教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

私塾界リーダーズフォーラムトークセッション「未来の教室実現に向けたEdTechの活用法」勝手にアンケート

 2018年6月4日に開催された、私塾界リーダーズフォーラム2018 第1部のトークセッション「未来の教室実現に向けたEdTechの活用法」では、経済産業省教育産業室 室長の浅野大介 氏、株式会社COMPASS CEOの神野元基 氏、株式会社メイツ 代表の遠藤尚範 氏の3人が登壇されました。多角的な視点が非常におもしろかったので、会場にいた皆さんに「どう思いました?」と訊いてみたく、私塾界非公認アンケートとして、バーチャルに【勝手に】アンケートを実施しました。
 議論の流れは、すでにエントリーを書いていますので、そちらもご参照ください。
blog.ict-in-education.jp

 約1週間で、アンケートへの回答は21件でした。ご協力をいただいた皆様、どうもありがとうございました。

トークセッション、楽しかったですか?

 最初の質問は、トークセッション「未来の教室実現に向けたEdTechの活用法」が楽しかったかを訊いてみました。回答した人のほとんどは、「楽しかった」と感じているようです。
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トークセッションで最も強く心に残ったことは何でしたか?

 「未来の教室実現に向けたEdTechの活用法」のなかで、心に残ったことを訊いてみました。「チェンジ・メーカー」や「50センチ革命」というキーワードが書かれています。また、僕は個人的には、「積み上げ思考の文部科学省」と「逆算思考の経済産業省」というのが好きでした。これはアプローチの違いであり、両方から考えて、しっかり間で接続させなければいけないものだな、と感じました。

  • 積み上げ思考の文科省、逆算思考の経産省、に対してコマーシャルベースで対応したい民間企業の現状
  • チェンジ・メーカー
  • 総務省文科省のギャップが面白かったです。
  • 真のゆとり
  • 浅野室長の教育にかける熱意
  • 浅野氏の発話内容のチェンジメーカー。
  • 経産省文科省双方各担当課の教育環境変貌(学びの場転換)に対する積極性に大きな違いが感じられたこと。また民間教育業界が公教育を支える不可欠な存在であることに双方が言及したことなど。
  • ダブルスタンダード(「受験の合否」と「人生の成功失敗」)
  • 生産性向上を塾の学習指導にどう結び付けたらよいか、具体的な姿がよくわからなかった。AIやICTの活用によって事務の時間と人件費を削減することも、リアルタイムでの双方向による授業のネット配信もすでに取り入れている。これらは既存の事例だ。ほかにどのような方法があるのか、具体的な方法を話し合って欲しかった。ただ、あえて言うと、そもそもなぜ経産省が教育を語るのか、違和感がある。
  • 株式会社メイツ 代表の遠藤さんの頑張り。「文科省の枠を出ない」というキーワード。
  • 経産省からの人材開発のアプローチであるということ。
  • 経済産業省の取り組み
  • 50センチ革命、越境などの言葉。自己肯定感を高めることなど、神野社長のお話などです。
  • 経産省文科省のアプローチの違い。
  • EdTechと経産省と学習塾の現場での視点が、まだまだ差があるなと強く印象に残った。
  • 神野氏、遠藤氏の若さ。また、遠藤氏の個性が際立ちました。
  • 教育のダブルスタンダードという状況はあるが、今、確かに変化の兆し、芽吹いている
  • 50センチ革命、越境、試行錯誤をベースに、自分がチェンジメーカーだと思える人が育ち、みんなでより良い社会を作っていこう(イケそうな気がしたぁ~)
  • 神野さんの「コンテンツのアダプティブの精度を高めることでモチベーションのアダプティブにも貢献したい」「自己肯定感は競争の中だけで育つものではない、愛されることの方が大事」という教育者魂が感じられたこと
  • 経産省が産業界への優秀な人材供給との観点から教育・EdTechを捉えていること
  • 時代は確実に変化している

