教育ICTリサーチ ブログ

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福生市立福生第七小学校 校内研究授業 レポート No.1(2019年6月12日)

 2019年6月12日に福生市福生第七小学校にて行われた、校内研究授業を見学させていただきました。4年生の算数の基礎クラス(岩下夏美 先生が担当)と発展クラス(吉成亮 先生が担当)の2つのクラスで、「垂直・平行と四角形」の授業を見学させていただきました。
 福生第七小学校の2019年度の校内研究の主題は、「EdTech(教育×IT)を活用して、21世紀を生き抜く確かな学力を育む」となっています(参考:福生市立福生第七小学校 校内研究会 レポート(2019年4月24日) - 教育ICTリサーチ ブログ)。
 今回の研究授業では、一人1台のiPadでスクールタクトを使って、身のまわりの平行を探して興味を喚起し、2枚の三角定規を使って平行な直線をひく方法を考えてもらうというものでした。この過程で、動画を使って平行な直線をひく方法についてのヒントを、一人ひとりの理解度に合わせて参照してもらいました。

 授業の最初に、前時にiPadを持って学校内で探して撮影してきた平行をみんなでスクールタクトで見てみました。最終的に、モニターに表示した写真を示しながら、どこに平行があるかを子どもたちに発表してもらいました。「教室の配膳台の下のパイプが平行!」とか「階段のところは段も平行だし、手すりも斜めに平行だし…」と、子どもたちは日常の中からさまざまな平行を見つけることができていました。
 スクールタクトでは、写真の上に、線をひくこともできるので、直線をひくことでよりわかりやすくなります。
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 続いて、スクールタクトで課題を子どもたちに提示しました。今回の課題は、「2まいの三角じょうぎを使って、点Aを通り(ア)の直線に平行な直線をひきましょう」。スクールタクトに表示されているのと同じ問題が印刷されているプリントが配られます。岩下先生は、黒板に要点をまとめて説明をしてから、「2つの方法があるので、みんな三角定規を使ってやってみましょう」と言います。
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 岩下先生は、「黒板もヒントになるけど、スクールタクトの中にもヒントがあるよ」と言います。スクールタクトで先生が用意した教材のコメント欄に、ヒントの動画が埋め込まれています。これで、一人ひとりが、自分の理解度に合わせて、手元でいつでもヒントの動画を見ることができるようになります。
 これらの道具は、指導案のなかで、研究主題に迫るための指導の工夫として「学びの個別最適化を図る(個に応じた学び)」として書かれていたものです。
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 今回の単元で、平行な直線のひき方は2つ紹介されますが、それぞれに、4つのヒントがあります。4つのヒントは短い動画で、少しずつ段階的に平行な直線のひき方が説明されていますので、順に見ていくことができます。
 一人で平行な直線をひくことができる子は、答え合わせのためにヒントを見ることもできます。できた子が「先生、これでいいの?」と挙手をして先生に確認してもらうのを待つことなく学習を進めることができます。
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 途中、「もし、わからない人がいたら、先生と一緒に考えてみよう」と、岩下先生は声をかけていました。これで、動画のヒントなしで平行な直線をひく子、動画のヒントを見ながら平行な直線をひく子、先生から説明をしてもらいながら平行な直線をひく子、それぞれの理解度に合わせて学習の方法が教室に用意されることになりました。


 ここで、発展クラスの吉成先生の教室へ移動してみました。発展クラスで吉成先生はヒント動画を再生させながら、全員に向けて解説をしていました。ポイントとなるところや、間違えそうな点などを、先生が全体に解説することで、「あ、そういうことを言いたい動画なのか」というのを子どもにわかってもらうことができていたと思います。
 前段階にこうした解説があることで、「あれ、ここどうだっけ?」ともう一度自分で動画を見るときに、振り返るべき知識をつけることができます。
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 あるいは、このポイントを、子どもたち自身に書いてもらってもいいかもしれません。動画編集が大変であれば、三角定規を使って平行な直線をひく方法を段階ごとに写真で撮影して、その段階ごとに、スクールタクトで1ページずつ写真を挿入し、説明を入力してもらったり、鉛筆でメモしてもらって、それを他者と共有するという活動にすることも可能だと思います。
 そうしてクラスみんなが作成した説明を見合って、わかりやすい説明には「いいね」をつけるという課題を設定することで、「他の人にわかりやすく説明する」ということを通常の授業で2~3人の人しか発表できなかったものを、クラス全員ができるようになります。こうした授業は、スクールタクトのような授業支援システムによって可能になることだと思いました。

 No.2に続きます。
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(為田)