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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.2 (2016年11月10日)

 11月10日に京都教育大学附属桃山小学校を訪問しました。朝の時間からずっと、木村明憲先生が担任をされている、4年2組の教室で授業を見学させていただきました。今回は、算数の授業をレポートします。

実況中継:算数

 1時間めは、算数の時間でした。授業の最初に、木村先生は、前時にやったことを児童に確認をします。あてられた児童は、実物投影機を使って説明をしてくれました。
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 何人かが前に出て前時の解説をしてくれた後で、「“(グラフを使うと)くっきりわかりやすいけど、細かい数字がわからなくなる”というのがグラフの特性であり、これを知っておくことが大事だったね」と木村先生が前時を振り返ります。

 その後、この時間での内容に入ります。木村先生は、教科書のページを実物投影機でモニターに投影し、それをもとに考えるという活動を行いました。前に教科書の内容は投影されているので、「教科書は開かなくていいよ」と言い、全員が前を向いて授業に取り組みます。
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 投影されている教科書の問題文の中に、「おたずね文がないね」ということをみんなで確認した後、「君らなら、どんなおたずね文を作りますか?」と木村先生は発問しました。
「まとめていくらですか?」
「がい数で計算しましょう」
「プリンターは値引きされています…」
など、さまざまなおたずね文が児童たちから出てきますが、正しかったのは「代金が何万何千円になるかを答えましょう」でした。そうして、また新たな箇所を実物投影機で映し出します。
 はるかさんの考え方(概数にしてから計算する)と弟の考え方(計算をしてから答えを概数にする)を比べます。「比較だね」と木村先生が言うと、何人かの子どもたちが「ベン図だ!」と言いました。京都教育大学附属桃山小学校オリジナルのMCカード 4年を見て考えてます。そこには、さまざまなシンキングツールが書かれています。こうしてシンキングツールを設定してあることで、「どう考えるのか」ということが明確になっていると思います。まずはさまざまなシンキングツールを知り、使い慣れてくると、「どれを使えばいいか」というところが自分でできるようになってくると思います。
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 比較して考えるということを示してから、木村先生は「4分でノートを書いて、3分間、「交流をしましょう」と言って、隣の人と話し合う時間を作りました。まずはノートを書いていきます。教科書を開かず、自分で考え、ノートにまとめていきます。
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 ノートを書き終わったら、交流です。教室のあちこちで、「あたしはこう考えた」という意見交換が行われます。ノートを見せ合うというのもありますし、教室の前に映し出されている問題文のところで話し合う子たちもいました。教室の中は自由で、意見を発表し合い、お互いを尊重して共に考える空気になっていきます。こうして書くと簡単ですが、“この空気を作ること”こそが大変です。1学期から、ずっと続けてきたからこそできることではないかと思います。
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 交流の時間が終わった後で、木村先生は「算数は計算を早く正確にしなくてはならない」ということを言ったうえで、「では、弟の考え方をしますか?はるかさんの考え方をしますか?」と問いかけました。教科書では、概数にしてから計算をする方を薦めていますが、そうした部分も、どちらがいいか、またそれはなぜなのか?を子どもたちに考えさせているのが印象的でした。
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 「自分は計算が得意だから…」と概数にせずに計算したい子もいますし、逆に「計算が苦手だから簡単な数字で…」と概数にしてから計算したい子もいます。計算を道具として使えるようにするという意味では、こうして自分だったらどちらの考え方を使うか?という問いかけは非常に意味があることだと思いました。シンキングツールと同じで、「これを使う」「このやり方をする」と自分で選べる子を育てることは非常に大切なことだと、算数の授業を見学しながら思いました。

 No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)