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おせっかいな問題集ATLS(アトラス)を提供するforEst CEO後藤匠さん インタビュー No.3

 デジタル問題集ATLS(アトラス)を提供する株式会社forEst(フォレスト)の代表取締役CEOの後藤匠さんのインタビューをお届けします。ATLSは「Adaptive Training Learning System」の略で、これまでの勉強方法とICTテクノロジーの融合を目指している自主学習支援アプリです。今回は、学校への導入にかかるお金についてなどレポートします。

勉強を“なめらかに”変える

 「今いろいろなEdTech系やeラーニング系の会社って、今まで成長してきたところに対して非連続な成長を求めている。そこに現場の先生がついてこられない」と後藤さんは言います。テクノロジーと現場の先生が断絶しているのであれば、そこを“なめらかに”繋いであげる人が必要だと感じているそうです。それは、学校の先生にとっても必要だし、高校生にとっても必要だし、出版社の人にとっても必要だと後藤さんは続けます。

 既存のビジネスモデルや学校の仕組みがあるなかで、それを急に全部がらりと変えて「デジタルの方に変えます、月額定額制のモデルに変えます」というのは難しい。だからATLSでは、電子書籍のモデルという形で問題集や教材(=出版社さんのコンテンツ)をデジタル化させてもらって提供しています。

 ATLSは、デジタル版を買うときは紙版と同じ価格です。紙とデジタルとセットで買うときには、プラス数百円で紙+デジタルの問題集を手に入れられます(買い切りなので、年度末にアンインストールすることもありません)。

 紙の教材にプラスアルファでデジタル版を出すので、出版社にとってもマイナス面はないため、営業では協力体制ができているそうです。
 「ATLSは、デジタルとアナログのバランス感覚が素晴らしい」「ATLSはビジネスモデルとして、学校がやれるところとやれないところのうまくバランスを取って、ビジネスモデル全体を作ってくれている」という評価を、学校の先生からもしてもらっているそうです。
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導入している学校はどんな学校?

 「典型的によく使われている学校はどんな学校ですか?」と質問すると、後藤さんは「それがバラバラなんですよ」と言います。それぞれの学校によって、ATLSを導入するのに至った経緯、ATLSに期待するものが全然違うそうです。
 例えば、大学進学を目的にする学校では、生徒のより効率的な自己学習ツールとして使われているそうです。一方で、学習の効率的な実施のための学習管理ツールという形で使っている学校もあるそうです。あとは、ペーパーレス化をすることによって他校との差別化をする意味合いで導入する高校もあるそうです。

 ICT利活用教育を推進している学校を中心に、全国で導入が進んでいるそうです。そういった学校には、タブレット端末は配備されています。タブレットさえ持っていれば、紙よりちょっと便利なATLSを導入するのは簡単です。その上に何を求めるのかっていうのは学校の目的意識によって違います。

 紙とATLSとどちらが便利ですか、という話をしたら、先生方は「これだったらATLSの方が便利だ」と評価してくれるそうです。
 「必ずしもパラダイムをガラッと変える必要なくて、ICTを使って、今までやってきたことをちょっと便利にしてあげるだけで、リプレイスは可能です。極力いままでのやり方を変えないということは重要だと思っています。僕らはどっちかと言うとそういう戦い方をしている。だからタブレットさえ入っていれば、学力層関係なく便利だねと言ってもらえる」と後藤さんは言います。

 どんな学校に向いているかっていうのもなく、本当にオールレンジでどんな学校でもタブレットが入っていて、紙の教材を購入しているのであって、生徒たちに勉強してほしいと思っている学校であれば、どんな学校でも大丈夫となります。
 さらにATLSに何を求めるかというのは、各校の目指すところによって変わってきますが、ATLSとして「こういう風にやって下さい」と言うのではなく、学校の方で考えてもらっているそうです。「それを実現するためのレコメンデーションの機能や可視化の機能はATLSが提供するので、授業は、これまで通り先生や学校のスタイルに応じて設計してもらいたい。」と後藤さんは言います。

 No.4に続きます。
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(為田)