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静岡県立掛川西高等学校 学校訪問レポート No.1(2018年12月17日)

 2018年12月17日に、静岡県立掛川西高等学校にて、吉川牧人先生の2年生の世界史の授業を見学させていただきました。多くの生徒がスマホを机の上に置いているのが印象的な授業でした。掛川西高校では、生徒全員がGoogleアカウントを学校から配布されていて、Google Classroomを使える環境になっています。自分のGoogleアカウントを、学校のiPad miniだけでなく、自分のスマホでもフル活用しているそうです。
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 教室にはプロジェクタとスクリーンが用意されていて、そこに資料を投影しながら授業が進められていきます。授業の最初に、これまでの内容である「17世紀の危機」について、1班が復習のためにプレゼンテーションしました。
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 前回の授業までに、吉川先生から各班に対して、資料としてスペインの無敵艦隊アルマダ)についての英語文献(イギリスで使われている子ども向けの教科書 KS3 HISTORY OXFORD)が配布されています。それぞれの担当の班が内容を要約して紹介します。
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 英語の文献を使っているので、英語でそのまま読んでいるかというとそうではなく、文章の大意を捉えることが目的なので、生徒たちはGoogle翻訳を使っているそうです。配布された資料をそのままカメラで読み込んで、翻訳してみると、僕のiPhoneでは以下のような翻訳が出ました。正確な翻訳ではないですが、大意は追えるので、ここから既習事項と組み合わせて、発表を行っていくことができそうです。
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 それぞれ少しずつ違うところを読んでいるので、他の班の発表も真剣に聴きます。ジグソー法に近いやり方でいいと思いました。英語文献だからというわけではないでしょうが、生徒たちが発表してくれた内容は、「なぜスペインはイギリスと戦うことにしたのか」「スペイン艦隊とイギリス艦隊の違いはどういったところだったか」など、具体的なエピソードが多く入っていたように思います。
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 ホワイトボードにまとめて、黒板へ貼って行われた各班の翻訳プレゼンテーションは、要点をまとめる係の生徒によって黒板にまとめられていきます。
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 各班の発表内容を踏まえて、教科書を読んでいきます。吉川先生は、2人ペアになって読み合わせていく方法をとっていました。1人で学習を進めていくというよりも、ペアの相手がいることで、読み終わった後に少し感想を言い合ったりとか、わからないところについてのコメントをしたりとか、そうしたこともできそうなおもしろい試みだと思いました。
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 その後、プリントの穴埋めを説明していきます。プロジェクタで教室の前にプリントを投影して、その上にマーカーで書き込みながら説明をしていきます。
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 吉川先生は、プロジェクタで動画を投影して見せることもしていました。動画の中でアルマダ海戦の絵画なども紹介されていて、吉川先生は「大きい船がスペイン、小さい船がイギリスだね」と、さっきの班ごとの発表内容とリンクさせ、その内容がより定着されるように説明していきます。吉川先生が用意した素材はGoogle Classroomで共有されています。吉川先生が、「この資料は、さっき共有しておいたから見ておいて」と言っていましたが、それを普通に受け入れている生徒たちが、クラウドを普段遣いしている様子が見てとれました。

 授業の最後には、ペアでまとめたところを40秒ずつ発表し合う活動がありました。生徒たちの教科書には付箋が貼ってあります。あとで吉川先生に訊いてみると、授業に参加していて、「ここが大事だな、と思ったら、付箋に書く」のだそうです。多くの授業で聞かれる、先生からの「ここが大事ですよ」というセリフは、吉川先生は使わないようにしているそうです。その理由は、主体的な学習者であってほしい、という思いだそうです。この貼った付箋をもとに、何を学んだかをペアで共有していきます。クラウドでの共有、ペアでの共有、一人で学ぶのでなく、みんなで主体的に学ぶということを意識した世界史の授業だと感じました。

 No.2に続きます。
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(為田)