教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

富谷市立富谷小学校 授業レポート No.3(2018年2月9日)

 2018年2月9日に、富谷市立富谷小学校を訪問しました。1時間目と3時間目に6年生のプログラミングの授業を見学させていただいたのですが、この間の3時間目には、コンピュータ教室を使った算数の授業を見学しました。

 富谷小学校のコンピュータ教室はデスクトップコンピュータです。教科書を持ち込んで、算数の授業をスタートします。
f:id:ict_in_education:20180306010139j:plain

 今回は、6年生のまとめとして、プログル(https://proguru.jp/)にアクセスします。プログルでは、「最小公倍数コース」「多角形コース」「平均値コース」の3つのコースを選ぶことができます(2018年3月5日現在)。
f:id:ict_in_education:20180306010246p:plain

 このなかから、「多角形コース」を使って、図形の復習を行いました。
f:id:ict_in_education:20180306010254p:plain

 多角形コースでは、8つの課題が出題されます。一人1台ずつコンピュータを使っていますので、自分のペースで学習を進めていきます。
f:id:ict_in_education:20180306010346j:plain

 「正六角形を描いてみよう!」とだんだん難しくなっていきます。間違える子も正解する子もいます。担当されている金洋太 先生は、見回りながら、「これ、なんで60度にしたの?」というふうに質問していきます。このように質問を投げかけていくことは、“算数の授業として”行うのであれば、非常に大切なことだと思います。
 プログラミングとして単純に考えるのであれば、「まずは適当に数字を入れて、やってみて、そこから数字を変えていったら、当たった!」ということでも、もしかしたらいいかもしれません。試行錯誤はそれはそれで大切だと思います。
 その一方で、算数として多角形の性質を理解しているかどうかを、プログラミングを使って試してみる、という視点で評価するならば、試行錯誤で「当たった」ではダメだと思います。金先生も、「その計算がきちんと考えないとダメ」「当てずっぽうでなく、数字を計算できることが大事」というふうに言っていました。そのために、金先生は途中でホワイトボードを使って考え方の説明もしています。こうして、教科の内容とコンピュータの操作を行き来するように授業を設計することが重要だと思いました。
f:id:ict_in_education:20180306010424j:plain

 内角の計算をするために、もちろんノートを使っている子もいます。また、子どもたち同士で教え合う関係もできていました。
f:id:ict_in_education:20180306010445j:plain

 ただプログルの多角形コースをやっています、というのではなくて、こうした部分まで含めて、算数の授業に組み込むということが大切だと思いました。

(為田)