トークセッションについてのコメントを聴かせてください。

 トークセッション全体へのコメントをまとめます。

  • 教育改革をオールジャパンで進めて行く為に、超えなければならないハードルについて具体的に踏み込んだ議論を期待しています
  • 浅野さんの熱い想いをきけて良かったです。刺激をいただきました。
  • 熱かった!
  • もっと長い時間聞いていたい、と思う内容だった。手元に論点整理の資料もほしかった。
  • 英語力を上げる際に所得による教育格差は広がらないか、検討していただきたいです。ICT教育は素晴らしく効率化は図れますが、産業の活性化に重点が置かれる一方で、貧困層など教育の底上げに着目しているのかなと疑問に思いました。
  • 国レベルで描く5-10年後の学びの場のイメージ(現実的展望)をどう現場や保護者に伝えるのか、の方法論が議論されるようになると民間側としても仕事に落としやすくなるのではないか、と思います。
  • 浅野氏は「何が好きか」「何をして生きるか」から学習内容を逆算することを繰り返し強調されていたが,それが見当たらない子どもたちがほとんどで,確固たる目標・好きなものがある子どもは今の教育システムでも積極的にわくわくしながら勉強をしていると思う。目標がない生徒に「とりあえず勉強をして目標や好きなものを探しなさい」といって勉強をさせてみると,好きなものを見つけ出す前に「勉強がつまらない」と挫折し,受験に失敗し,職業の選択の幅も狭まるということを起こしてしまいやすい教育現場の現状をどうしていくかの具体策がもっと聞きたかった。
  • ICTの発達は通塾という営業形態を絶滅させるだろう。学校も集団的な社会教育に絞って午前中で終了させ、午後はすべて個人に任せる時代が来ると思われる。予備校も塾も必要がないのではないか。個人がネットやAIを活用して学ぶことは十分可能だ。それもやらないよう者は学校でもやらないだろう。文部省は解体し、集団的な社会教育を行う機関としての公立学校は、将来のホワイトもブルーも含む労働者の社会的意識を育てるために存在しているという視点から厚生労働省の所管にすればよい。学校への補助金はすべて廃止し、経営が成り立たない学校は公私の区別なく廃校とすべきである。あるいは教育は大学まですべて無償とするか、どちらかにすべきだ。補助金で経営している私立学校は国税の無駄使いである。それを暴論とするなら、寄付控除を徹底させ、卒業生や企業からの寄付金による補助に切り替えるべきだ。なお、主なテーマの英語だが、小中高全ての公立学校におけるカリキュラムから英語は排除し、すべて民間や個人に任せるべきである。目的意識のあるものでなければそもそも外国語学習は時間とエネルギーの無駄である。英語によるグローバル化は人類文明の多様性を喪失させるのではないか、と危惧している。ましてや日本は植民地ではない。外国語は個々人の主体的な取り組みに任せるべきである。やる気のあるものは言われなくても学ぼうとするものである。3人ともそれぞれの仕事に精を出しているのが感じられ、頼もしく思ったが、日本国を真の自立国家とするためにはどのような教育が必要か、という視点で話して欲しかった。
  • 経済産業省教育産業室 浅野室長の目指すEdTechとCOMPASS CEOの神野さんのキュビナが目指す先が同じ方向なのかがちょっと疑問。技術要素だけがEdTechではあるものの、やってることは普通の算数学習。学び方、学ばせ方、学校教育における評価を変えて始めて変化が生まれるのは理解できるが、環境はそのようになってはいないのが大きな課題。また、自己肯定感が足りないという課課題解決にEdTechをどう活かすのがよいか?という話を聞いてみたかった。
  • 経産省視点での教育の「こうあるべき」に,文科省との乖離がかなり感じられました。課題起点の学びによって児童の可能性を引き伸ばすことにはとても共感します。ただ今までの公教育や先生のことを考慮しないというように聞こえる部分もあり,そこは賛成できないと思いました。最終的に全ての先生や児童のためになることを前提にしてほしいというのが個人的な願いです。
  • 一番面白く、刺激を感じたトークセッションでした。
  • 公的教育と民間教育をEDtechがどのようにつないでいくか推移を見守りたいと思います
  • EdTechにて効率化や利便性は今後確実に上がるが、それを利用する学習塾側の理解が追いついていかない状態が今以上にどんどん加速することが予想される。変化に弱い業界なため、普及活動が大事になってくるのかなと感じました。サービス提供側全体で盛り上げていく必要を再認識しました。
  • 予定調和的なものでなく、それぞれの視点から異なる意見が聴けて良かったです。
  • 文科省が…とか、現実には入試が…とかいう(正直な?立場上言わなきゃいけない?)声もありましたが、この会場にいる人たちが、まず自分の周りの50センチ革命をやることイケそうじゃん!という期待感が高まりました
  • 公教育とは一線を画する私塾業界がより良い教育に向けた起爆剤となることを願います

 私塾界のフォーラムらしい、私塾/民間教育からの視点が見えるコメントが多く、心強いです。あえて、いろいろ手を入れずにほぼ全文を掲載することとしました。
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 非公認でアンケートをすることを「おもしろいですね!」とご協力いただいた、私塾界の山田さん、松本さん、どうもありがとうございました。

(為田)