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ICT教育研究会 with Classi in Meisei レポート No.1 (2018年3月28日)

 2018年3月28日に、明星中学校・高等学校において、ICT教育研究会 with Classi in Meiseiが開催されました(明星中学校・高等学校とClassi株式会社の共催)。ICT教育研究会の開催は今年で3年目となります。
 今回のICT教育研究会のテーマは、「ポートフォリオ」でした。開会の挨拶の中では、「eポートフォリオの導入によって、生徒の日常の行動をしっかり記録していき、彼らにとってより良い教育をしていくことができるようになる」という言葉がありました。参加者は300人にのぼり、多くの先生がClassiと明星中学校・高等学校が進めている、Classiとeポートフォリオの活用に関心を持っていることを感じました。

 今回は、東京学芸大学の森本康彦先生の基調講演「なぜ、今高等学校でeポートフォリオが求められるのか ~求められる本当のポートフォリオとは?~」の前半部分から、気になったポイントを中心にレポートしていきます。
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ポートフォリオは、旅の写真であり、野球ノートだ。

 森本先生は、最初に旅行を例にして、eポートフォリオの説明をしてくださいました。その後で、「学びの過程においてポートフォリオはどんなものがあるのでしょうか?」と森本先生の話は進んでいきました。

  • 旅行を例にeポートフォリオを考える
    • 写真を撮るために旅行には行かない。旅行のついでに写真を撮って、帰りに写真を見返して、いろいろ思い出す。そして、「また行きたい」と思う。
    • 写真は旅行の過程において、どういうところにいて、どういうことを思ったのか、そのエビデンス。旅行で何をしたかという証拠。でも、証拠を残すために旅行に行くのではない。
    • 証拠である写真があることで、詳細に旅行を振り返ることができる。この写真が、ポートフォリオ
  • 学びにおいてのポートフォリオを考える
    • 学びにおいてのポートフォリオには、どんなものがあるだろうか?
    • 受験の記録をとるのは面倒だが、「できなかったことができるようになった」などの記録を受験に使うことができるなら、それは教材だ。
    • ポートフォリオは受験のためのものではなく、学びそのもの。

 この旅行と学びのメタファーは、僕にはとてもわかりやすかったです。その後で、森本先生は、ご自身が働き始めた頃の話をされました。森本先生は、最初はエンジニアでキャリアをスタートし、その後、脱サラして中学校の先生になられたそうです。そのキャリアを歩むなかで、かなり成長できたと自分では感じているそうですが、「どれくらい成長したか」を証明することは難しいと言います。自ら、たくさんのことを経験し、気づきを得ながら、継続的に成長(変容)してきたわけですが、その成長(変容)を証明する手立てがないからです。どうやって成長したのか?森本先生は、“真正な学習(Authentic Learning)”、“真正な評価”という言葉を紹介してくれました。

 例として、野球ノートの話を森本先生はしてくれました(野球ノートで検索してみると、たくさんのノートが出てきます)。
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  • 野球ノートは、野球部の部員たちが練習後にとるノート。
    • 「ノートを書く暇があったら、素振りをしなさい」は昭和の時代。
    • いまは練習が終わった後にミーティングをして、「何がよかったか、何がダメだったか、次はどうするか」と、勝った試合でさえもふりかえりをする。試合が、最もリアルな練習の場。
    • ノートに“どう変わったか”を落とし込むことで、自己効力感を得られる。
  • 野球ノートをつける感覚で、勉強ができればいいのではないか。野球ノートをつけることが、練習(学び)そのものだ。
  • 野球ノートの中にはたくさんの学びの記録がある。「真正な学習」の学習プロセスにおいては、たくさんの学びの記録が生成され、(教材として)活用される。その状況を電子的に記録したものが、eポートフォリオ=学習記録データ。

 森本先生の「ポートフォリオによって、過去の頑張りだけでなく、未来の伸びしろも見えるようになります」という言葉は、本当にそのとおりだと思いました。
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 No.2に続きます。
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(為田)