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【木曜新美術館SP】Takram緒方壽人&東大稲見昌彦インタビュー No.2

 YouTubeで、「【木曜新美術館SP】Takram緒方壽人&東大稲見昌彦インタビュー」を見ました。タイトル通り、Takram緒方壽人さんと、東大の稲見昌彦さんのインタビュー2本が収録されています。ほぼ40分の動画ですが、とてもとてもおもしろかったので、メモをしながら聴いていました。
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 No.2では、東大の稲見昌彦先生(稲見・檜山研究室 / Inami Hiyama Laboratory)のインタビュー部分のメモなどを公開したいと思います。

超人スポーツ

 稲見先生が紹介する、「超人スポーツ」という概念が本当におもしろいです。これからのテクノロジーと人間の関係性を考えるきっかけになるように思います。中学校や高校の総合学習などでディスカッションをじっくりやってみたい題材だと思っています。

  • 超人スポーツ
    • 2020年に向けて、人とテクノロジーとポップカルチャーが一体化
    • 人が機器の力を借りて、一緒にプレイできるスポーツへ
    • オリンピックを超えていく可能性もある

 生身の人間にテクノロジーを組み合わせる方法をとしては、例えばARを使ってスポーツをしたり、電動車いすを組み合わせてスポーツをしたり、さまざまな例が紹介されます。
 実際に、岩手で作ったスポーツ「ロックハンドバトル」が紹介されます。
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  • スポーツを作ることによって、スポーツを知ることができた。
  • スポーツは長い歴史を持って、拮抗するようにルールを作ってきた。新しいスポーツを作ると、最初はゲームバランスがめちゃくちゃなので、ゲームデザイナーにチューニングしてもらうと、よりおもしろくなる。それはTVゲームなど、20世紀に元気だった日本の得意な部分。
  • 身体性のあるeスポーツ。
  • 岩手発・超人スポーツ
    • 去年の国体開催県だった岩手県とのプロジェクト
    • まったく新しいスポーツを、つくろう。
  • 岩手大学の学生たちと一緒にハッカソンで作っていった。
  • ロックハンドバトル(Rock=岩、Hand=手)

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 オリンピックを見てもわかるように、スポーツは業界を一気通貫して協力できるイベントです。稲見先生は、超人スポーツを5種くらいからスタートできればと考えているそうです。スポーツの近代五種は、軍事教練がベースとなっています。つまり、必要とされるスキルをスポーツ化したものです。だから、それを情報化した社会で再度組み上げなおしてはどうかと考えているのです。

  • 情報化した社会、高齢化した社会で必要なスキルは何かを考え直して、それをスポーツ化する。
    • 現代の問題に応えるようなエンターテイメントとしてのスポーツ
  • 身体観のアップデート
    • ブラインドサッカーを健常者がプレーしてみるとわかる
    • 人間そのものの機能や存在意義を確認できる
  • 人の行動をアシストする機能は一般社会でも使えるようになる
    • 自動車業界におけるかつてのF1レースの位置付けになるかも?→アクティブサスペンションが民生機に活用されるようになる、など。
    • 普通の人がスポーツシューズを履いている、というようなことにもつながる。
  • 工業化社会から情報化社会に変わった上での、スポーツの新しい形。

 こうしてスポーツの新しい形が生まれると、身体観をアップデートすることにも繋がります。「情報化社会、情報革命においては、まだ身体観は前の産業革命からアップデートされていない」というのが稲見先生の見方です。

  • VRは環境をコンピュータで作るための技術と捉えられていたが、VRは自分の身体をバーチャル化するものではないか。自分自身が変身する。年齢も性別も変える、ということができる。
    • 変身した経験の後、日常に戻っても行動が変わるかもしれない。
    • カラダが変わると、ココロも変わる?
  • リアリティと身体のチャンネルを変えながら、生活していくようになる。
  • テレビのチャンネルを変えるように、現実を変えていけるようになる?
  • お年寄りが離れて孫と遊べるだけでなく、お年寄りが孫と同じ世代に変身して一緒に遊べるということができる社会が来る。

 カラダ(身体)が変わるとココロが変わる、というのは本当にそうだと思います。ICTが普及して、我々の生活は本当に大きく変わってきました。検索機能やメールなどによって認知やコミュニケーションの仕方が変わりました。AIが普及することでまた認知も変わっていくでしょう。
 ですがその前に、ロボットが普及することによって、身体が先に変わっていくのだなあと思います。こうした観点も、中学校や高校の総合学習などでディスカッションをじっくりやってみたい題材だと思った理由です。


◆ ◆ ◆

 稲見先生のインタビューをちょっと聴き始めて、「あ、これは!」と思ったら、『PLANETS-9』で「2020年は「超人オリンピック」への通過点にすぎない」というインタビューが出ていたのを思い出しました。こちらも合わせて読むといいかもしれません。

(為田)