教育ICTリサーチ ブログ

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「新しい「学び」のPerspectiveセミナー ~ICTを活用した学級経営~」 イベントレポート No.4(2019年6月20日)

 2019年6月20日に、NTTコミュニケーションズ本社で開催された、「新しい「学び」のPerspectiveセミナー ~ICTを活用した学級経営~」に参加してきました。講師として、前・小金井市立前原小学校 校長で、2019年4月から合同会社MAZDA Incredible Labを立ち上げた、松田孝 代表が、自身がされてきた学校経営のなかから、まなびポケットとChromebookを活用した活動についてプレゼンテーションをされました。

 松田先生は、学校でICTが使われないのは、学習指導要領の問題ではなく、既存の教科教育法の問題ではないかと言います。先生方は、教科教育法を学んで、教員免許をとります。これまで日本の教育システムが積み上げてきたものが、ある程度の成果を出しているからこそ、新しいことにチャレンジがしにくくなってしまうのではないか、と。
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 学校の機能として、「安全確保」「人権尊重」「学力向上」の3つがありますが、このうちの「安全確保」と「人権尊重」をアナログベースでしっかりやって、それからICT活用をアドオン(追加)して「学力向上」を目指しても、そこまでは行き着くことができない、と松田先生は言います。
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 逆に、ICTのAdaptive、Assistive、Activeの3つの機能を使って新しい学びを創造し、それらの機能を使って、多様性の尊重や信頼関係の構築などを図り、「人権尊重」と「安全確保」を実現するという逆方向のアプローチを取ればいいのではないか、と松田先生は提言されていました。
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 こうした方法を、MDMMAZDA Disrupt Model)として、広げていく活動を松田先生はスタートしました。
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 NTTコミュニケーションズレノボジャパン、Googleの3社で、まなびポケットとChromebookを使った、「Relational Classroom Project」がスタートします。このパートナーシップで、MDMの実証を全国5地域で行う、と発表がされました。
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 実証を行うのは、福岡市立吉塚小学校、新宮町立新宮東中学校、倉敷市立水島小学校・旭丘小学校、金沢市立夕日寺小学校、柳津町立柳津小学校・柳津学園中学校の5地域7校です。この7校でのMDM実証、非常に楽しみですし、機会があればぜひ見学させていただきたいと思います。
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 これまでの実践報告だけでなく、松田先生が今後どういう方向に進むのか、テクノロジーがどんな役割を果たすことができるのか、多くのことを知り、多くのことを考えることができたイベントでした。
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 「Relational Classroom Project」、MDM実証、今後の発展を注目して見ていきたいと思います。

(為田)