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同志社中学校 授業レポート No.3(2017年10月19日)

 2017年10月19日に、同志社中学校を訪問し、反田任 先生の英語の授業(中学1年生)を見学しました。同志社中学校ではiPad miniを一人1台持ってもっていて、授業内で活用をしています。また、黒板にはプロジェクタが備え付けられていて、多くの先生方がプロジェクタを利用して授業をしています。
 No.3では、反田先生にMusio教室でお話を伺った様子をレポートします。

Musioの可能性

 授業後に、反田先生にMusioが配備されている教室も案内していただきました。9月末にMusioの台数が増えて、世界初のMusio教室が設置され20台のMusioが配備されることとなりました。これから昼休みなどに生徒たちに開放して、Musio English Villageにする計画もあるそうです。

 反田先生に、「Musioのいいところは何だと思いますか?」と質問すると、「まず、親しみがもてるということ。それから、何度同じことを訊いても嫌がらないことだと思います」と言っていました。
 それから、反田先生に「教室ではヘッドフォンを使っていませんでしたが、ヘッドフォンを使って練習するのと、ヘッドフォンなしで練習するのと、何か違いがあると思いますか?」と質問すると、「個人的には、ヘッドフォンなしで練習する方がいいと思っています。通常、英語を使ってコミュニケーションをする場面では、ヘッドフォンやイヤホンをしているような場面はないですから」。こうした考え方は、とても実践的だと思いました。また、授業の様子を見ていても、あまり生徒たちも音を聞き取りにくい、ということはなかったように見えました。
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 Musioはテーブルの下に並んで配置されています。Musio English Villageがスタートして、一人1台で練習をここでするようになったら、どんな会話がされるのかなど、非常に興味があります。
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 Musioが親しみやすい形をしているからこそ、楽しんで話せるという環境を作ることができるのですが、一方で、どこまで自由な会話ができるのかというのは、AIの成長具合によるのかな、と思っています。そのこともあり、今回見せていただいた反田先生の授業のように、ある程度シチュエーションを限定したり、使う表現を限定したりして、そのなかでの英会話というふうにした方が、成果が上がりそうだと感じもしました。あるいは、「好きなスポーツについて話しましょう」というふうにストーリーを限定するというのもいいかもしれません。

 廊下をMusioを載せたデスクが通ると、「あ、英語で話すロボット!」「やりたい!」という声が、生徒たちからあがります。ネットで取り上げられた記事を読んでいる生徒も多いそうで、期待値は高そうです。これから中間テストを挟んで、上級生にもMusioを使ってもらうことにするそうです。生徒に期待をもって、「あれやってみたい!」と言われる教材というのは、その時点でひとつ関門を越えているようにも思います。
 これからどのように同志社中学校でMusioが生徒たちの英語力向上に活用されていくのか、注目していきたいと思います。
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 同志社中学校は、AI 英語学習ロボットMusioを活用した公開授業を12月1日に実施するそうです。興味がある方は、ぜひ参加してみるといいと思います。Musioを使った授業を見ることができるだけでなく、Lunchtime Gatheringが実施されるそうです。

(為田)

ict-enews.net