2018年1月15日に、筑波大学東京キャンパスにて、一般社団法人 ICT CONNECT 21 活動報告会が開催されました。
ICT CONNECT 21には、多様なステークホルダーが関わっています。これが、ICT CONNECT 21の強みであると思うのですが、その多様なステークホルダーの皆様からの挨拶(というかプレゼンテーション)がありましたので、順に紹介していきたいと思います。
今回は、文部科学省生涯学習政策局情報教育課情報教育振興室長(併)初等中等教育局視学官 安彦広斉 さんによる「2020年度小学校プログラミング教育必修化に向けた文部科学省の取組」というテーマでのプレゼンテーションから、僕がメモした点をまとめたいと思います。
安彦さんは、次期学習指導要領から見ると、大きなところが見えづらくなるので、中央教育審議会の答申から見てみましょう、と言います。提示されたのは、平成28年12月に出た、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)(中教審第197号)」です。
小学校段階の教育課程の基本的な枠組み
- 国は、新しい教育課程の実施に向けて、教育委員会や小学校現場、関係団体、民間や学術機関等と連携しながら、指導内容の在り方を検討して指導事例集としてまとめることや、各教科等における教育の強みとプログラミング教育のよさが結び付いた教材等の開発・改善を、その先の教育の在り方も見据えながら行っていくことが求められる。
- ICTの環境整備もやっていきたい。
- 教員研修もやっていきたい。全国20,000校で実施するために、40万人以上の小学校の先生たちに無理なく広げていくように民間との協力を。「小学校段階における指導には、コンピュータ科学分野の高度な知識が必要というわけではない」ことに留意。
そうして定められた新学習指導要領について、「3つの初」を上げて説明してくださいました。
新学習指導要領のポイント
- 学習指導要領に「情報活用能力」が規定されたのは初!
- 臨教審の答申から、30年。やっと情報活用能力を、言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけ。
- 書いていないので、やらなくてもいいんじゃないか?という人たちも、しっかりと正しい方向で支援していくことが必要だと思っている。
- 小学校の学習指導要領に「プログラミング」が盛り込まれたのは初!
- 学習指導要領の総則においてICT環境を整備する必要性が規定されたのは初!
- それにそって、指導要領に書かれたということは、「学校のICT環境整備」と「ICTを活用した学習活動の充実」について、学習指導要領の総則で必要性が規定されたということ。
- ハードありきではなく、必要なICT整備をしてほしい。
最後に、安彦さんは、未来の学びコンソーシアムの推進体制の強化について話をされました。
「未来の学びコンソーシアム」推進体制の強化
- 教材は民間が作るもの、ということで、未来の学びコンソーシアムを設立。
- 2020年のプログラミング必修化のスタートなのに、民間にまかせていいのか?ということになった。
- 国、文科省が、2020年に向けて、まずは小学校のプログラミング教育に絞って取り組んでいくこととなった。
- 官がコンソーシアムの中心ではあるが、引き続き民間にがんばってもらう。
- 国の呪縛から解き放たれたICONについては、さまざまな活動を期待。
短い時間でしたが、中教審の答申、新学習指導要領についてのまとめと、その背景まで説明してもらえてよかったと思います。
No.3に続きます。
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(為田)