教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『小さなチーム、大きな仕事』

 先日、ジェイソン・フリード デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン『小さなチーム、大きな仕事 完全版』を読みました。

 そのなかで、働き方は小さなチームでいろいろなことができるようになっていく、という話が出ていました。そして、「どんな人をチームに迎え入れるか」という項目で、以下のように、文章力が実は大きな役割を果たすのではないか、という表現がされていました。

もし、選考の過程で誰を雇うか決めかねているときには、文章力の有無は一つの大きな選考基準になるだろう。マーケターでもセールスマンでも、デザイナーでも、プログラマーでも、どんな職種でも、文章力は大きな要素となる。
文章力がある人はそれ以上のものを持っている。文章がはっきりとしているということは、考え方がはっきりとしているということである。文章家は、コミュニケーションのコツもわかっている。ものごとを他人に理解しやすいようにする。他の人の立場に立って考えられる。彼らは、何をしなくていいかもわかっている。そんな能力こそ必要なはずだ。
それに、最近また文章力は見直されている。今や、電話よりもメールや文章でのやり取りの方が圧倒的に多い。IMやブログでのコミュニケーションも増えている。現在、文章というのは良いアイディアを導く通貨なのだ。(p.219-221)

 文章力が仕事をする上で大きな要素になるというのは賛成です。また、世界中に仲間を見つけて繋がっていく、というような仕事の仕方をしていくときに、文章を通じてのコミュニケーションも力を発揮します。個々に書かれている、「文章は通貨なのだ」というのは、そのとおりだと思います。

 学校教育の中で、文章をたくさん書かせる、そして読み合う、という活動を入れていきたいと思っています。そのときに、ICTは大きな力を持つと思っています。
 すべてをデジタルにするのではなく、アナログ(手書き)とデジタル(タイピング)とを自由に行き来できるような、そんな活動を学校に入れていきたいと思いました。

 僕が読んだのは完全版ですが、文庫版やKindle版も出ていました(内容が同じものかは不明です)。そちらのリンクも貼っておきます。

 文章力云々ということだけでなく、「新しい仕事の仕方」の様子が少し見えるというのもいい点ではないかと思います。

(為田)