教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

公営塾とデジタルドリルと学びの個別化

為田が開発に参画している、凸版印刷アダプティブラーニングシステム「やるKey」についてのエントリーです。

 2018年1月15日に、岩手県一戸町で、公営塾が開講したそうです。1月18日の岩手日報で「一戸町の公営塾、プレ開講 デジタル教材を活用」という記事が出ました。

 一戸町は町内の小学3~6年を対象とした町公営塾を同町高善寺の町民文化センター内で15日から始めた。当面は「プレ開講」として無料開放し、2018年度中の本格的開講を目指す。町によると、児童向けの公営塾は県内で初めて。タブレット端末によるデジタル教材を活用し、自主学習の習慣づけを後押しする。地域おこし協力隊員が支援し、学習意欲向上を図る拠点として、子育て環境の充実につなげる。

 開講式は同日、児童や保護者ら約50人が出席して行われ、児童27人が算数の教材に挑戦した。

 町は公営塾を子どもの学習センターとして位置づけ、学力の底上げを図るとともに、子育て環境の充実にもつなげる考え。町まちづくり課の栗橋泰彦課長は「中学校では予習復習が必要で、小学校からの家庭学習の習慣づけが不可欠。短時間でも勉強に集中できる場所になれば」と期待する。

一戸町の公営塾、プレ開講 デジタル教材を活用

www.iwate-np.co.jp

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 岩手日報の記事では、「タブレット端末によるデジタル教材」と書かれているだけですが、この教材は凸版印刷が提供する算数のアダプティブ算数教材「やるKey」です。
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www.shijyukukai.jp


 やるKeyは東京書籍の算数の教科書に完全準拠している教材で、教科書の約5倍の問題数を収録しています。教科書のそれぞれの問題について、同じ学びのめあてをもち、同じ学びの要素をもつ類題を豊富に収録しています。
 やるKeyでは、それぞれの問題を間違えている原因になっているのではないかと考えられる要素を「つまずきポイント」として、設定しています。1つの問題につまずきポイントは多くの場合、複数設定してあり、児童一人ひとりがどのつまずきポイントによって間違えているのかを、問題の自動出題と自動採点を繰り返していくなかで特定します。
 このつまずきポイントを利用した自動出題・自動採点を繰り返すことにより、児童一人ひとりが自分にあった適切な学習をできる、学びの個別化を実現できます。
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 やるKeyは、全国の小学校で、実証研究を重ねていますが、公営塾での展開は初めてです。いろいろな小学校、それぞれ別の先生に教えてもらっている児童が集まる公営塾では、学びの個別化は非常に重要な要素になるのではないかと思っています。

 公営塾の開設を担当し、開校式にも参加していた、凸版印刷 教育事業推進本部の村上壮さんのコメントを紹介します。

 やるKeyは、先生の授業にあわせて児童が習熟するためのツールでしかありません。
 ここに長年塾を経営している協力者の方のノウハウを取り入れることで、新たな活用方法や学習効果を見出したいと思っています。当日来ていた児童や保護者のアンケートでは、「楽しく学習ができた」「もっと学習したい」といった好意的な意見が多かったのですが、更に児童や保護者の課題意識を吸い上げて、効果的な指導内容を盛り込んでいきたいと思います。この公営塾を通じて、学習習慣を身につけてもらい、将来的には一戸町の発展に少しでも貢献できればと思います。

 算数に限らず、学びに個人差が出るのは当然なので、一人ひとりの習熟度や得意・不得意に合わせて問題が出題される、学びの個別化はもっと進めばいいと思いますし、その方向性にデジタル教材は大きく貢献できるのではないかと思います。

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 やるKeyの機能紹介については、このページで見ることができます。実は説明を為田が担当しています。もし、実際に動いているところを見たい、あるいは使ってみたい、という方は、為田までご連絡をいただければと思います。
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(為田)