2018年3月29日に、ポプラ社のフリーミーティングスペースに置いて、『どう解く?』公開ワークショップ「みんなで、どう解く?」が開催されました。このワークショップは、ポプラ社が出版した、対話から子どもの本音が引き出せる本『答えのない道徳の問題 どう解く?』の出版を記念したものでした。
参加者が分かれて座ったテーブルは5つでした。それぞれのテーブルに、著者である山﨑さん、木村さん、二澤平さん、ポプラ社の担当編集者である花立さん、仲地さんが座ってファシリテーターとなり、『答えのない道徳の問題 どう解く?』をみんなで一緒に読んで、そこにある質問に答えていくというワークショップでした。
最初のテーマに選ばれたのは、「べんきょう、どう解く」のページ。みんなで読んでみます。そこに書かれた質問は、「どうしてお母さんは僕の嫌いな勉強をおしつけてくるんだろう?」というものでした。ファシリテーターの5人は、最初に「まちがいはないよ」「どんなことを考えてもいいよ」と子どもたちに伝えていました。こうして、「どんなことを考えてもいいんだ」「それを発表してもいいんだ」という雰囲気を作ることは、学校の授業で行うときにも必ず必要だろうと感じました。
テーブル上に吹き出しの形のシートが置いてあります。みんな、それぞれに自分なりの答えを考えて、書いていきます。
それぞれのグループで、どんな話が出たかを発表してもらいました。まずは、子どもたちから出た主な意見をまとめてみました。
- 自分が大人になったとき、子どもに教えるから。
- 自分自身も困るけど、将来お母さんが困っちゃうんじゃないか。
- 頭が良くないと好きなことができない。
- 仕事の面接に受からないから。
- 自分が大人になったら、自分の子どもに言ってるかも。勉強しないとダメだから。
非常におもしろい考えを聞くことができたと思います。特に、最後の「自分が大人になったら、今度は自分の子どもに言ってるかも。」というのは非常におもしろいと思いました。
参加していたお母さんからも「成長したな、と思う。こうした考える機会はいいと思います。ふだんはなかなかない機会だから。」というコメントが出ていました。また、あるお母さんは、「親として人生を楽しく生きるきっかけになるから。物事は知らないよりも知っている方が人生は楽しくなる。」「大人になると誰もいってくれなくなるから。」というふうに、親になったからこそのコメントをおっしゃっていました。
こうしてそれぞれの違う立場がわかるワークショップはおもしろいなと思いました。
最後に、各テーブルで書いた吹き出しのシートを大きなボードに貼っていきました。
最後に汐見先生が、「勉強するのは何のため?」というのは、家でぜひ議論してほしい、とおっしゃっていました。こういう議論をしていると、「パパはどうして○○なの?」「ママはどう思っているの?」と、子どもたちがどんどん訊いてくるようになりますよ、という汐見先生の言葉は本当にそのとおりだと思いました。この会話も勉強。もっと知りたい、わかりたい、が親子で共有されるといいと感じました。
No.3に続きます。
(為田)