教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

新潟大学教育学部附属新潟小学校 授業訪問レポート No.2 (2017年1月17日)

 2017年1月17日に、新潟大学教育学部附属新潟小学校を訪問し、6年生の授業を見学させていただきました。日本デジタル教科書学会の会長でもある、片山敏郎先生 のクラスを見学させていただきました。

調べた内容をまとめていく

 各自で調べたことをとりまとめて、グループの発表を作るときにも、「じゃ、イーレポでまとめる?」「色は?」「青で」「みんなそれぞれ書いて、まとめるのでいい?」というふうに、個人作業をしつつそれをグループにまとめていくという作業がされていきます。個人個人で作業をしているのに、自分の作業だけに没頭してしまうのではなく、グループ内でのディスカッションや方向性の確認などが適宜行われているのが特徴的だと感じました。
f:id:ict_in_education:20170121181830j:plain

 グループ活動で、個人で調べる活動をしてから、それを集団に持っていってまとめる、というのは意外と難しいです。どうしても一人が全部まとめるかたちになってしまったり、ページごとに方向性があまり統一されていなかったりすることも多くなりがちです。
 そうした点について、片山先生に訊いてみると、新潟大学教育学部附属新潟小学校が独自に設定している学びの基盤の資質・能力の中に、「協働性」があるのだそうです。協働性を育むためにカリキュラムが設計されているために、こうしてグループワークの中での協働が行われているのだろうと感じました。
f:id:ict_in_education:20170121182002p:plain

http://www.fuzoku-niigata.jp/contents_new/ytk-collab.html


 グループに分かれて、調べる活動が始まりました。グループの中でされているやりとりが非常におもしろいです。マインドマップは、一人1つずつ書いているそうです。それとは別に、グループのマインドマップもあるそうです。そして、グループで話し合いをするときには、グループのマインドマップを更新していく方法をとります。グループによって、誰かのマインドマップをベースにすることもあるし、オリジナルにマインドマップを作ることもあるし、グループによって進め方はさまざまだそうです。
f:id:ict_in_education:20170121182130j:plain

 マインドマップを単元の最後に振り返ってみることで、最後に情報を俯瞰できることが良さだと片山先生は言います。どういった俯瞰をさせるのか、どうやって集めた情報を組み合わせて深い学びに導くのか、単元計画を作り、1時間1時間終わるごとに、授業計画を見直しながら進めているそうです。

 授業のまとめに、一人の児童が発表をしてくれました。このときに、手元にある自分のiPadを手に立ち上がり、自分の席の所でプレゼンテーションを始めました。すぐに片山先生から「映せる?」と言われ、「はい」とAppleTVで自分のiPadの画面を電子黒板に投影して、プレゼンテーションを続けてくれました。すらすらとこうした活動ができるのがすごいと思います。もうiPadや電子黒板がツールとしてクラスに根付いていると感じました。
f:id:ict_in_education:20170121182241j:plain

 この後、もう1時間、調査をして、そこからプレゼンテーションへと進んでいくそうです。ここから、どのようにテーマを深めていくのか、非常に楽しみです。

 No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)