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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

古河市立上大野小学校 授業訪問レポート No.1(2016年9月27日)

 2016年9月27日に、茨城県古河市を訪問し、小学校と中学校でのICTを活用した授業を見学させてもらいました。

 見学させてもらったのは、古河市立上大野小学校。この小学校には、メディアラボという教室が設置されています。そのメディアラボで行われた授業を見学させていただきました。担当するのは、古河市エヴァンジェリストである、薄井先生です。

 まず目に入るのは、メディアラボで使っている机が、エルゴトロンのスタンディングデスクであること。20台が配置されています。最初は教室の隅っこに固めて置いてありますが、授業が始まるタイミングで、子どもたちが自由に持ってきて、グループごとに分かれて作業をするための環境を自分たちで調整していきます。
 机の高さを自由に変えることができるので、椅子に座ってディスカッションをするグループもありますが、立ったままディスカッションをするグループもあります。1人1台のiPadを持っているので、1人ずつで作業をしているときには座って椅子に向かっていますが、全員で1台のタブレットを覗き込むときには机を動かしてみんなが見やすいようにするなど、活動に応じて子どもたちが自由に学ぶ環境を作っていく様子が印象的でした。
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 自由な教室レイアウトと、学習環境設計が自分たちでできるというのはすばらしいと思いました。毎回、自分たちで教室を作っているような感じになっており、こうした経験ができるのは素晴らしいと思いました。
 また、意外と立って作業をしている子も多かったのも印象的でした。それぞれ考えやすい、作業しやすい姿勢というのが各自にあるのだろうなと思います。
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 先日のセミナーで輪読した、「GET ACTIVE」で書かれていた、教育環境を作る、学校の環境を作る、ということの大切さに通じる体験でした。
blog.ict-in-education.jp
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 クラス全体に対する説明をするときには、ホワイトボードの前にみんなで集まります。このようにいろいろな形で授業ができる教室があることは、先生方の授業設計に自由度を加えるものだろうな、と思います。
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 今回の授業では、鎌倉へ行くフィールドワークでのグループ行動について考えるものでした。
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 鎌倉の地図をGoogleで検索して、その上に所要時間を「5分」と手で書き込んでいる子もいました。どれくらいの時間がかかるのかを考えて、どういった行程で回るのかをグループで考えていきます。
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 メディアラボでの授業の間、子どもたちは自由にiPadを使っていることに驚きます。デジタルの地図で、経路検索なども自由にします。歩いて何分というのもその検索結果を元にして考えています。
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 デジタル地図だけでなく、紙の地図も広げて話し合いが進んでいきます。デジタルとアナログの両方を行き来しながら活動をする様子は、まさに将来のキャリアにそのまま繋がるものだと思いました。こうした学習体験を原体験に持つ子どもたちが社会に多く出てくることで、働き方が加速度的に変わっていくだろうなと思います。

 なにより、こうした自由な環境づくり、自由にネットにアクセスする、そうした環境を作り、維持している学校、先生方の努力が素晴らしいと思います。特に、最初は「そんなことをして大丈夫だろうか?」と思ったこともあっただろうと推測します。焦らず、少しずつ慣らしていって、子どもたちを信じて任せて、学ぶ環境を整備していくこと。単純ですが、簡単なことではないと思います。
 こうして積み重ねていった古河市のデジタルを使った教育環境が、子どもたちに与える影響は計り知れないだろうなと思いました。


 No.2に続きます。
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(為田)