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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

授業レポート「楽しみながら夢が見つかる夢探検マップ講座」 No.1(2016年11月5日)

 11月5日(土)に、横浜市立荏田南中学校で行われた、一般社団法人日本ゆめ教育協会による出張授業「楽しみながら夢が見つかる夢探検マップ講座」を見学させていただきました。今回は授業参観後の時間に、PTAの企画による特別授業としての開催。事前に希望者を募り、有志生徒が参加しました。生徒だけでなく保護者と先生方、また近隣の小学校からPTA役員も参加しての開催となりました。
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 参加したのは、中学校1年生8人と中学校2年生10人の合計18人。ファシリテーターは、元・中学校の教員である藤本氏。授業中はニックネームで呼ぶので、ふじもん先生です。また、サポートに日本ゆめ教育協会から2名が来ていました。
 ファシリテーターの着ているポロシャツには、「GOOD! CLAP! SMILE!」の3つの英単語が書かれています。授業の最初に、ファシリテーターからこれらの言葉についての説明がありました。GOODは、「せーの…」の言葉にあわせて、みんなで親指を立ててサムズアップし、元気よく大きな声で「いいね!」。これが、みんなで声が揃うととても気持ちいい。CLAPは、さまざまなことにみんなで拍手をしていきます。発表が終われば拍手、発表しなくてもみんなでがんばって書き込みをしたら拍手…そうしてどんどん教室に一体感が出てきます。そして、SMILE(笑顔)で授業が進んでいく、そうしたルールでこの授業に参加してください、ということが冒頭にきちんと説明されます。
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 ポジティブな雰囲気を作り出すために、3つの英単語を言い、それを生徒に伝えて価値観を(最初は無理にでも)共有していくということは、このようなワークショップでは本当に大切なことだと思います。
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 自己紹介とアイスブレイクをした後で、ワークシートを使ってのアクティビティが始まります。最初は、好きなことゲーム。「好きなこと・もの」「欲しいもの」「やってみたいこと」にそれぞれ60個のマスがあり、ここに書けるだけ自由に書き込んでいきましょう、というもの。制限時間があります。「好きなこと・もの」と「欲しいもの」は1分、「やってみたいこと」は2分でした。
 僕も実際に参加してみましたが、「好きなこと・もの」は書けるのですが、「欲しいもの」は意外と書けない、ということに気づいてしまいました。生徒たちは総じて、僕たち大人よりも書けていました。
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 生徒たちのなかで、たくさん書けた生徒には発表をしてもらいます。1分間で20個以上書けるのはすごい。読み上げられる一つひとつの「好きなこと」や「やりたいこと」に、教室全員で「いいね!」とサムズアップして承認していきます。とても良い時間だと思います。そしてこの、教室全体で誰もがお互いに承認していくムードがずっと続くのが、この授業の最大の特徴ではないかと思います。

 その後、夢探検マップを書いていきます。好きなことゲームで書いたさまざまな項目を素材として、思いついた項目を書き加えていきます。何を書いてもいいので、どんどん広げていくことができます。教室の前のモニターで、例えばこんなふうに、自由に広げていけばいいんですよ、とサンプルを見せてくれたので、イメージしやすかったのではないかと思います。
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 ここでも、驚いたのは、生徒たちがどんどんマップを書いていくことでした。例えばサンプルとして、ふじもん先生がみんなに示したとしても、細かくは見えないと思うのです。実際に、「ああ、あんなことでも書いていいんだ」というふうに敷居を下げて、書こう!というモチベーションを高めることが必要なので、このようにモニターで例を実際に見せられるのは非常に効果的と思いました。
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 次にそれぞれの夢探検マップをグループ内で回して、3つ以上の「いいね!」「気になる!」というところにマークを付けていきます。4人グループだったら、自分以外の3人からのマークがついて、自分のところに戻ってきます。グループの友達の夢探検マップを見ることと、友達の視点からのマークを見ることで、発想はさらにひろがります。ここで、マップを再び書き進めてマップを広げていきます。
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 夢探検マップで自由に拡散した後は、収束のステージ。ゆめまとめシートに「夢・叶えたいこと」を夢探検マップからピックアップし、その理由についても書きます。最後にひとつを選び、それを色紙に書いて発表する、そのような流れで授業は進んでいきます。
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 最後の夢発表のプレゼンテーションも、今回は全員。発表内容についても、ある程度のテンプレートがあるので、テンポよくプレゼンテーションができます。一人ひとりの発表に対し全員で「いいね!」と承認をしていくことがとても良いと思いました。
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 最後に、ふじもん先生から、「夢が変わることだってOK」「今日発表した夢に縛られる必要もない」とのメッセージ。この教室では、「何をしたい」「何になりたい」という夢について、誰も否定をしない、みんな一人ひとりを認めて、応援しているよ、という暖かい空気感を全員で出せるのは、この授業を通じて、ファシリテーターの3人が一貫して承認の関わりのなかで安全な場を創りあげ、その中に生徒たちをどっぷりと浸けてきたからだと思います。英語で言うイマージョン教育と同じです。ポジティブな空気、大人からの承認に溢れた教室空間を創ること。これこそが、この出張授業のいちばんのポイントだな、と感じました。

 No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)