教育ICTリサーチ ブログ

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福生市立福生第五小学校×セサミワークショップ 授業レポート(2017年10月27日)

為田が参加しているセサミストリート日本事務局が展開している、「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」についてのエントリーです。

 2017年10月27日に、セサミストリート「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」の日本チームのプロデューサー 長岡学さん(ニューヨーク在住)と為田が福生市福生第五小学校の3年生の授業に参加しました。
 長岡さんと僕はニューヨークのセサミワークショップのオフィスからの参加でした。福生第五小学校の教室とappear.inでビデオ通話(子どもたちには「テレビ電話」と紹介)を繋いでいろいろな話をしました。福生第五小学校の方では、モニターにiPadを接続して見せてくれていました。
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 セサミワークショップのオフィスには、セサミのキャラクターがたくさんいます。そうしたキャラクターたちを見せながら、またiPad miniで接続していたので、オフィスを歩き回って紹介していきました。この授業を実施したのは、福生第五小学校の3時間目で、午前10時40分~11時25分。ニューヨーク時間では午後9時40分~10時25分で、オフィスにはほとんど誰も人がいなくて静かでしたが、静かなオフィスに「エルモだ!」「クッキーモンスターだ!」と子どもたちの声が聞こえてきて、とてもうれしかったです。

 拝原奈穂実 先生と水島直希 先生のクラス合同での授業でした。最初は、僕らがどこにいるかを知らせずに話をしました。拝原先生の「為田先生たちは、どこにいるでしょう?」という質問に、子どもたちからは「立川!」「東京!」「九州!」「北海道!」といろいろな声が挙がります。「違いまーす。もっと遠くでーす」と答えると、「アメリカ!」「ニューヨーク!」と正解が出てきました。「そう、ニューヨークにいます」と言うと、「ええー、すごーい!」という声が挙がります。ICTで距離が縮まる瞬間を子どもたちに与えることができてよかったです。
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 どこにいるかを種明かししたところで、地球儀にある東京とニューヨークに矢印を立て、距離感を捉える子どもたち。ニューヨークに僕たちがいるとわかった子どもたちからは、「ニューヨークはいま何時ですか?」「ニューヨークでオススメの場所はどこですか?」など、さまざまな質問が投げかけられました。
 福生第五小学校の教室では、実はもう一つモニターが設置されていて、そちらのモニターでは、Google Earthが表示されていました。僕らと子どもたちの話に合わせて、いろいろな場所が表示され、セサミワークショップのオフィスのある、リンカーン・センターのそばのビルも映し出してくれていました。
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 長岡さんがお気に入りだと言って、子どもたちに紹介していたブルックリン・ブリッジもGoogle Earthですぐに見ていた子どもたち。いまや、地図、航空写真で見ることができるだけでなく、3Dで表示することもできます。また、ストリートビューを使えば、実際にそこを歩いているような景色を見ることもできます。こうしたデジタル環境の中での体験が、子どもたちのモチベーションに繋がることもあると思います。ぜひ、子どもたちに自分のiPadで見てもらえたらと思います(福生市の小学校3年生は一人1台のiPad環境を実現しています)。
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 授業の最後の方で、「日本の暮らしとアメリカの暮らし、違うところはありますか?」という子どもからの質問に対して、長岡さんから、「日本はすごいきれいかな、と思います。ニューヨークはけっこう汚いかな。食べ物も違うし。住んでる人も全然違う。日本は日本人ばかり。こちらはいろんな人種がいて、いろんな言葉が話されていて、いろんな文化があります。楽しい。楽しいけど、コミュニケーションというか人と話すのは、違いがあるから大変ですね。でも、楽しいですね」と長岡さんは答えていました。
 アメリカに住んでいる日本人から、こうした言葉を子どもたちに伝えられたらいいな、とまさに思っていたので、本当に良かったと思います。子どもたちにも何かが伝わっていればいいな、と思います。
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 後日、子どもたちが書いてくれた感想を読ませてもらいました。いくつか紹介したいと思います。

