教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

【小学校の先生向け】漢字の指導についてのアンケート結果レポート 前編

 漢字の指導方法について、小学校の先生方に向けてアンケートをお願いしておりましたが、その集計結果をレポートします。いつもながら、Googleフォーム便利です。
blog.ict-in-education.jp

 最終的に49件の回答をいただきました。本当にありがとうございました。

授業で漢字を最初に教えるときに重視して、きちんと説明していることを教えてください。(あてはまるものすべて)

 最初の問いは、「授業で漢字を最初に教えるときに重視して、きちんと説明していることを教えてください。」というものでした。書き順は正式なものではない、とめ・はね・はらいなども厳しく指導しなくてよい、などと言われているものの、実際には学校の授業ではきちんと指導されているように思えて、実情を知りたかったというのが動機です。実際、小学4年生の息子の漢字練習の宿題では、厳しい指導がされていることも多いです。
 結果は以下の通りになりました。とめ・はね・はらい、書き順、文字の形については、80%以上の先生方が重視してきちんと説明しているという結果となりました。

  • 文字の形 39件(79.6%)
  • とめ・はね・はらい 43件(87.8%)
  • 書き順 41件(83.7%)
  • その漢字を書いていると分かればいい、細かく指導しすぎない 2件(4.1%)
  • その他 3件(6.1%)

 「その他」の回答であったのは、以下のようなものです(1つの回答にあったものを、読みやすくなるように分割しました)。

  • 似た形の漢字、部首
  • 画数
  • 読み方
  • その漢字を用いた熟語と文
  • 関連する意味(漢字の苦手な子は、比較的、視覚の弱い子であり、ひたすら練習でアウトプットを練習しても、インプットが足りないと考えます。そのため、どんな意味があるか、他のどんな字と関連するか、成り立ち、などを教えてあげると覚えやすいようです
  • 間違えやすい他の字との違いや、間違えやすい点(横画の長さや出る出ないなど、例:士と土、用や通

 用例や文と合わせて説明したり、間違えやすい点の注意などを説明することで、理解を深めることもできるかと思います。
f:id:ict_in_education:20170531051110j:plain

漢字にはたくさんの読み方がありますが、どこまで授業で「教えたい」と思いますか?(実際に「教えているか」とは別に)

 国語の教科書を見ると、巻末の漢字一覧のところには、音読みと訓読みを合わせると、多くの読み方とその用例が書かれています。ですが、教科書の単元ですべての読み方が出てくるわけではありません。国語教科書の編集部の方から、「小学校2年生までは、教科書本文で出てくる漢字のみを習ったものとする。小学校3年生からは、本文で出てこない読み方も、“漢字には別の読み方もある”として習ったものとする」と聞いたことがあります。が、実際に先生方は授業の中でどこまで「教えたい」と考えているのかを訊いてみました。

  • 教科書の本文で出てきた読み方のみ 0人
  • 教科書の本文で出てきた読み方のみ出てきた読み方と、ドリルやワークなどに出てくる読み方の両方 24人
  • 教科書の本文で出てきた読み方だけでなく、巻末・欄外に出てきている読みすべて 21人
  • その他 4人

 「その他」でもらった内容については、国語の授業の中でどんな指導をしたいのか、ということと紐付いた答えも見られました。

  • 新聞等、メディアに使われる漢字
  • 児童の負担にならない程度に、その学年で読めるようになってほしい読み方の他に、こんな読み方もあるんだよと興味づけを図る意味で教えています。
  • 子供たちの知識の偶然の出会い分。
  • 熟語等の特別な読みを含めたすべて

f:id:ict_in_education:20170531051726j:plain

漢字にはたくさんの読み方がありますが、実際にどこまで授業で教えていますか?

 一方、実際にはどこまで授業で教えているのかも訊いてみました。

  • 教科書の本文で出てきた読み方のみ 2人
  • 教科書の本文で出てきた読み方のみ出てきた読み方と、ドリルやワークなどに出てくる読み方の両方 29人
  • 教科書の本文で出てきた読み方だけでなく、巻末・欄外に出てきている読みすべて 13人
  • その他 5人

 「どこまで教えたいか」という前の質問と比べると、実際にはそこまでは時間がとれておらず、教科書の本文+ドリルやワークなど副教材で出てくる読み方、という答えが多かったです。
f:id:ict_in_education:20170531051922j:plain

 「その他」の回答については、以下の通りでした。「漢字が好きな児童から出てきた読み方を共有する」という答えなど、担任しているクラス、児童に合わせて変わるというのは当然ですが、先生方の観点が伺えて勉強になりました。

  • 音読み、訓読み、人名としての読み
  • 児童の負担にならない程度に、その学年で読めるようになってほしい読み方の他に、こんな読み方もあるんだよと興味づけを図る意味で教えています。
  • (子供たちの知識の偶然の)出合った分
  • 漢字が好きな子供から、本文以外の読み方で、〜〜な読み方もある、と言われると、クラスでその読み方もあることを共有する。
  • 学年にもよります。上の学年には,すべての読み方を教えます。

「どこまで教えたいか」と「どこまで教えているか」を比較

 比較材料として、「どこまで教えたいか」と「どこまで教えているか」を並べて見られるようにもしてみました。
f:id:ict_in_education:20170531052607j:plain


後編へ続きます。

(為田)