教育ICTリサーチ ブログ

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『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』×教育ICT ひとり読書会 No.3「第3章 ワークショップ開始」

 ナンシー・アトウェル『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』を読んでいます。じっくりひとり読書会ということで、ハッシュタグ「#イン・ザ・ミドル中」を使ってTwitterでメモを書いています。こちらをブログには章ごとにまとめていこうと思います。

 今回は、第3章「ワークショップ開始」です。第2章「ワークショップの準備」で書かれていた準備を経て、どのようにワークショップをスタートするのかが書かれています。

「読むことアンケート」と「書くことアンケート」

 生徒たちが、読み手として、書き手として、どのような状態にいるのかを知るためのアンケートを実施しているそうです。「読む」ことと「書く」ことについて、それまでの学校体験から「そんなにきらいじゃないのに、きらいと思いこんでいる」=「それまで、いい体験をしてこなかった」という生徒もいそうだし、教室でやってみたらおもしろそうだと思いました。

 読むことについて興味を持ってもらうために、アトウェルの教室は読み手のコミュニティとして機能していくようになると思います。コミュニティが一度できれば、ICTを使ってこれを強めることができるように思います。どんなことができるかな…と考えてみます。

 ただ、「読み手の共同体を作る」ということになると、ICTではなかなか難しいとも思います。「もともとある読者共同体を助ける」ということと、読者共同体を作る」のとは大きく違います。学びのスタート地点を作るのは、いつだって難しいものです。ここは先生が作る授業に大きく依存するかと思います。学校/教室だからこそ、できることなのかな、と思います。

ライティング・ワークショップをスタートする

 ワークショップの最初の日、100ページのワークショップ・ノートを作るところからスタートします。

 この題材リストは非常におもしろいと思いました。

 こんなふうに書くのが楽しくなるような題材リストだったらいいな、と思います。なかなかこうした題材リストを使って作文をしている授業はないように思います。
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リーディング・ワークショップをスタートする

 アトウェルの教室での「読むことを通して、読むことを学ぶ」というのは徹底していると思います。たくさんの文章に触れるなかで、用法から語彙を学び、用法から文法を学び、読解力が上がっていくと思っているので、最近、「読むことを学ぶ」ということに非常に興味をもっています。

 ただ読んだ冊数の競争にならず、ただ読んだページ数の競争にならないように、「読むことに招き入れる」というところは、学校教育で可能なのだろうか。



まとめ

 いよいよワークショップの開始時についての記述に入ってきました。第2章で詳細に書かれていた準備を、実際の教室でどのように伝えるのか、ということがわかる章でした。

 次は第4章「書き手を育てるミニ・レッスン」です。
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(為田)