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三重県教育工学研究会 2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」 レポート No.4(2018年1月13日)

 2018年1月13日に、三重県教育工学研究会の2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」に参加してきました。サブタイトルには「これからの情報教育のあり方を探る」とあり、情報教育について考えるきっかけをいくつもいただいたように思います。
 No.4では、聖心女子大学名誉教授の永野和男先生による講演、「今後の教育に生かす情報教育的な考え方」の後半部分の様子をレポートします。永野先生は、この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である、中村武弘 先生の師匠にあたるそうです。
 会場から、Twitterで発信していたものを中心にまとめます。その場で聴きながらのものなので、誤記等がありましたら、それは為田の責任です。

学びの方法が変わってきている→学校も変わるべき

 情報教育の目標は、ずっと変わりませんが、一方で、学び方についての研究が進んでいることで、教え方については新たな展開があるというお話がされました。

 こうして見てみると、学校での授業のあり方というのも、当然変わってくるべきなのだと感じました。永野先生は続けておっしゃいました。

授業の形態・演習の形態の工夫

 人間の情報処理メカニズムから学習をもう一度見てみて、先生方は何をすべきか、永野先生の話は続きます。永野先生は、「授業の形態・演習の形態の工夫」について話をされました。

  • どのように興味を持続させるか
    • 先行オーガナイザー
    • 知っていることと教えるべきことの関係。
  • 学習の形態を工夫
    • 聞いているだけの授業は20分も集中できない。
    • 絵や写真を使う。
  • メディアの活用
    • 知っていることは、調べさせる。
  • 討論・自己確認
    • 教え合う、共同学習。
    • 教えることによって学ぶということがある。

 こうした4つを授業の形態に取り入れていく必要がある、と永野先生はおっしゃっていました。

情報教育的 実践の紹介

 ここで、情報教育的実践の紹介がありました。まず、情報教育的実践の要素が紹介されました。

  1. 課題意識を持った取り組み
    • どんな題材を取り上げるか、課題がすべて。
    • 全国一律では当然ない。
  2. 裏にある、知識や技術を(教員は)意識
    • 教科内容との関連、小中のつながり。
    • ちゃんと後で繋がる、ということを理解する必要。
  3. 子どもの手足(頭)を働かせる
    • 活動、体験時間を確保する。
  4. 自己による評価(自分で考えさせる)
    • 教え、わからすだけでは、限界がある

 「現在では考えられない」というコメントは、まだ当時、情報教育というものを専門にやっている方は少なかった、というお話でした。そのなかで、永野先生が情報教育の形を組み上げられた。その要素が、この本の中にたくさん見られる、ということだと思います。絶版なのが残念です。

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

 この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である中村武弘 先生の実践この本のなかで取り上げられている、この本のなかで取り上げられています。

情報活用能力は教科の目標に埋め込まれた

 次期学習指導要領では、教える「内容」だけでなく、どう教えるかの「方法」が書かれています。その方法とは、今までの教え込み以外の方法であり、情報活用能力を育むための「方法」なのではないかと思います。

 この部分をうかがっていて、実は大学生だけではなくて、社会人でも同じだなあ、と感じました。情報教育、情報活用能力、考えべきことは多いと感じました。「授業の発問で変えられる」という永野先生の言葉は、この日の最初の中村先生の模擬授業を見ていても、「発問を本当に細かくする」と感じた自分の感想と重なるものでした。永野先生の思いが、中村先生に継承されている、というのを感じました。

先生たちへのメッセージ

 講演の最後に、永野先生は、先生方へのメッセージとして、「教える授業」から、「行動し、一人ひとりが考える授業へ」変えていきましょう、とおっしゃいました。

  1. 子どもたちが、参加する授業をつくる
  2. 自分で考えたり、まとめたりする機会をつくる

 これをするために、先生方に何ができるか、具体的に考えてほしい。大げさなことではないかも。ちょっとしたことかもしれない。子どもが考えるようになるアドバイスを先生はしていきましょう。全部を変えなくてもいい。授業の中の、一部でも、変えていくことはできる。
 そのことで、子どもたちがようやく、アクティブ・ラーニング=「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」へようやく繋がっていく。情報教育は数年かかる。一気には変わらない。先生も保護者も、同じメッセージを出していかなくてはならない。すぐには結果は出ない。

まとめ

 最後の言葉は、本当にズシンと来る言葉でした。永野先生のお話、本当におもしろかったです。永野先生のお話を伺うのは、今回が初めてでしたが、本当に勉強になりました。10年、20年先を見据えて、それを実現させていく。微力ながら、子どもたちが情報活用能力を身につけられるよう、学校の外からお手伝いをしていきたいと、思いを強くしました。


 No.5に続きます。
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(為田)