 今日はじめて、テレビ電話をしてみた。遠い国と、時間もちがうのに話せるし、顔も見えるからすごいなと思いました。遠くはなれた人と仕事もできるし、遠い友だちともお話ができるからいいと思いました。声だけじゃどんなところで話しているのかわからないから、その人が、つかれているのか、ないているのかわからないから、顔もうつっていてべんりだなと思いました。本当に楽しいじゅぎょうでした。

 こういう、コミュニケーションのどんなところが違うのか、ということに気づくきっかけになれたなら、うれしいです。

 わたしは、テレビ電話という物は知っていましたが、実さいにやったことはありませんでした。
 もし家にテレビ電話があったら、いばらきに住んでいるおばあちゃんと話してみたいです。
 わたしがピアノをひいているところを見せてあげられたり、かいた絵や作った作品を見せてあげることができます。きっとうれしそうにニコニコわらってくれると思います。
 とてもべんりなものだと思いました。しょう来テレビ電話を使うようになったら上手に使いこなしたいと思います。

 こうして、新しいテクノロジー(今回の場合は、テレビ電話)を使って、どんなことができるのか、どんなことが自分の生活の中で変わるのか、実際に例を出して書いてくれているのはうれしいです。

 10月27日にセサミストリートの会社の人と、テレビ電話で会話をしました。日本からアメリカでテレビ電話をしました。すごくすごく遠いのでテレビ電話をできるなんてすごいなー!!と思いました。11月13日に五小に来るよていです。テレビ電話ではなくて、会えるなんて、とてもこうえいだしすごくすごくうれしいし、楽しみです。わたしも、セサミストリートが好きだから、すごく、すごくうれしいです。毎日、あと何日かな~?って考えちゃいます。また会えるのを、楽しみにしています。

 そうなんです、今回のニューヨーク滞在の目的でもあった、「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」の授業をしに、福生第五小学校に11月13日に行くことが決まっているので、そこでみんなに今度は直接会います。テレビ電話の向こう側と話していた感じと何か違うか、訊いてみたいな、と思っています。

 「テレビ電話ってすごーい!」と思いました。どうしてかというと、アメリカのニューヨークの人とも、会話ができ、アメリカの様子も見れるからです。
 テレビ電話でセサミストリートの会社の様子を見て「楽しそうだから行ってみたいなー」と思いました。
 ニューヨークの好きなことやニューヨークのことを教えてもらってべん強になりました。ニューヨークで好きな食べ物を教えてもらい「サンドイッチ」と言っていたので、日本とどうちがうか気になります。ニューヨークのサンドイッチも食べたいです。

 ニューヨークで好きな食べ物を訊かれたときに、「道端のコーヒースタンドで食べるサンドイッチが美味しい」と言ったのは僕です。スタンドの写真とサンドイッチの写真も、今度学校に行ったときに、見せてあげようと思います。
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◆ ◆ ◆

 こうした機会を実現できて、とてもよかったと思っています。「せっかく僕がニューヨークにいることだし、教室と繋いで授業してみますか?」とLINEでちょっと言ったところから、実際に実現まで動いていただいた、福生第五小学校の拝原先生に感謝しています。また、オフィスを会場として、さらに自分でも先生として子どもたちとやりとりをしてくれた、セサミワークショップの長岡さんにも感謝です(この日は、セサミワークショップのハロウィンパーティーの日だったのにもかかわらず!)。
 学校に関わる人たちの、少しのアイデアと、少しずつのがんばりで、こうした授業が実現して、新しいテクノロジーが自分の生活にどんなふうに関わるのかを考える機会が作れるというのは、素晴らしいことだと思います。使えるアプリはたくさんあります。今回使ったappear.inも無料で使えるシステムです。前日に一度、拝原先生と接続テストをしてみて、できると確信して実施しました。一度これができれば、今度は福生市内の小学校同士で教室を繋いで授業をしてみようか、などのアイデアがまた先生たちの中から生まれてくると思います。そうしたきっかけに、まずは一歩踏み出してやってみることは非常に大切だと思いました。

(為田)