはこういうのもいいかな、と。


(為田)